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アメリカで人気の投資リアリティ番組「シャーク・タンク」は日本発なのに

ニュージーランドのテレビ局の「Bravo」で、夕方6時半から放映されている「Shark Tank (シャーク・タンク)」という番組を、微妙な時間帯にもかかわらず、時々見ている。今調べてみたら、朝の10時からも放映しているらしい。

ちなみに、「Bravo」は、ニュージーランドの主要テレビ局の一つである「Three」の姉妹局で、ニュージーランド国内なら、ThreeNowというWebサイトでも視聴出来る。

投資リアリティ番組「Shark Tank(シャーク・タンク )」とは?

その時々でメンバーが入れ替わる投資家5人を前に、資金を必要としている事業家が番組内でプレゼンをして、投資をする価値があると投資家が思った場合には、投資がオファーを出し、そのオファーを事業家が受け入れた場合には投資が成立する。

商品やサービスのアイデアは良いけれど、資金やマーケティング等の知識や販売ネットワーク不足等が感じられるスタートアップや、既に何年かビジネスを行っているけれど停滞中という事業家や、既に成功しているけれど、もっと上を目指しているという事業家等など、いろんな人たちが登場する。

シャークには、サメという以外に、搾取する人という意味があったり、特定の分野の専門家という意味もあったりするみたいだけれど、番組のシャーク・タンクという名前は、投資をすることで自分たちが利益を得るための獲物(事業家)を探しているシャーク(投資家)たちがいる場所ということらしい。
そこに飛び込んで、上手なプレゼンで泳ぎきって投資家を納得させることが出来た事業家のみ、融資とサポートを獲得することが出来るということらしい。

とにかく、あっと驚くアイデアや、エンターテイメント感たっぷりのプレゼンや、いろんなキャラクターの事業家が登場して来て楽しめることと、投資をする価値があるかどうかの判断ポイントの基準が、投資家にはなったことがなければ、今後なることもないであろういっぴき羊には、とても新鮮で興味深い。

気になった事業家がいた場合は、番組に登場した製品やサービスの名前と、Shark Tankという言葉を合わせて検索してみると、番組後にどうなったのかを解説するブログやWebサイトがたくさんヒットする。
大成功した商品やサービスもあれば、放送後に注文が殺到してトラブルになったといった話題や、番組上では投資が成立したことになっていても、結局は投資が行われなかった等など、その後の情報を知ることができる。


と、前置きがとてつもなく長くなってしまったけれど、本題はここから。

世界中で人気の投資番組は日本発祥

この「Shark Tank (シャーク・タンク)」という番組、実は、世界中に広まっている「Dragons' Den (ドラゴンズデン)」の名前をアメリカ用に変えたもので、名前は違うけれど、「Dragons' Den (ドラゴンズデン)」のフランチャイズ番組として、同じ形式で番組が作られている。

そして、何を隠そう、この「Dragons' Den (ドラゴンズデン)」は、20年ほど前にテレビを見ていた人たちはお気づきかと思うけれど、

日本のテレビ番組「¥マネーの虎」

が発祥となっている。

当時、既に日本を離れていたいっぴき羊だけれど、この番組のことは聞いたことがある。たぶん、ニュージーランドで「Dragons' Den (ドラゴンズデン)」が放送されて話題になった時に、耳にしたのではないかと思う。

ニュージーランドでは、イギリス版とオーストラリア版の「Dragons' Den (ドラゴンズデン)」が放送された後、2006年にニュージーランド版の「Dragons' Den (ドラゴンズデン)」が製作され、放送されたらしい。
番組を見たのかも知れないけれど、残念ながら、内容は記憶に残っていない。

日本の「¥マネーの虎」は

2001年10月から2004年3月まで日本テレビで放送されたリアリティ番組。

出典: ¥マネーの虎 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

なのだそうだ。

世界の「Dragons' Den (ドラゴンズデン)」に関しては、Dragons' Den (From Wikipedia, the free encyclopedia)によると、「2001–present」となっていて、2001年から現在まで、ずっと続いているようだ。
「Dragons' Den (ドラゴンズデン)」という名前を使っていない番組も加えると、Dragons' Denのフランチャイズとして番組が製作された国は、45カ国を超えている。

アメリカの「Shark Tank (シャーク・タンク)」は、2009年に始まって、プロダクション会社は何度か変わったらしいけれど、現在も続いている。
ちなみに、親会社は日本のソニーグループという、アメリカのソニー・ピクチャーズ テレビジョンが配信を行っている。

日本ではスタートアップ支援が遅れているとか、素晴らしい商品やサービスのアイデアを持っている事業にたいする投資がまったく行われていないとか、もっと海外を見習うべきだといった言葉を、日本のメディアで見たり聞いたりする。

それを聞いたコメンテーターの人たちも、みんな口を揃えて、日本は遅れている、海外を見習うべきだと言う。

でも、この「Shark Tank (シャーク・タンク)」や「Dragons' Den (ドラゴンズデン)」といった番組の広がりを見て思うのは、世界が日本のアイデアを見習って、飛躍していったということ。

アイデアやサポートを提供する時に、絶対に提供する側より提供される側の力が強くならないようにとか、常に提供する側が提供される側より優位に立ち続けられるようにといったことを、重要視するカルチャーを見かけることがある。

提供される側を助ける為の正の制約の必要性は理解できるけれど、提供する側の特権を維持する為だけの負の制約は、残念だとしか思えない。

例えば、何もなかった場所に種を蒔くように、アイデアやサポートを提供したら、提供された側が提供する側の負の制約を受けることなく、どんどん成長していった場合には、喜ぶべき頼もしいことだと思う。

縁の下の力持ちの役割を果たしたことは、悲観するべきことでも、後悔するべきことでもなく、今後の新たなアイデアの発想の土台となる自信へと繋いで、世界中が真似をしたくなるイノベーションを次々と起こして欲しい。

南半球にあるニュージーランドから北半球にある日本を見上げた時に見えてくる、日本のユニークな発想と緻密な技術には、期待しか持てない。


※「Shark Tank (シャーク・タンク)」がどんな番組なのか気になったという方は、ぜひ、YouTubeで番組を見てみて下さい。

YouTubeチャンネルShark Tank Global

YouTubeプレイリストShark Tank US | Sony Pictures Television

に、1時間の番組単位ではなく、各プレゼン10分~15分単位で、動画がアップされているので、英語が苦手という方にもおすすめです。

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