アメリカで車を買う
今回数年ぶりにアメリカ(カリフォルニア)で車を買いました。
その際に感じた日本との違いや、自分なりにリサーチした方法などを共有しますので、これから車を買おうとしている人は参考にしてみてください。
アメリカの殆どの地域で車は生活必需品なので、電気屋さんで家電製品を買う時のようなイメージで「その場に在庫として置いてある車」を「その場で契約を済ませて乗って帰る」のが一般的です。
日本だと契約の後に陸運局での手続きなどがあって、車を買ってから乗れるようになるまで数日から数週間かかるのが一般的なので、初めてアメリカで車を買うときはちょっと驚くかも知れません。
それだけ聞くと簡単に車が買えてしまうイメージなのですが、実際には商習慣の違いなどから手続きなども色々違いがあるので、よく予習してから車を買うことをお勧めします。
中古 or 新車リース?
アメリカでは中古車を買うのが一般的で年間販売台数が4000万台近くあり、新車販売は1400万台前後です。(参考データ)
これは新車の減価償却(Depreciation)の問題で、リセールバリュー(買った車を将来売却する時の価格)が購入後数年間でかなり下がってしまうので、合理的な国民性もあって数年落ちの中古車を買う人が多いからだと思われます。
減価償却の問題は日本でも同じはずなんですが、何でも「サラ」が好きで新車信仰が強い日本人の特徴が出ているのかも知れません。
一方でアメリカでは新車に乗りたい人は「リース」を選択することが多いようです。カーリースというのは、一定の期間を定めて(24ヶ月や36ヶ月など)、毎月決まった金額をディーラーに支払って新車を借り受けるシステムです。
基本的に新車しかリースは適用されず、期間中は定期点検やオイル交換などをきちんと受けることが必要です(点検費用は込みになっている場合が多い)。
あくまで車を「借りる」ので法律上の所有者はディーラーとなり、満期になって車を返却する際に傷やへこみがあると修理費用を請求される可能性がありますし、改造などももちろんNGです。また、走行距離の制限もあるので、契約した距離以上に走ると返却時にペナルティとして費用が発生します。
そんな面倒ならなぜ新車を買わずにリースするのか?というと、リースにすると事業経費として処理できるので、雇用主は営業など社用で車を使う社員に福利厚生の一環でカンパニーカーとして提供したりしますし、個人事業主の人達も経費処理できるのでメリットがあります。
当然新車なのでメーカー保証期間内ですし故障やトラブルも少なく、何かあっても所有者であるディーラーが面倒を見てくれるので楽ちんです。
カーローン
一方で車を自分の所有物として自由に使いたいし、長期間保有したい!という人は車を全額キャッシュで購入する以外の方法として「ローン(LoanもしくはFinanceと表現されます)」を組むこともできます。
この方法は日本でも一般的なので詳しく説明する必要はないと思いますが、頭金(Down payment)を支払って残りの金額をローンとして月々支払っていく形をとります。
ローンは新車でも中古車でも組むことができますが、中古車の場合は新車よりローンの選択肢が限られたり、年数や走行距離の制限などがあります。
アメリカでローンを組む際に気を付けないといけないのは「クレジットスコア(Credit Score)がないとローンが組めないのと、そのスコアが低いと利息がかなり高くなってしまう事です。
これは日本の信用情報のようなもので、金融機関からの借り入れ額や家賃、光熱費やネット・携帯などの毎月の支払いがきちんとされているか、クレジットカードの支払いが期日通り行われているかなどが全て記録されており、数値で現れされています。
いくつかの信用調査会社が独自にクレジットスコアを出していて基準の差はありますが、一般的に300-850点のレンジで600点台だとまずまず、700点台だと良いとされているようです(お金を貸す側がスコアをベースに都度判断するので、絶対に何点あれば良いとか悪いとかいうものではありません)。
アメリカに来て間もない人はクレジットヒストリーがありませんので、どんなに日本でお金を持っていてもローンを組むのは難しい(もしくはとても高い利息が設定される)と思った方が良いです。
また、このクレジットヒストリーがないとクレジットカードを作ったり携帯電話の契約をする事もできませんので、最初の段階ではデビットカードや銀行振り込みで支払いを6ヶ月以上続けてクレジット(信用)を積み上げる必要があります。
ではどうするか…
このように、アメリカで車を手に入れる方法はいくつかありますが、クレジットヒストリーが無い最初の段階では全額キャッシュで車を買うか、大部分を頭金(Downpayment)として支払い、少額のローンを高い利息で組むしか選択肢がないと言えます。
さらに言えば、アメリカの銀行で口座を開設するにはSSN(Social Security Number:社会保障番号)が必要になり、アメリカに着いたらとにかく居住地にあるSocial Security Officeに行って番号を申請し、その番号を持って銀行口座を開設したり運転免許を取得したりする必要があります。(SSNを申請してから発行されるまで2週間ほどかかります)
こういった面倒な手順が色々あるので車を手に入れるまでには一定の時間と手間がかかりますので、最初の段階ではレンタカーを借りるか(高い!)、知り合いの人から車を借りたり、車を使わずにUberやLyftなどのサービスを使って生活するなどの工夫が必要になるかも知れません。
比較的大きな都市に住む場合はバスや鉄道のルートに近い場所に家を借りて、車を使わないライフスタイルを選択するのも一つです。
私もSan Joseで数ヶ月ほど車なしで電動スクーターとバスをUber/Lyftを駆使して生活してみましたが、ダウンタウンの近くだったので何とかなりました。
次に具体的な車の選び方について説明します。