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アムトラックでアメリカ横断:3日目前編~テキサスはデカかった!

※この記事の一番下に旅の動画もあるので、合わせて見ると更に楽しめます

いよいよ最初の目的地であるニューオリンズまであと一日を残すのみとなりました
ところが、この一日がとても長く感じられる日になりました…

今回はココ、地図で見ると短いですが1000km以上あります

寝苦しい夜

初日の夜はとてもスムーズに眠ることができて、何度か目が覚めたものの快適な夜でした
ところがこの日の夜は列車の振動がかなり激しくて、とても浅い眠りになってしまいました
例えて言うなら、飛行機が気流の悪いところを通過する揺れが一晩中続く感覚でしょうか😓

しかもエアコンの空調の調子が悪くて冷房が効かず、暑さでも目が覚めてしまいます
個室の扉を開けると涼しい空気が入ってくるのですが、ディーゼルエンジンの排気ガスも少し入ってくるので、開け放しもしたくありません
乾燥で喉がやられるのもあって、マスクをしてウトウトと寝たり起きたりしていました

そんな中でタイミング悪く、次の停車駅であるテキサス州のサンアントニオに着いたのが早朝の4:50頃…
これはカリフォルニアとの時差が2時間ある事を考えると、2:50頃に起こされるイメージです
ここから長い一日が始まりました😐

ご覧のとおり、まだ夜明け前

サンアントニオは人口150万人をほこるテキサス州西部の大都市で、様々な産業が盛んです
駅前にも大きなアリーナであるアラモドームがあり、タワーオブアメリカと呼ばれるタワーもそびえています

早朝に佇むAmtrak

早朝から開いている店もなく、真っ暗な時に出歩くのは得策ではないので、いつも通り駅の周りをブラブラ…

アラモドーム
タワーオブアメリカ

早朝だったこともあって気温はさほど高くなく、半袖で少し寒いかな?というぐらいでした
列車は定刻通り出発し、とりあえず目も覚めてシャワーも浴びたので、ゆっくり朝食を頂いてまったり過ごすことに

スクランブルエッグ、美味しかった!


テキサスも中程まで来ると穀倉地帯になり、一面に緑が広がるシーンが多くなります
これまでのアリゾナやテキサス西側で見られた赤い砂漠やハゲ山はなくなり、広大な畑や森、ただの広大な荒地などがひたすら何時間も続いています
ただただアメリカの国土の広さと自然の豊かさに圧倒されるばかりです

赤いトラックが緑に映えます


展望車ではこんな感じで景色を楽しめます



またまた事件発生!

Amtrakの旅をすると何人かのアメリカ人に伝えたところ、皆口を揃えて遅れがすごいから気をつけるようにと言われました
理由は貨物列車を優先するために待ち合わせが多いということでしたが、ここまでは見事なぐらい順調でした
ところが思わぬハプニングが…😨

テキサス州の大都市ヒューストンまであと10分という所で、なぜか列車が停止
徐行したり乗り換えのための短期間の停止はちょくちょくあったので気にしてなかったのですが、今回は様子が違いました

車内アナウンスによると、前方の線路上にある送電線を除去する必要があり、その作業に45分ほどかかるとのことでした
なぜ送電線が線路に落ちているのか分かりませんが、とにかくのんびり待つことに
この路線は3日に1便しか運行しないので気づかなかったのかな??

しかし待てど暮らせど運行を再開する様子はなく、暇なので展望車に行ってみることに
そうすると、そこにいたインド人のおじさんが「ほら、あそこにトラックがあるだろ。でも作業員は一時間前から全然何もしてないんだよ」と…

遠くに見える白いトラックが作業車だそうです

それから更にしばらく待ちぼうけを食らっていると、追加のトラックが到着してなにやら作業がスタートした模様
何とか1時間半ほどで完了し、めでたく列車は運行再開となりました
その時に、展望車にいた乗客から拍手が沸き起こりました👏👏👏これぞアメリカらしい反応だなぁと感心
日本だったら乗客はイライラして乗務員は平謝りしながら対応するケースですが、こちらでは誰も文句を言わず、仕方ないやと腹をくくっています
大らかな文化の一面を見た気がしました

無事作業完了、ありがとう!

ヒューストン

そしてAmtrakはテキサス最大の都市であるヒューストンへ
都市圏を含めると人口710万人を抱える全米4位の規模の大都市です
かつては綿花の貿易、その後油田が見つかり石油精製の一大拠点となりました。宇宙センターもあり、まさに巨大なアメリカの象徴です

そびえたつ高層ビルと高速道路

ただ、ここでは遅れを取り戻すためにも乗り換えの人のための短時間の停車のみ許されました、残念…

運転士と談笑する乗客
運転手さんに写真をお願いすると、持っていた葉巻を後ろに隠してポーズ!
(喫煙したらだめなんでしょうね)

ボーモント

ヒューストンを出ると、次はボーモント(Beaumont) という小さな駅に向かいます

この辺りに来ると一気に緑が濃くなってきて、樹々が生い茂る森と池や川、沼地などが続きます
ところどころに大きな家があったり、畑もありますが、とにかく圧倒的な緑の量に驚かされます

これまで見てきた砂漠の荒野と同じ国とは思えないぐらいで、緯度がさほど違う訳でもなさそうです
地図でみても、テキサス州の西と東では全く違う地形になっています
まあテキサス州が日本の2倍の面積があり、横断すると広島から青森ぐらいの距離があるので、地形や気候が違うのは当たり前なのかも知れませんが

ここはとても小さな街でしたが、のどかで良い雰囲気を感じるところでした
調べてみると、ボーモント自体は人口12万人ほどの規模ですが、油田と港湾があって発展した街だそうです
確かに線路の周りには精油工場らしき建物が沢山ありました

駅舎はめっちゃちいさい
こういう石油タンクも数えきれないぐらいありました

ルイジアナの田んぼ

ボーモントを過ぎてルイジアナ州に入ると更に緑が豊かになってきます
驚いたのは、物凄い広さの「田んぼ」でした!
調べてみると、アメリカ全土の米の生産量は2021年で約870万トンで、日本全国の合計である776万トンを上回っています
ルイジアナ州はアメリカで三番目に米の生産量が多くて年間129万トンですが、これは日本最大の新潟県と北海道の合計126万トンとほぼ同じになります
https://www.usarice-jp.com/about/field.html

特に南部では昔からケイジャン料理という米を使った料理が多く、米作が昔から盛んだったようです
田んぼの規模が半端なく広くて、線路沿いには何キロにも渡って水田が続く光景を見ることができます

一面の水田がひたすら続きます


お米以外にも畑や牧場があり、とにかく平らで豊かな土地が広がっています
大規模農業が発達したのはうなずけますし、そうしないとこの広大な農地を管理するのは無理だという事も分かります

ルイジアナに入ると豊かな湖や池があちこちにありました

さて、いよいよSunset Limitedの旅も終盤にさしかかりました

旅の動画










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