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アムトラックでアメリカ横断:3日目後編~テキサスからルイジアナへ

さて、カリフォルニア州ロサンゼルスからルイジアナ州ニューオリンズに向かうSunset Limited号での3211kmの旅も終盤を迎えました
無事に着ければいいのですが…

今回はここ、いよいよニューオリンズですが…
ひたすら続く平原
テキサス東部やルイジアナ州は豊かな穀倉地帯です

二度目の夕食


Amtrakの旅で二度目になる夕食の時間が来ました
食堂車を担当する車掌さんが予め時間と料理の注文を聞いてくれていて、18:30に食堂車に行きました
今回オーダーしたのはこんなメニューです

  • 前菜にクラブケーキ

  • メインにはトルテリーニのパスタ

  • 飲み物にはロゼと白ワインを一杯ずつ(二杯目は追加料金)

  • デザートにチーズケーキ

今回の旅での意外な一面は、食事がかなり充実していることでした。飛行機のエコノミークラスの機内食をイメージしていたのですが、かなり上を行っていました

アメリカでよくある一人で食べ切れない巨大なサイズではなく、味付けも割とちゃんとしていて美味しく頂けます😋

クラブケーキ、いわゆるカニコロ
トルテリーニ、ペストと呼ばれているバジル系のソースでした
もちもちして美味しい
少し食べかけてから撮影…
コーヒーも美味しかったデス

ラファイエット


そうこうしているうちに、ニューオリンズの前に唯一降りて休憩できる、ルイジアナ州のラファイエットという小さな駅に止まりました
いまだにちゃんとは理解できていないのですが、Amtrakは停車しても降ろしてもらえない駅と、降りて休憩してもよい駅があります
降ろしてもらえない駅はそこが目的地の人や、乗り換えでその駅を理由する人に限られているようで、車掌さんがけっこう厳しくチェックしています

日本のローカル線でもあるかも知れませんが、この駅のホームがAmtrakより短かいので、列車が踏切にはみ出した状態で5分ほど停車していました

のどかな駅
もうはみ出しているというか、そもそも駅と列車のサイズが違うでしょ!


サンセット


そのは一路ニューオリンズに向けて列車はひた走ります
途中で二つぐらいの駅に止まりますが、前述の通りの理由で私は降ろしてもらえません😅

ちなみにネットで調べると巨大なミシシッピ川にかかる鉄橋を渡るのがハイライトらしいのですが、ロスからニューオリンズに向かう場合は到着が夜になるので、その光景を見る事はできませんでした
その代わり、緑の森や平原に沈んでゆく真っ赤な太陽を楽しむことはできました

19:30頃の夕日です
展望車からはこんな感じで見えます


最後の難関

あとは泣いても笑ってもニューオリンズ駅にまっしぐら、まあ途中にトラブルは二つあったけど思ったより楽しい列車の旅だったなぁ…と感慨に耽っていました
外も陽が落ちて真っ暗なので、どこを走っているかもよく分かりません
列車はところどころスピードを上げたり、スローダウンしたりしながら進みますが、それもいつものことです
少しウトウトとまどろんでいました

ところが、いつの間にか列車は完全に停止してしまっていました😨
まあそれでもすぐに動き出すだろうとのんびり構えていたのですが、車内放送が

「ただいまニューオリンズ駅の手前ですが、ミシシッピー川の橋には線路が二本しかなく、現在その両方が列車で塞がれています」
「交通管制官によると、それらの列車がいつ動き出せるかは分からないという事です。しばらくお待ちください」

え〜⁉︎
いつ動き出すか分からないってどーゆーこと?


真っ暗な中で閉じ込められると不安や不満がわいてきます
すでに到着予定の21時を大幅に過ぎて23時過ぎ…
駅からホテルまでの移動やチェックインもしないといけないし、慣れない街で深夜の移動は危険を伴います
いやだなぁと思っていても、列車は一向に動かず

しかもなぜか個室の空調が効かず、妙に暑苦しくなってきました
扉を開けると少しマシになるのですが、排気ガスが少し混じっていて気分が悪くなりそうです
それからまた30分ぐらい経ったでしょうか、車内アナウンスが

「まだ動きませんが、空調が効かなくて暑いという連絡がありましたので、オーバーライドをして空調を強めます。遅れてしまい申し訳ありません」

という事で、先の見込みも分からないまま、ひたすら待つことに
その間、寝台車担当のアテンダント(リサさんという黒人女性で、この道33年の大ベテラン)は各部屋のゴミの片付けやピローケースの回収を始めました

Sunset Limitedでは食事をしに食堂車に行っている間に、寝台車のアテンダントがベッドを片付けたりセットしたりしてくれるシステムになっています
既に折り返しで翌朝出発するためのベッドメイクなども始まっていますが、リサさんも動かない列車に何度もため息をつきながら片付けをされていました

結局列車が動き出してニューオリンズに着いたのは深夜の1:00…
見事に3時間の延着となりました、合計で51時間の旅になります

Amtrakは遅れるのでアテにならないと聞いていた噂は真実だった訳です
幸い私はニューオリンズに二泊する予定を組んでいたので大事には到りませんでしたが、やはりここまで長時間遅れるとガックリきます😑
特に真っ暗な夜に列車が止まってしまうと精神的に疲れてしまうのと、前日の夜の睡眠不足と早朝のサンアントニオ駅到着で目が覚めてしまったこともあり、かなり疲労を感じました

まあとにかく無事に着けたし、途中の風景は忘れられない素晴らしいものだったので、ヨシとしましょう
これでまずはアメリカ大陸横断の約半分、3211kmをクリアしました!

長距離の運行、お疲れ様でした!
深夜のニューオリンズ駅で降りる人々

今夜のお宿


もう真夜中で治安面でも不安があったので、ホテルへの移動はLyft (Uberと同じライドシェアサービス)を使いました
今夜のお宿はフレンチクォーターという歴史地区にある「Hyatt Centric French Quarter」にしました

駅から徒歩20分ぐらいですが、タクシーかライドシェアの方が安全だと思います

黒人の若手のドライバーさんでちょっと緊張しましたが、外見とは違ってなかなか良い人でした
「生活費をかせぐためにドライバーの仕事をしてるけど、車の修理にお金がすごくかかってしまったので、こんな夜中までやってんだ。今夜はあんたが最後のお客だよ」みたいなことを言っていました
無事ホテルに到着!

お値段はキングベッドのシングルで一泊約$200。少し高いとは思いましたが、今のアメリカの物価とホテルのクオリティを考えるとリーズナブルなのかも知れません。(これは平日の価格なので、週末の値段はもっと高くなるはずです)

クラシックな建物を改装していて、重厚感とモダンさが融合したお洒落なホテルでした
部屋もとても広く、調度品もレベルが高い

長かった50時間を超える列車での旅を一旦終えて、久しぶりにホテルの広々とした部屋でシャワーを浴びてベッドでくつろぐことができました!
さすがに疲れていたのでこの日の夜は街には繰り出さす、おとなしく寝る事にしました
次回はニューオリンズ滞在記です、乞うご期待!

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