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アムトラックでアメリカ横断:2日目後編~ニューメキシコからテキサスへ

Amtrakはアリゾナ州の次に、ニューメキシコ州を経てテキサス州に入ります
ニューメキシコ州といえば日本人にはかなり馴染みが薄い州ですが、アルバカーキの熱気球やサンタフェという街の名前は聞いたことがあるかも知れません
Amtrakの「Southwest Chief号」という路線だとロスからシカゴまで行く途中にそれらの街を通るのですが、私が乗った「Sunset Limited号」はもっと南を走り、ニューメキシコ州を少し越えてテキサス州にあるEl Paso (エルパソ)という街に停車します
ここはメキシコと国境を接する人口68万人ほどの大きな町で、トランプ大統領が途中まで建設した国境の壁(通称トランプウォール)も見る事ができます

今回は青で囲った範囲のレポートです
この通り、ギリギリでアメリカのテキサスとニューメキシコとメキシコの国境にあります

実際にトランプウォールを車窓から見れるのは、エルパソに着く少し前で、南側(ロスからの便だと進行方向右側)になります
ラウンジカーの南側を予め陣取っておけば、真正面にその風景をみることができます
私は予備知識がなかったので、食堂車でランチを食べていたら偶然アナウンスがかかり、写真をパチリと撮りました
この写真より前のタイミングでは、鉄の壁が山肌に沿って並んでいるのも見えました!

食堂車から見たトランプウォールの一部

エル・パソ

この街に降りたった瞬間に感じたのは「熱い!」ことです(暑いを通り越して熱いです)
アリゾナ州のツーソンも灼熱の街ですが、Amtrakは朝に停車していたので、それほど気温は高くありませんでした
エルパソに着いたのは午後3時、まさに一番気温が上がる時間帯だったので熱波がすごかったです

いかにも雰囲気のある建物


この日の最高気温は37度、乾燥しているので汗はあまり出ませんが、肌がヒリヒリする感じです
駅舎は広々としていて、スペイン風の建築スタイルです

エルパソでは45分ぐらい停車していましたが、特に駅を出ても近くに目ぼしいスポットがなさそうだったので、駅前をブラブラしておきました

ちなみにAmtrakの時刻表はありますが、実際に停車する時間はその時の状況によるので、駅員さんに毎回確認してから降りましょう
Amtrakが出発する前には必ず汽笛を鳴らして知らせてくれるのですが、なんだか風情があっていい感じがします

なお、寝台車を担当する乗務員さんが乗客の顔を覚えていて、停車中に不審車が入ったり乗り遅れがない様に見てはくれていますが、貴重品は必ず持って降りるようにしましょう!

駅前にある案内板、くしゃくしゃ…
駅は少し高台にあるので、メキシコ側も見えます

そしてエルパソを出発して、次の停車駅であるアルパイン(Alpine)に向かいます
また延々と続く荒野を両側に眺めながら、のんびりと旅は続きます

ひたすら続く大平原


眺めがよくて開放的な展望車が気に入って、個室を抜け出してそっちに行く方が増えてきました
乗客はさほど多くないので、パノラミックな風景をゆっくり楽しむことができます
寝台車とは違って時折賑やかな会話も聞こえてくるのも活気があって楽しめます
中にはご機嫌になってか大きな声で歌をうたいながらブラブラするお爺さんまで出てきました

展望車はこんな感じで、窓を向いて景色を楽しむことができます

事件発生!?

テキサス州のアルパイン(Alpine) という駅に着いたのは夜の8時頃、まだ明るい時間帯でした
とても小さな人口6千人ほどの街らしく、特に見るものもなく外の空気を吸いに出る程度でした

ところが、ここで妙なことが起きました

前方車両の寝台車から降りた乗客に対して、列車を少し動かすから列車から離れろというのです
そしたら列車が10メートルほど前に行って停車し、後方車両のCoach classにいた乗客も降りてきました

そしてCoach classの車両に1人の女性警察官と乗務員が数名乗り込んで行きました

しばらくして、警察官が1人のお爺さんを連れて降りてきたのですが、それはなんと、さっき展望車で歌いながら歩き回っていた人です!
そのまま警察官とお爺さんは駅の駐車場にあるパトカーの方に向かい、職務質問が始まりました

連行されるお爺さんを見守る乗客

見たところお爺さんの身なりはそれほどひどい訳ではないのですが、歩き方がふらふらした感じで少し変でした
攻撃的な感じはなく、銃を構えてホールドアップしたり手錠をかけられるような事はありませんでしたが、どうやら列車内でタバコを吸ってしまったらしく、そのままこのど田舎の駅で下ろされてしまいました…

職務質問の様子

あまり大きな遅れにはなりませんでしたが、いかにもアメリカ的なトラブルだなぁと感じた一幕でした
危険物を持っていたり、危険行動でなくて本当に良かったとホッと一息…

そして、何事も無かったかのように列車は運行を再開しました

つづく

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