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部族社会の女性とアレクサンダー・レッスン

20年前、アレクサンダー・テクニークを教える資格をとったにも関わらず、どうも教える勇気がわかず、そして、普段、アレクサンダーについて考えることがなかったのです。

アレクサンダーによって浮上する厄介な自分の習慣に圧倒されて嫌になる傾向があるからかもしれません。

ところが、この2年ほどだらだらと通い続けている週に1回のズンバ教室の時にはもアレクサンダー・テクニークのことを突然、思い出すのです。

それに踊っている時は4年間通い続けたアレクサンダー教師養成コースの時くらい気合が出ます。

先週は1ヶ月ぶりにズンバ教室にもどりました。

教室では、チャチャやフラメンコやマイケル・ジャクソンの多様なステップをたくさん教えられます。先生は言葉による説明はせず、ただボディランゲージだけで動きを通して教えていきます。

先週のクラスでは、チャチャやフラメンコなどのコンビネーション・ステップについていけないと思った瞬間に「ステップができないと思って自分を責めないでおこう。自分の頭と脊椎の関係性、軸の動きを大切にしておこう」と瞬間的に思い直しました。

普段、あんまり考えていないアレクサンダーのシンキングがステップを踏みながらパッと出てきた。

わたし、自分にアレクサンダーレッスンをしている!

すると動くのが楽しくなるし、やがて先生のステップもそれほど難しいとは思わなくなる瞬間が増えるし、自己肯定感が高まります。

リズミカルな音楽に合わせて踊っていると、まるで部族社会の女性たちのダンスに参加しているような気分になります。

ふと「このクラスは脳幹にとっても良い」という言葉がインスピレーションのように浮かびました。

ネットで脳幹を確認してみると、

脳幹は

生存の上で欠かせない自律機能を直接制御している重要な部位であるり睡眠・覚醒レベルの調整、姿勢運動制御も行っている(中略)体温温覚・感覚・冷覚・聴覚・眠気・食欲・筋力などの様々な情報を分類して大脳皮質に伝え覚醒・運動・感覚の制御・呼吸のリズムを形成する。

なるほどー

脳幹について調べていると、アレクサンダー教師養成コース時代の思い出が心に浮かびました。昔アレクサンダーの先生はバランスの良い優雅な姿勢を作ることの上手い人の例として、アフリカ大陸の部族社会の人たちの写真を見せてくれました。

アフリカの部族社会の女性たち(男性もです!)の姿勢の良さはどこからくるのだろうか。地平線が目の前に広がる風景の中で、大地を踏みしめ、5感プラス筋感覚をよく働かせている。骨や筋肉も有効に使われている。人とのつながりの中で生きているということに関係があるのだろうか。

コンピューターやスマホの影響で、肉体的な生活からますます離れ、メンタルな生活になりがちの現代人は、大脳新皮質が活発に働きすぎて自分や人に対して批判的になりすぎ、本来、生きているだけで幸せ!って思わせてくれる脳幹の機能の恩恵にあずかりにくいのかもしれない。

アレクサンダーテクニークを始めた20代の頃、自分の体を信頼できない、人や社会を信頼できない、ということに悩んでいました。当時のわたしは、自分がこんなに不安な人間になったのは、中学生の時に女子から集団でいじめられたこと、自分が学習障害だったとか、自分を育てた家族のメンバーがインテリすぎていつも頭の世界をさまよっていて、体の中にいないからだとか、自己分析を繰り返していました。

だけど心理分析ではどうにもならない。

わたしのようなタイプの人は、とにかく頭の世界から抜け出す必要があって、今ここ、この物理的な世界で自分を楽しむことを優先することが大切!

ズンバ教室で通して自分の脊椎に出会えて気分がすがすがしくなった次の日、幼稚園に働きに行きました。

子供や周りの先生にきちんと対応しようと思って慌てて反応するよりも、自分の頭と脊椎の面倒を優先させ、周りの動きをしっかり見る方が、流れが良くなるのがわかり、まさしく省エネになりました。

週一回のズンバ・アレクサンダーレッスンに本当に助かっています。もしかしたらアレクサンダーのレッスンを教えようとしてみるのもいいことかもしれない。

ドキドキするけど、それを50代のチャレンジにしようかな。







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