小鳥のハートで書店営業日誌2
つづき、、、。
鉄の扉を目の前にして、立ち尽くす小鳥ハート男。
窮鼠は猫をも噛むというが、果たして小鳥男に何ができる??
そこに救いの手!
バックヤードに書籍を取りにきた書店員さんが現れたので、あらためて自己紹介をして、人文書の担当者につないでくれるように頼んだ。
その書店員さんは、「お待ちください」というと、重そうな鉄の扉の向こうへと消えていった。
鉄の扉が再び開き、ようやく担当者とご対面かと思ったが、出てきた人は先ほどの書店員さん...。
担当者は電話中で、とりあえずここで待っていてください。と、鉄の扉は再び閉ざさてしまった、、、。
書店営業は、釣りと一緒だ。とにかく待つこと大事。そんな待ちの時間にいつも唱える言葉がある。
<焦るな。信じろ。待て。>
緊張した場面で、待たされるといつもこの言葉が浮かぶ。
小学校時代からの友人が、「パチンコ必勝の極意だ!」と、得意顔で私に教えてくれた言葉。
パチンコをやらない私に、彼がどうしてこんなことを言ったのかは、いまだに謎だが、この言葉を唱えると不思議と緊張感からちょっとだけ解放される。いまの私にとっては大切な呪文となっている。
皆さんのもしよかったら、使ってみてください。
呪文を唱えつつ、名刺、見本のカード、注文書の一式を素早く出せる準備を整えた。
さらに、己の緊張感を隠しつつ、相手に緊張感を与えない、まさに、仏のほほえみ!アルカイック・スマイルを口元に装着しスタンバイOK!!
するとすぐに、グワーーーンと天の岩戸よろしく鉄の扉が開かれ、女性の担当者が目の前に!
むむ...。できれば、男性の書店員さんであってほしかった。なぜならば、私の経験上、女性の方が財布の紐が固いのと一緒で、そう簡単に冊数を入れてくれないからである。
さらに、基本的に書店員さんは、初モノの書店営業を好まない。
何を売りつけてくるんだ? と、警戒心が先にある。
まあ、そんなことは百も承知であるから、「こちらは、小鳥ですよ~~。ええ、すぐ飛び立ちますからご安心くだされ~~。」と極力、ホモサピエンスの気配を消しながら距離を詰めていく。
鳥のさえずり程度の挨拶で相手の警戒心を解くと、素早く名刺交換を終え、さくっと本題に!と、注文書を渡す。
担当書店員さんは、注文書を見ると、
「ああ、これね~~。注文書、来てましたよ。さっき見てました!」
そうだった! 事前にFAXで注文書を送っておいたのをちゃんと見てくれたいたのか!こりゃ、ありがたい!
「これ、見本です!」
カードの入った見本の箱を渡すと担当者さんは、
「おっ。松長先生じゃないですか!」
さ、さすが、人文書担当者さん!
箱書きにある、
『巻頭のことば 松長有慶 高野山大学名誉教授』
この文言を見つけて、瞬時にこのカードの本質を理解してくれている!!!
解説書に書いてある巻頭のことばもしっかり読みながら、うんうん頷いてらっしゃる!!
さらに、カードも一枚づつ丁寧に見てくれてる!!
わたくの小鳥の心臓は、16ビートを刻んでおります!!!
百戦錬磨の人文所担当者さんは、もはや、「余計な説明はいらない」というラオウの闘気のようなオーラが!!
こ、これが、紀伊國屋書店新宿本店の人文書担当者の本気なのか!!!!!
20冊ぐらい、いっちゃうのか???
どうなんだ??
期待をしながら、注文書にペンを走らせる担当者を凝視!!
「そうですね。とりあず5冊で」
あ、はい。そうですよね、、、。たしかに、オラクルカードの厚さを考えると、5冊がMAXですよね。というか、最大限の評価じゃないですか!
いきなり初物で3000円もするオラクルカードを5冊も注文してくれるなんて!!
ありがとうございます!!!
5冊がすぐなくなるように、小鳥も全力で羽ばたきます!!
そして、歌います!!!!!
紀伊國屋書店新宿本店3階人文書フロア~~~♫
『仏さまカード』置いてあります~~~~♫
歴史ある太ミン~~~書店~~♫
素晴らしい~~~書店~~~♫
そうして無事に「仏さまカード」は、あっという間に売れてしまい、在庫がなくなったのでした。
おしまい