映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ネタバレ感想 と『スパイダーマン3』『アメイジング・スパイダーマン2』のネタバレ

当たり前の様にがっつりめのネタバレをしているので注意

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ポスターに描かれているヴィランや

予告編でチラ見せされている電撃、砂煙、パンプキンボム、ドクター・オクトパス

から察する事が出来る様に、サム・ライミ版とマーク・ウェブ版の予習必須と言っても過言ではない今作。
(欲を言えばNetflixのマーベルドラマとか一人称が「We are」のヤツとかDisney+のアレとか観ておくと細かい部分がより…)
だが「予習しておくべき一番の理由」は登場ヴィランにあるのではない。
彼らは別のスパイダーバースから来訪した事が作中でさんざん語られるため、サム・ライミ版もマーク・ウェブ版も予習必須と前述しておきながら実は観ていなくとも鑑賞者はなんとなく彼らヴィランの立ち位置が理解出来る様になっている。
(無論、観ておくに越した事は無いのだが。)
しかし、観ておかなければ抱く感想が全く変わるシーンがある。
それが………







終盤、自由の女神像での決戦にて崩壊する足場でのMJ落下の場面だ。


ピーター1(トビー・マグワイア)

スパイダーマン(2002)
公開時26歳

ピーター2(アンドリュー・ガーフィールド)

アメイジング・スパイダーマン(2012)
公開時28歳

ピーター3(トム・ホランド)

スパイダーマン:ホームカミング(2017)
公開時21歳

遂に邂逅したソニー・ピクチャーズのスパイダーマン。
個人的にはデッドプール製作の際に主演をライアン・レイノルズがやると耳にした時やスマブラSPにソラが参戦すると知った時よりも凄い事になったなと思ったこのシーン。
彼らはそれぞれが喪った大切な人について語り出す。
ピーター1(トビー・マグワイア)はベンおじさんを…

大いなる力には、大いなる責任が伴う

ピーター2(アンドリュー・ガーフィールド)はグウェンを…(ベンおじさんは?というツッコミは無しで)

グウェン・ステイシー
別のユニバースでは彼女もまた…

この時にピーター2(アンドリュー・ガーフィールド)はグウェンを「君にとってのMJの様な存在」と説明した。
―――そして最終決戦、崩壊する足場から落下するMJ。
ピーター3(トム・ホランド)がすかさず助けに飛び出すがグリーンゴブリンによって阻まれてしまう。
落ち続けるMJ。
間髪入れずピーター2(アンドリュー・ガーフィールド)が飛び出し、追い駆け、「今度は」その腕に彼女を抱きかかえ、ゆっくりと着地する。
そしてMJの無事を確認したのも束の間、顔をくしゃっと歪めてしまうピーター2(アンドリュー・ガーフィールド)。

そう!
ここなのである!

作中で語られるのはグウェンを喪った事だけで、どうやって彼女を亡くしてしまったのかはマーク・ウェブ版アメイジング・スパイダーマン2を観る外無い。

アメイジング・スパイダーマン2の終盤にて
グリーンゴブリンの凶行により時計塔内部を落下するグウェン。
アンドリュー・ガーフィールド演じるスパイダーマンは追い駆ける様に飛び出し、縋る様な想いでウェブシューターから出した糸で彼女の身体を捉える事に成功したものの僅かに間に合わず、彼女の父の遺言をなぞる様に…最愛の人を永遠に喪ってしまったのだ。

全然関係無いけれども、アンドリュー・ガーフィールドが笑った時とか泣く時の表情を見ると『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の子役、ゲイテン・マタラッツォを思い出す

アメイジング・スパイダーマン2を観た事がある人はMJが落下し始めた時、祈る様な思いでスクリーンを見つめていたに違いない。
そしてアンドリュー・ガーフィールドが涙を堪える様に顔を歪める僅か1秒程度のシーンが胸に深く刺さった筈だ。


ネタバレ感想ついでにもう一つ
ピーター2(アンドリュー・ガーフィールド)が「今度は彼女を救えた」様に、
トム・ホランド演じるピーターがヴィランの運命を知り、彼らを治癒して救おうとした様に、
この『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は救済がテーマになっているのではないのだろうか。
過去作で悲惨な運命を背負ってきたスパイダーマンやヴィラン達が、今作で救いを得る物語。
だが、ただ一人救済されずに只管に喪失を経験する人物が居る。
そんな対比すら計算され尽くした様な作りの今作は、間違い無く2022年(多くの先進国では2021年末公開だったが)を代表する作品だろう。


………そういえばトビー・マグワイアのピーターが「ハリーが自分の腕の中で死んだ」時の説明で「自分を殺そうとした時に」って字幕になってたと思うが、スパイダーマン3の終盤でピーターへの誤解が解け、スパイダーマンと共闘するハリーがヴェノムからピーターを庇って負った傷が死因だったから誤訳なのだろうか?

グライダーに呪われた血筋

そもそもサム・ライミ版、マーク・ウェブ版のシリーズからやってきたヴィランズも、それぞれが他のヴィランが元の世界で死亡している事を認識しているため完全に同一の世界からやってきている訳では無い可能性がある。
とするならば、トビー・マグワイアのピーターもスパイダーマン3のアースからではなく「スパイダーマン3に限りなく近い異なる世界」から訪れたのだろうか。
前者か、ただの字幕の見間違いであって欲しいが......…


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