よろず屋銀河譚

メリメリとガキガキとパチパチと音を立てて、客でもないおいらを庇ってくれた給仕アンドロイドがねじれて壊れていく。
その先にいる常時ハイになれるっていう身体中に違法薬物刺青をしたチンピラが、薬よりももっとタチの悪いなんかに酔いしれた目をして、でも口からは怒りの言葉を吐きながら手をゆらゆらとかざしている。
「やはり馬鹿を介するテレキネシスは意のままにならぬものよ!」
兄貴らから預かった極小記憶結晶を奪おうとする顔も見たことがないくそったれは勝手なことを言って、チンピラの目を介しておいらを覗き込んだ。

ボウン!

でっかい音がしてチンピラが倒れた。
頭に白いふわふわとした帽子をかぶった短い黒いくせ毛の、青い目の、おいらと年があまり変わらないような女の子が立ってた。兄貴らと同じ"ジャック"の格好だ。
「大丈夫?遠隔操作は解いたから」
「あ、うん」
「逃げよう」
手を取られ走り出そうとした瞬間、景色が揺れて変わった。
(続く)

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