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かなり厳しかった7―9月期の業績
木村 喜由の『マーケット通信』Vol.2203
円高と生産・需要減で製造業が減益に
15日時点で日経225採用銘柄のうち損保3社とカシオ以外の221社が7-9月に終わる四半期決算の発表を終えた。
率直な感想は、想定よりよくない、厳しい。
7月から急激に大幅な円高に見舞われたうえ、株価も急落したことから、売上面だけでなく、資産評価面でもネガティブな影響があると予想できたが、製造業系の落ち込みは想定以上だった。
7―9月国内の鉱工業生産指数は前年比―1.75%と冴えなかった。
トヨタの形式認定絡みの減産や中国経済の低迷の影響もあった。
四半期純利益は10兆7598億円・15.1%増益となっているが、これはSBGが前年の9311億円赤字から11796億円黒字に転じたため。
これを除外すると6.8%減益であった。
筆者は、直近1年間の株主持分の増加と配当金実績を合計したものを、期初の純資産で割って、包括利益ベースのROE概算値を算出している。
正確な数値には、この間の自社株買いや増資などの影響を織り込む必要があるが、一個人の手作業では無理であるし、そこまでやって正確な数値を出しても意味がない。
しかしこの数値を追い続けると、企業価値と株価の関係がより正確に把握できるので、真剣な投資家ならやってみる価値がある。
221社合計の9月末包括ROEは9.06%となった。
この数値自体はそれほど悪くないが、3月時点の18.56%、6月時点の17.04%から急激に低下したことは判るだろう。
9月30日のドル円は前年148.44円から142.65円に、TOPIXは2323から2646になっている。
海外で多額の資産を保有する企業にはネガティブ、株式を多く保有する企業にはポジティブである。
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