
AIに78兆円投資だって?孫さん、大損するぞ
木村 喜由の『マーケット通信』Vol.2219
トランプになって唯一日本によかったことは自動車のEV化へのブレーキ
2217号でNVIDIAのGPUビジネスに未来がないことを指摘したが、早速今朝の日経朝刊がこのテーマで大きく報じている。
同社1強を打ち崩す有望ベンチャーとして4社が掲載されているが、共通認識としてテンストレントCEOのジム・ケラー氏が述べている「GPUはAIの最適解からほど遠い」という事実があり、過去の半導体の歴史を振り返っても、激しい栄枯盛衰が繰り返されてきた。
勝者の永続が非常に難しい分野なのだ。
筆者は86年機械業界を振り出しに、87年から電機業界のアナリストとして日立、東芝、ソニーなどをたびたび訪問、担当を外れてからも業界の展開を観察してきた。
金融業、不動産業を含め、産業界は常に変化してきているが、その背景には必ず技術革新があり、それを可能としてきたのは具体的な「製品」を供給している機械産業である。
機械産業の高度化と発展は、突き詰めると半導体の急激な高度化、低価格化に伴う一連のコンピュータ(マイコンなどの機器内に組み込まれたものも含む)利用の急激な進展により、従来想定されていなかった分野まで機械の導入が可能になったからである。
ソフトウェアや機器利用のアイデアは、知的自由と大きな経済を持つ国家ならどこでもできるが、実際に作業を行う機械を作り上げるには、物作りの総合力という別種のハードルがある。
ここから先は
2,098字
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?