物語を書くうえで
前回前々回に、物語のテーマは
「本当の自分に戻る旅」である。
その下の階層に、
「虐げられる者の叫び」
が必要であることをお話しました。
今回は、じゃあ、どのようにしてこれらを自身の書く物語に落としこむのか?を書いていきます。
まず、必要なのは設定です。異世界、SF、時代劇、アクション、ホラー書きたいジャンルは人それぞれ持っているかと思います。しかし、そのジャンルに挑む前にやることがあります。
まず、今現在ご自身の身の回りに虐げるものと虐げられる者の構図を探すことです。
たとえば、国と民衆、会社と個人、親と子、先生と生徒などなど、で、見つけたらその構図の中で、虐げる者がどういうことを言っているか?行動しているか?虐げられる者がどういうことを言っているか?行動しているか?を把握します。
親と子を例に取ると、親は勉強しない子供に対して勉強しなさいと圧力をかけます(虐げる者)。しかし、子供はギタリストになりたい夢がありギターばかりを弾いています(虐げられる者)。憤った親はギターをぶっ壊します。キレた子供は自身の想いを親にぶちまけます(虐げられる者の叫び)。
簡単であまり良い例ではないですが、これが構図です。
構図を見つけたら、この構図を拡大縮小して自分の書きたいジャンルのサイズに合わせます。
異世界ものを書きたければ、
ある異世界の王国に王様がいます(虐げる者)。この王様の息子は世界を旅する吟遊詩人になる夢があって(虐げられる者)いっこうに王様になるための勉強をしていません。憤った王様は外に出られないよう幽閉してしまいました。その牢屋の中には現実世界から転生した主人公がとらえられています。主人公はこの息子の夢を聞いて脱獄して王様にその事を伝えよう(虐げられる者の叫び)と試みる。
何回も言います、簡単で良い例ではないですが、なんとなく形になってると思いませんか?
なぜこの作業が必要なのかというと、この現実世界の構図を把握していない場合、異世界の王国の話を書きたいと思っても、王様がいます、その息子がいます。さて、その次にどうしようって登場人物を動かすことができないのです。
この構図を把握していれば、ギターを壊される、それと同様のことに置き換えて、外で歌えないよう幽閉する。って展開がすぐに出てくるのです。次に何をさせるべきかが明確になるのです。あまり良い例ではないですよ。本当は幽閉じゃなくって口を縫うって書こうとしたのですが、ドギツイのでやめました。
もう1つ重要なことがあって、いろんなジャンルがありますが、必ず現実世界の構図を反映させたものでなければ物語は面白くなりません。これは絶対です。これがない場合は共感を得ることができませんし、へーそうなの、で終わってしまいます。
なので、この構図を見つけてください。そこらじゅうに落ちてます。それが我々が生きているこの世界だからです。そしてこの叫びが人を感動させます。人には物語が必要な理由です。
で、話を戻して、王様の理解を得られなかった息子は本当の自分(吟遊詩人)に戻るための旅にでます。モンスターが出たり妖精がいたりあーだこーだ。
時代ものを書くときもそうです。いつの時代も人が考えることは変わりません。今考えていることを昔を舞台に反映させれば共感を生むのです。面白いと思ってもらえるのです。これは未来を舞台にしても変わりません。
良い例ではないですが、今この話を考えたのは2分です。無限に書けると思いませんか?1つの構図だけでも他のジャンルに変えたらまた1つ物語ができます。
何か物語を書く際の参考になればと思います。
次回も物語を書くためのあれこれを書いていきたいと思います。
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