物語は天・地・人
物語は天地人で書く。
天は時間
地は環境や状況
人は単純に人
天と人は普通に書けば普通に生まれるものなので誰でも書けるのですが、重要なのは地(環境や状況)です。書いた物語が面白くならないのはこの地の描きかたが足りないからなのです。
私がそうだったのですが、初心者は地をほとんど書いていません。主人公がいてその主人公が能動的に行動を起こしている。これでは読み手に感動を与えることはできません。
簡単に例をあげてみます。
主人公がいて転校生が入ってきます。主人公は転校生が好きになって告白しようとします。それで友人に相談したり失敗したりドタバタが始まります。
よくある本当に簡単な話です。
たいていは、こうなります。ドタバタ劇で終わってしまいます。ここには地の部分がありません。ただ主人公がああしたい、こうしたいで話がすすんでいきます。
ただ、これだけだともったいない。
物語を面白くするには地の部分が必要です。
告白する前に、なぜ告白する必要があるのか?です。これを地の部分を書いて説明します。地の部分、いわゆる主人公が置かれている環境、状況です。
たとえば、前段階で病院で余命告知をされるシーンを入れます。
それでストーリーの説明をするとこうなります。
余命告知をされた主人公がいて転校生が入ってきます。主人公は転校生が好きになって告白しようとします。それで友人に相談したり失敗したりドタバタが始まります。命がなくなる前に願いは叶うのか?
あまり良い例えではないですが、地がないものよりも少しグッときませんか?
私たちが生きている世界もそうです。行動を自分で決めて動いているように思いがちですが、じつは環境、状況によって行動を決めさせられているのです。
大学4年生の自分がいたとします。就職活動をしています。これは大学4年生という環境に置かれたからこそ生み出された行動です。
これがもし3年生だったら?おそらくはアソビかバイトとかの行動をとるでしょう。
物語の中でも同じようにこの環境(地)が必要なのです。
これと同じことを書く物語の上で展開させます。そうすることで、その状況ならそうなるわと読み手、観客に思わせることができます。これが感情移入です。
この地の部分がヒドければヒドいほど感情移入度は上がります。そして、ジャンルを問わず有効です。
この地の部分をどれだけヒドく描けるかが才能の違いだと僕は考えています。
たいていの人はヒドく描けません、怖いからです。自分のえげつない部分を見つけて引っ張りださないといけないからです。それに耐えられる人はなかなかいません。でも、これを耐えてやらないと物語は面白くならないのです。
嫌な自分を大切にしていきましょう!
何か物語を書く際の参考になればと思います。
次回も物語を書くためのあれこれを書いていきたいと思います。
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