名匠狂言会に行って来ました。
2021年11月4日(木)、名古屋能楽堂で行われた名匠狂言会 二十周年記念に行ってきました。
生で狂言を観るのは初めて。名古屋能楽堂に入るのも初めてでした。
冒頭でそれぞれの演目の解説をしてくださったのが、初心者にはありがたかったです。
京都 大蔵流 「鎧」
果報者 茂山七五三さん
太郎冠者 茂山千五郎さん
すっぱ 茂山 宗彦さん
抜けている人の話って面白いですよね。本人に自覚がないからこそなおさら。すっぱの言うことを信じ切ってやっている太郎冠者、果報者と太郎冠者のやりとりが本当におかしかったです。
名古屋 和泉流 「蝸牛」
山伏 佐藤 友彦さん
主人 井上松五郎さん
太郎冠者 野村又三郎さん
「にほんごであそぼ」で野村萬斎さんが一部演じていらっしゃったのが記憶に残っていて、こういう場面だったのか、と今回初めて知りました。今回は山伏が佐藤友彦さん、太郎冠者が野村又三郎さんでしたが、絶妙な間、ひょうきんな動作と舞が最高でした。
東京 和泉流 「武悪」
主 野村 万作さん
武悪 野村 萬斎さん
太郎冠者 深田 博治
怒りを噴出させているところからの恐怖におびえる主はさすがでした。同じ人とは思えない身のこなし。
ちょっとした首の傾げ方とか、もうさすがとしかいいようのない所作でした。人間国宝の技をこの目で観ることができて幸せでした。
悪ノリする武悪、挟まれて焦る太郎冠者も、それぞれの思いが伝わる動きでした。
ただ今回、万作さんがちょうど柱で隠れることが多い席だったので、それが少し残念でした。いまどのような演技をされているのだろう、と何度か思いました。とはいえ、声だけでも十分伝わってきました。
何年も前にTVで野村萬斎さんの特集を拝見して、そのときに万作さんの舞台も流れていたのです。それを見て衝撃を受けて、いつか生の舞台を拝見したいと思い続けていたのでした。今回、それが叶って、ほんとうに嬉しかったです。
主催が中日新聞でしたので、新聞記事になっていました。
詳しい方からしたら、いまさら、なのでしょうけれど、狂言のよさは、想像力が働くところだと思いました。衣装を身に着けて小道具こそ持っているけれど、大道具のない場所で、観客の脳内に広がっている景色の中を歩く狂言師たち。かつらを着けるわけでも、お面を着けるわけでもなく。役者の表情を楽しめるのは現代的なのかもしれません。現代にも通じる内容で、どの時代も同じなのだな、と思うと、さらに笑いが込み上げてきました。
想像力を刺激してくれる狂言師の技は素晴らしいと思いました。もっと狂言について知りたくなりました。
来年の1月には野村万作さんの卒寿記念公演があるそうです。
観たくなってしまいました。
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