やっぱり会えないんだ
順番が来た。
列の流れに乗って僕は店の中に入った。
焦らず目的の場所へ向かう。
そこへ行くと、中年の女性が棚の前で呆然としていた。
その棚には何もなかった。
一瞬で僕は全てを理解した。
そうなることは覚悟していた。
それでも本当にそうなると、心がざわついて思考が止まった。
正しい行動を取れ。
そう自分に命令して、足を動かした。
もう一度何も無い棚を見た。
そこにあるはずだったものを想像しながら棚の前を離れた。
レジの前にはそれを持っている人間が2人。
横目に一瞥して、僕は店を出た。
…
というわけで今回もHGUCジ・オを手に入れることはできなかった。
朝9時から並んで案内されたのは11時。
2時間並んで、なんの成果も得られませんでした!!
僕の順番は6番目だったから、買えるだろうと踏んでいたが甘かった。
まあ仕方ない。
というか、もう転売ヤーから買ったほうが絶対いい。
転売ヤーから買ったら負け、という人もいるだろう。
だがもうこれは勝ち負けの問題じゃない。
効率の問題なのだ。
ほんとに欲しくなったら、そうすることも考えよう。
ちなみに開店待ちのとき、僕の2つ後ろにはおばあちゃんが並んできた。
「孫に頼まれて…」と列整備をしていた店員に紙を見せる。
…ジ・オだな。
おばあになんちゅうことを頼んでんだ。
もちろんおばあちゃんも2時間並んで手に入らなかったわけで。
孫よ…この暑い日に、動いてないのに汗が出るような日に老人を並ばせるなよ。
あの後おばあちゃんはどうなっただろうか。
バンダイさん、あなた達の知らないところでこんな事が起こっているんだ。
おばあちゃんを熱中症にさせないためにも、ジ・オの生産数を今の20倍ぐらいにしてください!