見出し画像

「ガードナーの多重知能」について

 今回は、「人間の知能は単一ではない」、という話を紹介したいと思います。アメリカの心理学者ガードナー (Gardner, H.) は、人間の知能は単一なものではなく、下記のような 6 つの知能に分類され、それぞれが独立して発達する、と唱えました。

 例えば、数学ができるから優れた人間であるとか、逆に、できないから人間として劣っているわけではない、という研究です。

 しかしながら日本の教育では、「言語的知能」と「論理・数学的知能」が重要視され、この 2 つの能力に優れていることが、人間として有能だとされる傾向があるようです。

 ところが、社会的にエリ ートと言わ れる人が、罪 を犯したというニュー スがありま す。この場合、容疑者は論理・数学的知能は優れているが、対人的知能として社会性に乏しい人なのかもしれません。

 どの知能がよく発達しているのか。また、どの知能が苦手なのか。これは自分に対しても、対人関係においても、人間の全てを決定するものではなく、あくまでも判断の1 つの目安にしたいものです。

 1 つの能力だけで慢心したり、反対に卑屈になったりしないで、自分の特徴をよく知った上で学習し、優れた点を伸ばし、自分に適した人生選択をしたいものです。

― ガードナーの多重知能の理論 ―

1.言語的知能
2.論理・数学的知能
3.空間的知能
4.音楽的知能
5.身体・運動的知能
6.個人的知能(個人内知能と対人的知能)

— 有斐閣「心理学辞典(MLP 版)」2006 年 —

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?