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「うつ」に気をつけて!

今回はメディアでよく取り上げられる「うつ」についてお話したいと思います。

 「抑うつ状態」になると、気が重く何もする気がしない状態になります。しかし、自分ひとりでがんばってしまおうとする傾向があります。そこで、周囲が気づいてあげて、適切な投薬とカウンセリングを受けることで、「うつ病」を予防したり、「抑うつ状態」から快復したりすることが可能です。

 「抑うつ状態」と言うと、悩んで落ちこんでいる様子のように思えますが、それだけではありません。悩みやストレスを感じなくても、何もする気になれなかったり、苛ついたり、怒りの感情が何日も続いたりすることでもあります。

 「抑うつ状態」でなによりも困るのは「突然大きな決断をする」場合が多いことです。例えば、学校をやめる。仕事をやめる。そして、最悪は自殺です。「抑うつ状態」になると、自分でも困った状態であることはわかるのですが、「ひとりで」考え込んでしまい、さらに混乱した状態になってしまう傾向があります。その結果「学校(会社・人生)をやめれば楽になるだろう」という結論を出す特徴があるのです。

 「抑うつ状態」がひどい場合、周囲が気づいて対応することと、クリニックで投薬やカウンセリングを受 けることが 必要です。そのままにしておくと「うつ病(気分症)」になってしまい、快復には本格的な治療と、社会復帰のリハビリが必要になります。

 「抗うつ薬」には化学式の形から「三環系」「四環系」と呼ばれるものや、新薬の「SSRI」や「SNRI」があります。「SSRI」は脳内物質「セロトニン」の量を十分確保して、不安を解消するもので ( Selective Serotonin Reuptake Inhibitor の略)、「選択的セロトニン再取り込み阻害剤」と呼ばれます。

 「SNRI」はセロトニンに加えて、気持ちを活動的にする「ノルアドレナリン」の量も十分にするもので(Serotonin Noradrenalin Reuptake Inhibitor の略)、「選択的セロトニン、ノルアドレナリン再取り込み阻害剤」と言います。

 この 4 種の抗うつ薬は登場の時期から「第 1世代~第 4 世代」の薬とも言いますが、人によって効果が違いますので、現在でも三環系の抗うつ薬も使用されます。理論的には最適と思われる「SNRI」にしても効果には個人差があります。要は「自分に合った種類と量の投薬」をすることですが、効果がわかるには通常2週間前後かかります。そして、自分の判断で中断しないことが重要です。投薬が効果的に行われると、不安などの解消が期待されます。軽い不安には「マイナートランキライザー」と呼ばれる安定剤が処方されることもあります。

 なお、投薬を忌避する人もいるようですが、投薬が効果的な場合、気持ちが楽になり、前進する力も期待できますので、医師とよく相談するとよいでしょう。ただし、抗うつ剤は肝臓で作用しますので、お酒は禁物ですが。

 「抑うつ状態」は大変つらいものですが、自分では「まだ大丈夫」と思っているうちに、症状が深刻になる ことが多い ようです。 そして「重大な決断」をすることが特徴です。まず「周囲が気づいて、家族、仲間で援助をする」ことと、「カウンセリング」と「投薬」を「合わせて」適切に行うことが肝心です。そうすれば、深刻な状態を回避し、不安を解消し、将来に向かって元気に前進できるチャンスを手に入れることでしょう。

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