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【クリエイターエコノミー】今後の展望はいかに...!

初めに

お初にお目にかかります!インターン生の大村です!
今回noteの題材は、Web3ブームに付随する形で大きな注目を集めていた“クリエイターエコノミー”です。Web3領域の異様な加熱が一旦落ち着いた今、このnoteでは“クリエイターエコノミー”の今後の展望について各種レポートを元に考えていきたいと思います。
この記事が、クリエイターエコノミー領域で起業をされている、もしくは起業を考えている方の思案材料の1つになれば幸いです。

それでは参ります!
まずはクリエイターエコノミーとは何なのかという定義から整理をしてきます。



1.クリエイターエコノミーとは?

クリエイターエコノミー協会によれば「クリエイターエコノミーとは個人の情報発信やアクションによって形成される経済圏」のことを意味します。

https://creator-economy.jp/n/n09c95569e24a

とはいえ、パッとしたイメージが浮かばないと思うので、YouTuberを想像していただけると理解がしやすいと思います。個人が動画を発信し、視聴時に表示された広告の歩合に応じて広告収入が配信者に入る仕組みです。この場合、広告を出す企業がプラットフォーマー(この事例でいうYouTube)に対して広告宣伝費を支払っており、この一部が配信者に還元されているイメージです。あるいは、動画で企業の商品を紹介することで、その対価を得ます。この場合には、企業が配信者に直接広告宣伝費を支払います。
(事務所に所属をしていれば、事務所がその仲介を担う場合もあります)

今でこそ“YouTuber”と聞けば、誰もが分かる言葉になりつつありますが、10数年前には存在のしていない言葉でした。さらに、言えば20年も前にはYouTube自体がまだこの世にありませんでした。
みなさまお気づきかもしれませんが、「クリエイターエコノミーはとりわけインターネットとの相性が抜群」なのです。クリエイターエコノミーはまさに、インターネットの発展、スマートフォンの普及、インターネットメディアやプラットフォームの相次ぐ誕生、これらの波に乗り勃興した概念なのです。
言い換えれば、個人がインターネットという拡声器を手にし、影響力を持つようになったとも言えるでしょう。そして、その影響力で活動資金を集めたり、人によっては巨額の収益を稼げたりするようになったのです。

つまり、クリエイターエコノミーは大きな流れとして「従来の会社組織に依存した経済活動から、一般の人々も組織に頼らず個人としての経済活動が可能に、より容易に」パラダイムシフトを起こしました。


2.クリエイターエコノミーの市場について

ここからは、クリエイターエコノミー市場について見てくことにしましょう。
まず、ベンチャーキャピタルからクリエイターエコノミーへの投資は2021年の4月だけで、総額 3 億 3,880 万ドルを超えていました。
そして、その推定市場規模は1,042 億ドルにまでのぼります。また、クリエイターの数は5000万人を超えているとされています。
市場規模を日本に限定してみても、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの推計によれば、国内クリエイターエコノミーの市場規模は 1 兆 3,574 億円もあるようです。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング「国内クリエイターエコノミーに関する調査結果」2022/10/17

さらに、クリエイターエコノミー市場は、今後も拡大が予想されています。

公開情報を元に筆者が作成

年18%のペースで成長した場合、2034年に10兆円を突破!
この章では、クリエイターエコノミーの市場にフォーカスして概観してきました。
より深い理解をするためには、木も森も両方を見る必要がありますよね。
そこで、ここからは、クリエイターエコノミーを加速させたWeb3についてみていきます。


3.Web3におけるクリエイターエコノミー

先に述べたように、クリエイターエコノミーはインターネットとの相性が抜群に良いです。したがって、次世代型インターネットと冠されるWeb3も親和性が高く、Web3がクリエイターエコノミーにより一層の拍車をかけているというわけです。

Web3におけるクリエイターエコノミーの特徴は、今までは個々人のやり取りをYouTubeなどのプラットフォームがある種仲介をしていたのに対し、自律分散がなされ個々人間のダイレクトなやり取りが行われるという点です。例えば、NFTアートなどがWeb3におけるクリエイターエコノミーの1つです。

その中でも、小学生の自由研究で制作されたNFTアートに約80万円という高値が付けられたというニュースは、まだ覚えている方も多いのではないでしょうか。

つまり、NFTは非代替性という特性を用いて二次流通を可能にし、クリエイターコンテンツの価値の流通を加速させたのです。したがって、Web3ブームとともに、コンテンツの価値がインフレを起こしていました。
一方、従来のインターネットでもクリエイターへの投げ銭など一見ダイレクトなやり取りがなされているように思われますが、実際のところ、プラットフォームを通じてコンテンツの拡散が行われているので、プラットフォームの存在に依存しています。

したがって、段階的に理解を深めてみると、従来のインターネットがクリエイターコンテンツの拡散力を超強化・流通を加速させ、Web3がそのコンテンツの価値自体の流通を加速させているのです。


4.Web3の市場について


https://news.crunchbase.com/web3/crypto-blockchain-startup-vc-funding-falling-data/
の情報を元に筆者作成

2022年の上半期で見れば、Web3領域のスタートアップ企業は約 160 億ドルを調達していましたが、今年の上半期ではわずか 36 億ドルで、78% もの大幅な減少となっています。
一方で、既に投下された資本が回収されたわけではないので、結果が出てくれば潮目が変わることもあると思います。さらに、この投資額減少には、米国の利上げによる上場株・非上場株のバリュエーション低下やGenerative AIへのトレンドの移行など、様々複合的な要因が絡み合っているのです。

したがって、「むしろこの短期間に全く新しい市場が立ち上がったこと自体に大きな価値がある」と言えるのではないでしょうか。

整理すると、クリエイターエコノミーの従来の型はYoutubeのようなプラットフォーム型のビジネスモデルでした。一方、Web3よってその特性を生かしたより個人にフォーカスしたビジネスの流れが生まれ、この流れは今後も加速していきそうです。


5.これからのクリエイターエコノミーの発展のために

では、クリエイターエコノミーが今後さらに発展していくために必要なことや、既存の課題点などはあるのでしょうか。

1つは、トップ層のクリエイターへ富が集中してしまうことです。ほとんどのクリエイターは、稼げたとしても月10万以下程です。一方で、ごく一部のトップクリエイターは巨万の富を手にしていることも確かです。
この事実は、クリエイター間の競争がシビアであることと同時に、プラットフォーム間でもトップクリエイターの取り合いが生命線であることを意味しています。
今までは、クリエイターがプラットフォームに依存をしていましたが、Web3によって、そうではなくなりつつある今、プラットフォーム側がトップクリエイターに依存しているという構造になっているのです。

https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2022/11/cr_221017-02_01.pdf
の情報を元に筆者作成

課題の2つ目は、注目されている分野故に増えすぎた競合企業の存在があります。先ほども述べたように、収益のほとんどはトップクリエイターが独占しており、そのわずか数%のクリエイターに企業側が依存してしまっています。そこに、大量の競合が現れたことで、競争は激化しています。

そして、三つ目の課題は、世の中に溢れてしまった高クオリティのプロダクトが既に“無料”で公開・提供されている場合も多くあるということです。
無料なので、課金制のサービスを提供するクリエイターやプラットフォームどちらからしても、コストリーダーシップどころの話ではないですよね。


6.おわりに

現状、「クリエイターエコノミー」をはじめ、Web3の異様な熱気は一旦落ち着いています。しかし一方で、クリエイターエコノミーは未だ序章です。その全ての可能性が開拓されつくしたわけではありません。今後の発展にも期待が持てます。

そして、個人的にはクリエイターエコノミーの本質である、経済活動の会社組織から個人への移行、この波は変わらず加速し続けると思っています。理由としては、起業や独立の一般化とバックオフィスのサービスなどによる煩雑な事務処理の容易化、稼ぎ方の多様化などです。
新しい時代の新しい生き方の1つとも言えるかもしれない「クリエイターエコノミー」は今後も要チェックです!

というのも、GAFAMが生まれたのは、実は多くがインターネットの黎明期でした。(ドットコムバブル後)
現状、クリエイターエコノミーやWeb3の熱が一旦落ち着いている今だからこそ、その課題点を打破する全く新しいクリエイターコンテンツやサービスが生まれることに、期待とワクワクが止まりません!

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。


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