ビジネスチャンスかもしれない規制改革の動向#2
本記事は、特に新規事業案を模索・検討されている方に向けてビジネスチャンスに繋がりうる2つの法改正/規制改革の情報をお届けします✨
今回は、海外からの人材誘致や地域振興に関わる内容を中心に、選定したためインバウンドや町おこしの動向を掴みたい方は、ぜひチェックしてください!
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目次
はじめに
具体に入る前に、そもそもなぜ法規制の改革がビジネスチャンスに繋がるのかという点から始めたいと思います。
一般的に、スタートアップの成長に重要な要素は市場、事業、経営陣の3つに大別されます。中でも、市場という観点にはその企業がどの市場を対象とするのか、そしてなぜその市場に今参入するのかという論点が存在します。
スタートアップが市場に新たに参入して成功をおさめるには、そのタイミングが適切であるといえる何らかの好条件が必要となります。その好条件は以下の4つ、政治/法、経済、社会/文化、技術のうちいずれかまたは複数によって生じます。
今回の記事では、中でも法的な要因に注目し、今後どのような法や規制の変化が起こるのか、内閣府および各省庁にて検討されている2つの規制改革の論点を紹介します。新規事業案の一助になることを目指して、あわせてどういったビジネスが誕生しうるのかを考察してまいります。
デジタルノマドビザの新設
出入国管理及び難民認定法が改定され、2024年4月1日から「デジタルノマド」ビザ制度をが開始されました。海外の企業に勤めるIT人材が一定の条件を設けたうえで日本に最長6ヶ月間滞在できるという在留資格です。国内を観光しつつ、リモートワークで海外と働く外国人の需要を取り込むことを目的としています。
対象者
想定されているターゲット層
背景
観光業の復興としてインバウンドが加熱する中、デジタルノマドがそのターゲットとして魅力的であるとして注目を集めています。高度なスキルを持ち、地域を観光しつつ移り住むデジタルノマドは、長期滞在する上に所得も高いため、消費による地域経済への貢献が特に大きく期待され、政府は積極的に促進するべく、ビザの設立に至りました。
このようなデジタルノマドを対象としたビザの制度の新設は、日本の他にもドバイ、マルタやクロアチアをはじめ多くの国、地域が取り組んでいます。
経済規模
日本の予測は見つけることができませんでしたが、先行する国のデータからデジタルノマドビザによるどれぐらいの経済効果があるのか推測してみます。
一人当たりの消費は日本においても大きいと期待され、デジタルノマドビザの発行数がどの程度になるのかという点が経済効果を左右しそうです。
ビジネスチャンスの可能性
・デジタルノマドをターゲットとする新規事業としては、専門の滞在先の仲介サービスが考えられます。デジタルノマドは、一般的な観光客よりも宿泊日数が長く、通信などリモートワーク環境も滞在先の選択で重要になります。これらの特徴から、Expediaや楽天トラベルの様な大手旅行サイトに対して、長期宿泊による割引や働く環境の情報の充実度で差別化することができるかもしれません。
・また、海外の事例を参考にするとNomad Listといった、ノマドワーカー向けの情報サイトも考えられます。同サイトは、ノマドワーカーのレビューを集約し、コストやインフラなど世界の各都市がノマドワークにどれほど向いているかといった情報をまとめています。日本の都市に限定し、より精緻な情報を集めたサービスで差別化を図ることができるかもしれません。
アーティスト・イン・レジデンス事業における作品販売の実現
アーティスト・イン・レジデンス(Artist in Residence, 以下AiR)は、アーティストが一定期間特定の場所に滞在し、創作活動を行うプログラムです。このプログラムは、アーティストに新しい環境で集中して制作に取り組む機会を提供し、同時に地域社会や他のクリエイティブな個人との交流を促進します。
背景
地域活性化の施策の一つとして、海外から著名アーティストを呼び観光資源を開拓するという目的でAiRは注目を集めはじめました。これまで、福島県や岡山県、奈良県の市や町が取り組んでいます。
しかし、アーティストの就労条件や利用する施設の制約によって作品の販売が規制され課題として捉えられていました。政府では、どのようなスキームであれば販売まで実現することができるかという点を取りまとめています。
ビジネスチャンスの可能性
滞在中に作成した作品の販売による収益が可能になった場合、今後より多くの自治体が取り組み始める可能性があります。
主に自治体とアーティストを繋ぐこと、アーティストとそのファンを繋ぐ部分であらたな価値提供が考えられます。地域活性のためにアーティストを呼び込みたいと自治体が企画した際に、大きな壁となるのがそのアーティストの選定とコンタクトであると考えられます。そのプロセスを仲介し、自治体から収益を挙げるモデルでの事業が実現できるかもしれません。
また、アーティストを対象として創作活動を行うための機会を提示するプラットフォームも考えられます。海外のArtConnectというサービスはアーティストインレジデンスの募集やコンクールの情報などを集約しており、プロフィール編集や連絡機能を有料化し収益をあげています。
おわりに
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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◼️参考資料
デジタルノマドビザ
アーティスト・イン・レジデンス
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