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JAEAの先輩職員をご紹介!(技術職)
太田 祐貴
福島廃炉安全工学研究所 大熊分析・研究センター
分析課
2019年度入社。大熊分析・研究センターへ配属され、東京電力HD 福島第一原子力発電所(1F)から発生する放射性廃棄物の分析に係る技術開発業務に従事。
私がJAEAに就職した理由
私は学生時代に放射化学研究室に所属しており、研究テーマとして1F周辺地域で採取した土壌中の放射性核種の分析を行っていました。土壌のサンプリングで当時は通常立ち入れなかった帰還困難区域を訪れることがあり、1F事故の影響により震災当時を色濃く残している現地の状況を目の当たりにして、大学で学んだ知識を福島の復興に役立てたいと考えるようになりました。出身の研究室ではJAEAへ就職する先輩が多く、JAEAが福島県内に研究施設を構えて1F廃炉に係る技術開発を実施していることを教えてもらいました。実際に福島県で復興の状況を身近に感じながら、研究を通して社会に貢献できることに魅力を感じ、入社を志望しました。
大熊分析・研究センターでの1F固体廃棄物の分析手法の開発業務
大熊分析・研究センターは1F構内に放射性物質分析・研究施設第1棟を有し、1Fから様々な性状の固体廃棄物を受け入れて処理・処分に必要な放射性核種の組成等の情報を得るための分析を行っています。第1棟は令和4年6月に竣工した新しい施設で、運用に際しては多様な性状の試料に対して適用できる分析手法が定まっていない一部の放射性核種に対して、分析手法を新たに開発する必要がありました。私は所属する課でチームとして技術開発を担い、分析時間の短縮や使用する試薬による分析設備への負荷を考慮しながら、必要な分析手法を開発しました。分析手法の開発にあたっては、これまで自身で分析した経験のない放射性核種に対して、論文などで情報収集を行いながら先輩職員の力を借りて分析フローの検討を行いました。一から学ぶことも多く、困難も多いですが、学会や論文として成果を外部に発信できたときに大きな達成感が得られ、喜びを感じています。
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JAEAで働いてみて良かったこと
分析や研究をやりたいと思って入社し、実際に働いてみて想像した働き方や業務とのギャップが少なかったことが良かったです。その点については、ある程度業務に対する希望を聞いてもらえる、上下でコミュニケーションが活発な職場であるおかげだと思います。
ワークライフバランスを推進している職場なので、有給休暇の取得もしやすく、旅行に行くなどプライベートも非常に充実しています。
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学生時代に学んだことがどのように活きているか
学生時代は化学を専攻しており、所属した放射化学研究室で学んだ分析操作技術やデータ整理方法は現在の業務に直接的に活かされています。ただし、安全に分析作業を実施するための手順書作成等の業務や関係法令の遵守、使用経験のない分析装置の取扱いなど、学生時代に学んだことよりも就職後に新たに経験したことは圧倒的に多く、そういった際には課題解決能力など、学生時代に授業や研究を通じて培った非認知能力が役に立ちました。知識や技術として学生時代に学んだことはもちろん大切ですが、それ以上に在学中の経験から得られた能力をどのように業務へ活かすのかが重要だと思います。JAEAでは内部講座や資格取得支援など、業務に必要な知識を学ぶ機会も充実しています。
就職活動を振り返って
研究室の先輩からJAEAの情報をたくさん聞いて興味を持っていたこともあり、初めからJAEAにある程度の的を絞って就職活動を行いました。ただし、JAEAの情報だけを見てしまうと、業務内容や福利厚生などを客観的に評価できないと思い、原子力や分析関係の企業を中心に合同説明会や個別の企業説明会に参加し、比較しながら吟味しました。最終的には福利厚生の良さに加えて、福島の復興に研究で貢献できるという国内唯一の原子力の総合的研究機関であるJAEAを選択しました。
私と同じように1つの企業を強く志望している方も、ぜひ多くの企業の情報を集めて吟味してください。元々志望していた企業の魅力の再発見にもなりますし、見聞きしたことのなかった企業の中からさらに良い企業が見つかることもあると思います。その中でJAEAに興味を持って頂けた方は、1 day実習からインターンが受けられますので、ぜひ活用してください。