子どもの才能を伸ばすためにコーチングの力が生きてくる|トンボのつぶやき 51
最近の教師に求められる力のひとつにコーチングがあります。
もちろん、以前からも大切にされ、実践してきた先生方も多いことでしょう。
以前は、「教える」ということに力点がおかれていたのですが、それはそれで大切にしつつも、これからはコーチング的な力も必要不可欠なのだと感じています。
私自身、以前勤務していた小学校の校長先生が「コーチング」の本を紹介してくれ、これからの教師には大切な力だから、と話してくれたことを思い出します。かれこれ10年以上前の話です。
今では、企業の研修でも用いられているのですが、学校での教育においては、コーチングのどんなところがいいのでしょうか?
そもそも、コーチングは自発的な行動を促すコミュニケーションと言われています。
そのコーチングの3原則は
1双方向性
2現在進行形
3個別対応
これを教育に当てはめていくと、双方向性については、部分的には双方向性は存在しているかと思います。ただ、従来の教えるという行為は、どちらかというと一方向に偏っていたのも事実です。
この双方向性をすべての子どもに実施できたとしたら、現在のいじめや不登校の問題も確実に減少していくことでしょうね。
ただ、40人の子どもを相手に、一人の教師がどこまで双方向のコミュニケーションを担保していけるのか、このあたりは一つの課題です。
また、現在進行形については、いかに継続していくのかということですが、学校教育ではそもそも担任は一年単位で子どもと関わっていくので、その中での継続は期待できます。あとは学年が変わるときの継続をどのように引き継いでいくのか、そのあたりをしっかりと押さえていきたいものです。
3つ目の個別対応については、基本的には40人は同じカリキュラムの中で教育を受けています。特別支援学級のように個別の指導計画を作成して個々に対応していくことは不可能に近いのが現状です。
このようにコーチングの3原則に則って、現在の教育現場を見たとき、その難しさは感じます。
しかし、こうした技術と意識を持ちながら、日々の教育に当たることは、子どもたちにとっても非常に大きなメリットがあることは確かです。
今後、AIドリルなどが発達し、個々の子どもたちに寄り添ったシステムの開発が進むことで、先生方の働き方も変化し、従来のティーチングからコーチングへとその比重がシフトしていくことは大切なのことなのかもしれませんね。
教師の存在は今まで以上に人間的なものになっていくような気がするのです。