自分のいいところって何だろう?|トンボのつぶやき 43
誰にだっていいところは必ずある。自分はそう思っているし、きっと本当のことだと思います。
私たち大人はそんな自分のいいところをある程度、自分で見つけることができますよね。成長にともなって自分を客観的にみることができるようになっているのですから。
でも、子どもたちはどうでしょう?
自分のいいところってどんなところ?と聞いても、なかなか出てこないものです。自分を客観的に見つめるような力はこれから育っていくのですから仕方のないこと。
だからこそ、まわりの大人がその子の良さをしっかり言葉にして伝えてあげる必要があるのだと思うのです。
6年生の担任をしているときに、こんな場面に出会いました。
掃除の時間だったのですが、机を運んでいるときに机の中身を床にこぼしてしまった女の子がいたのです。するとある男の子が、走り寄って何気なく散らばった机の中身を集めて元に戻してくれたのです。
ここまではよくある光景なのですが、それを見ていた別の男の子がその男の子に向かって、「おまえって本当に優しいやつだよな」と何気なく呟いたのです。もちろん冷やかすわけでもなく。
助けてもらった女の子も「本当、やさしくてすごい!」とお礼の言葉に添えて言いました。
そう言われた男の子はまんざらでもなさそうな顔でニコッと笑ったのです。
なんとも微笑ましい光景だったのですが、こんな瞬間にきっと子どもたちも自分の良さとか自分の性格というものを客観的に感じ取っているのでしょうね。
何気ない自分の行動が、その相手をとおして自分に返ってきたとき、そのリアクションから自分を知る。
あたかも、それは鏡のような存在なのだなと感じます。