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個人的に『ワイヤレス充電』を利用しない理由

タイトルにある通り、僕は個人的に現状のワイヤレス充電には否定的です。

要するにほとんど使っていません。

以前に上のような記事を書いておいて、ですが、
家庭内での充電では、極力ワイヤレス充電は使っていません。
今回はその理由を記事にしました。

この記事は以前、Quoraに書いた記事を基にしています。
以下、Quoraで寄せられた質問。

1.質問「ワイヤレス充電」があまり普及していない理由は何ですか?

『質問ありがとうございます。
ワイヤレス充電の最大の強みって、その名の通り『ワイヤーがない』ことだったはずなのに、

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結局ワイヤーから完全に解放されたわけではなく、

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導入しても大して変わらないことに気づいたこと。

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これだったら直接挿す充電の方が、まだまだ早いし、

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位置がズレていて充電されてないなんてのもないし、

何より費用が安いし。

という理由で、ワイヤレス充電には特にこだわらなくなりました。

2.なぜMagsafe Battery Packを使うのか?

上の『Magsafe Battery Packレビュー』記事を読んだ人なら、
この理由はあえて書く必要もなく、理解していただいていると思います。

ただこの記事を最初に読む人もいると思うので、簡単に書きます。

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僕の使用しているiPhone 12miniは、
・片手で持ちやすい
・片手で操作しやすい

『サイズ感』『軽さ』を実現するために、

内蔵バッテリーの容量、つまりバッテリー持続時間を犠牲にしている側面があります。

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Magsafe Battery Packは、そのバッテリー持続時間を延命させるために、
外出時にくっつけて使用しています。

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何しろMagsafe Battery Pack自体も充電が必要なので、
家庭内で充電する場合は、
LightningをMagsafe Battery Packに刺す

Magsafe機能を通してiPhoneも充電
という状態で使用しています。

3.『充電用のワイヤーが煩わしい問題』は解決されていない

Apple製品に限らず、最近はワイヤレス充電(主にQi規格)対応のガジェットが増えてきましたが、

それに合わせてワイヤレス充電器を増やしても、
結局は『充電用のワイヤーが煩わしい問題』はそんなに、解決されていないということに気づきました。

4.2019年 AppleがAirPower開発中止

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2017年9月12日 Appleによる『AirPower』は、クパティーノの『スティーブ・ジョブズ・シアター』で開催された、Apple Special Eventで披露された。

・AirPowerとは?

Apple純正となる、複数のデバイスをワイヤレスで充電できる、マット式ワイヤレス充電器。

・iPhone
・Apple Watch
・AirPods

などのワイヤレス充電に対応したデバイスを『3つまで』、AirPowerのマットの表面上のどこにでも、置くだけで同時に充電できる、
とされていた。 

AirPowerは、ワイヤレス給電の標準規格であるQi(チー)に準拠させる予定であった。

ところが、

2019年3月29日 Appleは、AirPowerの開発中止を発表した。
公式発表による開発中止の理由 ー
『高い品質水準に達することができないと判断したため』

Appleのハードウェア・エンジニアリング部門『Dan Riccio』は、テッククランチに対して次のように述べた。

「努力を尽くした結果、AirPowerが当社の高い品質水準を満たさないと結論づけ、プロジェクトの中止を決断した。製品のリリースを楽しみにしていた顧客にはお詫びしたい。我々は、ワイヤレスこそが未来だと考えており、今後もワイヤレス体験の向上に努めていきたい」

Appleが一度アナウンスした製品の開発を中止するのは極めて珍しい。

しかし、Appleはワイヤレス充電という規格そのものを手放して、後戻りすることはしなかった。

5.Appleが断念した、AirPower開発中止の理由(と思われるもの)

1.QiとApple 独自のワイヤレス充電規格の混在

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まず、iPhoneやAirPodsの充電がQi(チー)規格対応であること。

Qiのメリット

・ケーブルがなくても置くだけで充電できる
・ケーブルがないので異なる機種にも充電できる
・複数台を充電できる充電器もある

Qiのデメリット

・充電が遅い
・ワイヤレス充電器のタイプによっては、スマートフォンのサイズが影響する
・ケースやアクセサリーが充電の邪魔になる

そして、

・充電する位置がシビア
Qiは、電磁誘導方式を利用しているために、送電する側と受電する側とのあいだにズレがあると、きちんと充電できない。
そのために、
「充電器の上にスマホなどを置いて安心していたら、位置がズレていてまったく充電されていない」
といったトラブルも起こる。
特に、パッドタイプのワイヤレス充電器は、スマートフォンのサイズに制約がない反面、位置のずれが起こりやすいので注意が必要です。

Appleのエンジニアたちは、こうしたワイヤレス充電マットが抱える複数のデメリットを解決しようとしていた。

その課題の一つが、
『端末側のコイルと、マット側のコイルがズレていると充電ができない』
という問題。
エンジニアたちは、Apple製品をAirPowerの上の、どこに置いてもワイヤレス充電ができるようにすることを目指していた。

そこで起きた新たな問題
『iPhone』や『AirPods』のワイヤレス充電=Qi規格対応
『Apple Watch』=Qi規格ではない、異なるApple独自の規格を採用している。
2つの規格に対応させるためには、AirPowerの処理パワーやセンサーを強化する必要があった。
このため開発の難易度とコストが大幅に増大した。
このことが、AppleがAirPowerの開発を断念した最初の理由。

2.Qi規格のウィークポイント克服の難易度

もう一つの問題

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NOMAD Base Station Pro

Apple側、およびエンジニアたちは、Apple製品をAirPowerの上のどこに置いても、ワイヤレス充電ができるようにしたかった。(充電する位置がシビアと言う問題)

そのため、Appleのエンジニアたちは、電磁誘導を起こすための、小さなコイルを大量に使おうとした。

しかしコイルの大量使用のため、
iPhoneとApple Watch、AirPodsを同時に充電しようとすると、
AirPowerが過熱してしまうと言う問題が生じた。

2016年8月〜 日本未発売のSamsung Galaxy Note 7発火リコール問題

Appleは、サムスンの『Galaxy Note7』の発火問題と同じトラブルを起こさないために、
AirPowerの開発に2年も費やしながら、最終段階でプロジェクトの中止を決断したと思われる。

6.MagsafeはAirPowerの代替規格?

2019年3月29日 AirPower開発中止発表
2020年10月13日 iPhone 12、iPhone 12Proシリーズ発表。

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同時にiPhone 12、iPhone 12 ProシリーズにMagSafe規格が搭載されることが発表された。
突然のMagsafeと言う規格が付加された新作iPhone発表。

しかし、MagsafeはQi充電の弱点である、

・充電する位置がシビア
・Qi充電したままiPhoneを使えない

といったウィークポイントを、逆転の発想で克服していた。

しかし根本的な『ワイヤーが煩わしい問題』が解決されたわけではなかった。

とにかくワイヤレス充電に関しては、まだまだ開発途上の機能といった印象です。最近のワイヤレス充電推奨の動きには、まだまだ疑問が残ります。

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