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チャネリング情報には歪み(解釈)がつきもの

『ラー文書』に抱いていた疑問

 チャネリング本で『ラー文書 一なる法則』というのがあります。

 原書は4巻本で、邦訳はナチュラルスピリットより2巻まで出ています。

 高次元のラーという存在から伝えられた情報を載せています。

 キリスト教用語が多いことに疑問を抱いていましたが、コーリー・グッドの「ソーラーフラッシュとアセンション」の動画を見て、氷解しました。

 それは、チャネラーの持つ視点に由来する解釈で起きた歪みです。

我々はフィルターやレンズを通して物事を見ている

 コーリーは、我々の視点をレンズやフィルターにたとえて、こういう説明をしていました。

    私たちは誰もがレンズを通して見ています。
    私たちそれぞれの経験、視点で見ています。
    私たちのように、実際に自分のトラウマと向き合って、解決してきた人たちは、自分の中に在った信念で、既に役に立たないものは、手放しています。
    私たちのような存在は、常に足したり、磨いたり、出来るだけクリアなレンズで見るように努力している者です。
    ただ、本当にピュアな光のままで見られる環境ではもはやないので、ほぼ不可能と思います。
    全ては、自分のフィルターを通して入ってきます。

 そして、『ラー文書』のチャネラーである、カーラ・L・ルカートにアプローチした話を、彼はしました。

    入ってきた情報は、例えば、収穫とかキリスト教用語をたくさん使っていました(それは、カーラがクリスチャンで、キリスト教になじみにある言葉に親しんでいたから)。
    これ一つとってもわかるように、彼らは私たちの理解できる語彙を使わないといけないのです。
    そして、私たちの経験から私たちとコミュニケーションを取るための言語を選んでいます。
    そうやって、私たちとコミュニケーションを図ります。
    そのため、レンズができてしまうのです。

高次元存在と低次元存在との情報伝達で生じる「ゆがみ」

 高次元存在は、情報伝達の際、自分より低い存在の持っている語彙を使わざるを得ません。

 ラーは6次元の存在ですが、6次元と3次元では共通項がないので、敢えて、情報を伝えようとすると、チャネラーやその周りの人が持つ言語を使わざるを得ないのです。

 ラーの情報を、3次元の言語を使って伝えようとすると、チャネラーがキリスト教になじみのある言語を持っていたので、ラーはそういう表現を使いました。

 だから、あの文書には、キリスト教用語が多いのです。

 しかし、ラーはキリスト教の教えを伝えたかったわけではないし、情報を宗教にしたかったわけでもありません。

 3次元の私たちが理解できる語彙が、この時は、たまたまキリスト教的なものだったというだけです。

 しかし、同時にそれが、情報を歪ませてもしまう。
    
 さらに、その情報を本で読んだり、翻訳で読んだりする時にも、翻訳者や読者のフィルターやレンズを通過するので、歪みは増してしまう。

 だから、歪みがあるとわかった上で、出来る限り、クリアなレンズになるように努力することが欠かせないと、コーリーは言うのです。

 これは、ラー文書に限らず、チャネリング全般に言えることです。

 情報を伝えてくるのが、宇宙人や意識体であれ、神様であれ、龍神であれ、死者であれ、同様です。

高次元⇒低次元の情報伝達の単純化したモデル

 私は、ラー文書のチャネリングをした人々(全部で3人)は、入念な準備をしたと思います。

 それでも、6次元から3次元への「翻訳」で、情報はかなり歪んでいる、そう前提して、ラー文書を見ていく必要があると考えています。

 高次元から3次元への情報伝達がどんなものか、単純化して述べてみましょう。

 例えば、「海」を見聞きしたことがなく、概念としても知らない人がいたとしましょう。

 その人に、海がどういうものかをわかってもらうなら、その人の持っている語彙・概念を使うしかありません。

 最も「海」に近い概念が、コップに入った水だとします。

 情報発信をする側は、これを使って、「海」という情報・概念を伝える以外に方法がありません。

 「海から巡ってきた一滴が、巡り巡って、このコップの水になる」、そう説明したところで、実物を見ていなければ、「コップに入った水=海」という理解をしてしまうでしょう。

 そして、この説明をした時点で、既に、最初の情報は歪んでしまっています。

 事柄をとても単純化しましたが、歪みとは、こういうことです。

ゆがみがあることを前提して、チャネリング情報を見る

 ただ、歪みは嘘とは異なります。

 元の情報が持っている正確さ・本質を、かなりの程度、減らしてしまうことを言います。

 もっとも危険なのは、与えられた情報が、「真理」の全てと思ったり、「完全な形で与えられた真理」とみなしたりしてしまうことです。

 次元の隔たりがかなりある場合(ほとんどの場合においてそうですが)、高次元存在の情報が、完全な形で3次元に現われることは、まずないと思われます。

 よって、自分のレンズを磨くことはもちろん、与えられた情報を、他の情報源と突き合わせて、出来る限り、多角的かつ総合的に見ていく姿勢が欠かせません。

 例えば、この銀河全体がどんな歴史を辿り、今、何が起きているのかとか、宇宙人と地球との関わりなどは、単一の情報ソースを鵜呑みにするのではなく、同種のテーマの他のチャネリング情報、SSP(秘密宇宙計画)の内部情報提供者、宇宙やUFOの研究など、多様な情報に当たって、総合的に見ていくべきです。

 この点は、日々、世の中で起きていることを知っていく過程と全く同じです。

 当然、真偽を容易に決しかねないのであれば、その情報は保留し、さらに理解を深めてくれる情報が現われるまで、性急な判断を控えるのが賢明でしょう。

 ただ、宇宙や意識体、霊性という捉えどころがないものを対象とするので、3次元で起きていることよりも、解明することに、より慎重にならざるを得ないというだけに過ぎません。

 我々にできることは、日々、自分のトラウマ・葛藤・恐怖・不安を解放することを通して自分のレンズを磨くと共に、少しずつでも、意識を拡張し、物事の理解を広く深いものにしていくよう、たゆまぬ努力を続けることです。

 認知的不協和に屈せず、偏見や先入観や社会洗脳に気づいて手放して、自分の認識をどこまでも拡張していく姿勢が大事だと思われます。

私の読んできたチャネリング本

 私自身は、チャネリング本としては、以下を読んできました。

 『ラー文書』の他に、トム・ケニオン(ハトホル、マグダラのマリア、アルクトゥルス人)、リサ・ロイヤル(プレアデス人サーシャ、セント・ジャーメイン)、ダリル・アンカ(バシャール)、ヘレン・シュックマン『奇跡のコース』、ジェーン・ロバーツ(セス)、ロナ・ハーマン(アーキエンジェル・マイケル)、『ラムサ』。

 私見では、これらの書籍で述べられていることは、概ね的確な情報だと見ています(ダリル・アンカとバシャールはあることがきっかけで、今は興味を抱いていません)。

 また、いずれの情報発信存在も「これが真理だから受け入れろ」という態度ではありませんでした。

 トム・ケニオンのチャネルする「ハトホル」は、特にこの点を強調するのを忘れません。

 「自分の横に架空の箱を置き、もしすぐに受け入れるのがむずかしい情報があれば、そこに入れてください」と、勧めていました。

 「架空の箱」の話は、以前、こちらで触れました。

  自分自身のチャネリング本の読書体験を振り返ると、神様関連と霊媒を、そんなに読んでこなかったことに気づかされます。

  単純に興味がなかったからです。

神様、死者、霊的存在の情報にも、ゆがみは起こり得る

 ただ、相手が神様であろうが、死者だろうが、霊的存在だろうが、その情報を受け取る媒体には、今まで述べてきた「ゆがみ」の話が必ずついてまわります。

 その人が、チャネラーや霊媒師として、また人間として、どれほど優れていても、ゆがみがゼロということはあり得ません。

 だから、例えば、どこそこ神社のナントカ龍神様が「こう言ってました」と言われたとしましょう。

 ここで起きていることを正確に表現すれば、「ナントカ龍神の情報を、チャネラーのフィルターという解釈を通じて表現すると、こういうことです」という意味です。

 比率は全くわかりませんが、いくらかは、チャネラーの解釈(無意識的な解釈)が入ってしまっていますし、その分、元の情報は歪んでいます。

 そして、チャネラーからメッセージを受け取った人のレンズを通るので、もう一段、ゆがみます。

 だから、「チャネリング情報は信用ならん」と言いたくなる人がいるのも、無理のないことです。

 この点は、先に述べたことと同じで、多様な情報と突き合わせて、自分の論理と直感で、真偽を判断していく必要があります。

 その時に、自分の人生に起きていることや身の回りのこと、そのメッセージを受け取るまでの経験と合わせて、総合的に判断すべきことです。

 それを、「あの龍神様が言っていたから、こうすることにしました」とするのは、自主性と判断の放棄以外の何ものでもありません。

 元々、何かをしようと決めていて、しかし、迷っていて、メッセージを受けて、「迷いが晴れて、やってみることにしました」となるならよい。

 あくまでも、何かをするのは自分の意志であり、神様や龍神や霊的存在のメッセージは、自分の見えていなかったことを知る一情報に過ぎないのです。

 しかし、自分の思考と判断をかなぐり捨てて、龍神や神様のメッセージを鵜呑みにする人が少なくないと見受けられます。

 チャネリングのゆがみのことを知っていれば、そこまで丸投げするのは、とても危険なことだと、私は感じますが、それも、その人にとっての学びなのかもしれません。

情報を受け取った時点で、ゆがみ(解釈)が入っている前提でいる

 本当に真面目で良心的なチャネラーなら、自分のレンズが、完全にクリアでないことを自覚しているはずです。

 逆に、「私というフィルターは、完全にクリアでピュアです」と大真面目に言うチャネラーの情報は、真に受けない方がいいと思います。

 私が読んできたチャネラーは、チャネリングに潜むゆがみのことをよく自覚している人たちだと感じます。

 トム・ケニオンは、脳と心理学の関係を研究したり、4オクターブある自分の声を使った楽曲を作ったりしている人で、どちらかと言えば、科学畑の人です。

 チャネリング本を出版している割には、チャネリングに疑問を抱いているのが面白い。

 『奇跡のコース』のヘレン・シュックマンも、この点は似ていて、本人は、スピリチュアルとか高次元とは無縁のところで生きてきた人です。

 Twitterの智子@第444代目さんが、時々、高次存在の発言をtweetされます。

 彼女はいつか述べていましたが、元々は、ぽつぽつと来る情報を、彼女が漢字・句読点をつけて、読みやすくしたものをtweetしています。

 私が見る限り、高次存在の発言は理にかなっており、間違いはないと考えています。

 それでも、高次存在がいる次元からすれば、その情報は、ゆがんでいます。

 彼女自身は、とても精度の高いフィルターだとは思いますが。

 だから、チャネリング情報を見ていく時は、それがどれほど正しく、理にかなっていたとしても、「ゆがみ」は避けられないものと前提して、見ていく必要があります。

 結局、自分のレンズを綺麗にし、自分で調べて、考えて、判断するという自立の発想が、求められるということです。

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jacob_truth369
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