見出し画像

頭脳と体の分離を促進する現代社会に覚える危惧

現代人は、頭と体が分離しがち

 現代人は、頭脳と体が分離しがちである。

 それを一致させようという試みの一つが瞑想だと思われる。

 瞑想をして、「今ここにいる」ようにする、そんなことは今では珍しくなくなった。

 だが、奇妙に感じることがある。

 オンラインかリアルかを問わず、個人か、集団かを問わず、瞑想をした後、その効果を台無しにするようなことをやっている人がいるように見受けられる。

 例えば、歩きスマホ、イヤホンをしながらの運動、ながら行動、BGMを聞く、テレビ・ラジオの視聴などである。

 これらは全て、脳と体を分離させてしまう。

 ながら行動の一例を出すと、食事をしながらスマホを見ている人がいる。

 食べることよりも、スマホの画面に意識が向いてしまっていて、ゆっくり味わっているのか、そもそも、味を感じているのか、疑わしい。

 交感神経(スマホ)と副交感神経(食事)が同時に働いて、体は却って、疲れてしまっているのかもしれない。

 しかし、スマホをいじることが常態化していると、そんな体のサインもわからなくなる。

 前頭葉が亢進し、脳と体が分離しているからだ。

今こことは、脳と体が一致した状態

 「今ここ」とは、別の言い方をすれば、「脳と体が一致した状態にある」ということだ。

 山田貢司さんのブログの、コメントへのリプライで、「誰でも覚醒できる時代になった」と言い、山田さんはこう書いていた。

“空海の時代のような苦行はいりません。
会社のこと、社会にまつわる家族のこと、お金にまつわる欲、全て外してください。
あと、テレビ、ラジオ、新聞、BGM禁止です。"
2011/09/04 た、た、玉蔵さまに面会してきますた

 本記事との関連で言えば、「テレビ、ラジオ、新聞、BGM禁止」に注目したい。

 なぜかと言えば、これらをしていると、前頭葉優位状態になり、頭と体が分離するからである。

 覚醒や、この世界の洗脳から自由になるには、脳と体は一致していなくてはならない。

 それを妨げるものは、極力、生活から排除し、あるいは影響を弱める必要がある。

脳と体の分離の末路=「千と千尋の神隠し」の両親

 「G# 下垂体、甲状腺、副腎皮質ホルモン連携正常化サウンド」のコメントで、「ヘッドホンで聞くのがいいのか?」という質問に、山田さんはこう答えていた。  

 さらに、「脳と体が離れていくと、結果どんな人間になるのでしょう?」という質問に、山田さんは、「人類のままさらに退化する」と、答えていた。

 「千と千尋の神隠し」で、主人公の両親が序盤、豚になるが、あれは、脳と体の分離した人間の末路を象徴的に描いていると言える。

buta千と千尋の神隠し都市伝説豚

現代社会は構造的に、脳と体の分離を促進させている

 現代社会は構造的に、人間を前頭葉優位状態にし、頭と体の分離を促進するものになっている。

 今はどこにでもTVがあり、絶えず映像と音が視覚と聴覚に入ってくる。

 街中にもあるし、電車のドアのところにもTV画面があって、CMを流している。

 また、BGMは、いたるところで流れている。

 四方八方から、脳と体の分離が推し進められ、多くの人は、自分が今、何を感じ、何を必要としているのか、わかっていないのかもしれない。

 脳と体の分離した人間を洗脳・操作するのは容易い。

 脳と体を分離させ、さらに、自分を左脳の牢獄に閉じ込め、「お前はちっぽけな存在だ」と思い込ませれば、自分軸のない、外側に軸や確かなものを求める依存心理の人間ができあがる。

前頭葉優位状態の個人生活になりがち

 社会的にだけでなく、個人の生活も、前頭葉優位状態に向わせるものになりがちだ。

 散歩をしていてよく見かけるのが、歩きスマホやイヤホンをしながら散歩・運動をしている人だ。

 歩きスマホは姿勢が歪むだけでなく、手元に意識を向けてしまうため、背中の意識が徐々に死んでいく。

 以前、両手に大きな荷物を抱え、右手でスマホを操作しながら、ゆっくり歩いている女性を見たことがある。

 もし悪意ある人間が彼女のどちらかのカバンをひったくったら、彼女は咄嗟に反応できず、受け身も取れず、怪我をしてしまうだろうと思った。

 なぜああも無防備になれるのか、不思議だ。

 また、歩きスマホをしていると、周りの状況における自分の最適位置という感覚もなくなっていくので、道の真ん中で急に立ち止まるという迷惑行為をしていながら、それに気づかなくなる。

 そういう人を、よく見かけるだろう。

 「他者から見て、自分の立ち居振る舞いは適切か」、そういう意識のない人間なのではないかと、不安に感じる人もいるだろう。

私が歩きスマホやイヤホン着用で外出しない理由

 私は、危険なので歩きスマホはしないし、イヤホンをしながら運動をすることもしない。

 歩きスマホは、先程も述べたように姿勢・体軸が歪む原因になるし、手元に意識が向きがちになって、周りの状況把握に遅れが出る。

 わずかの反応の遅れが、自分や周りにとっての大惨事になることもあり得る。

 大げさに感じる人がいるだろうが、私はそういう態度で、日々、街中を歩いている。

スマホは、爬虫類マインドのシステムに閉じ込めるツール

 また、歩きスマホは、視野を狭めるだけでなく、爬虫類マインドのコントロール下に自分を置くことになる。

 以前、JASON O'CONNOR(ジェイソン・オコーナー)の「The Solution to Breaking Free from the Reptilian Brain (爬虫類脳から脱却するための解決策)」という記事の、翻訳・紹介をした。

 そこで、オコーナーは、スマホが爬虫類マインドに閉じ込めるツールだと述べている。

“自分のライフスタイルに目を向けてみて下さい。あなたは、ネット上で「いいね!」されて気持ち良くなるのを待っているのか、それとも、何らかの肯定的なフィードバックを期待して、常に自分の写真を投稿する自撮りの世界に生きているのか。あるいは、ソーシャルメディアで常に満足を得る必要がなく、自然と一体となって生きるのか。爬虫類的なマインドの、持続的なコントロールから逃れるためには、どちらがより靈的な道だと、あなたのハートは感じますか?スマートフォンが、自分をシステムに閉じ込めるためのコントロールツールであることを知っていながら、あなたは、喜んでスマートフォンを捨てられるでしょうか?”

 理由は何であれ、常時スマホをいじることは、爬虫類マインドのシステムに自分を閉じ込める行為に他ならない。

 オコーナーは、爬虫類脳は、「私たちの神聖な存在としての自然な行動を、システムに対してより順応的で従順な奴隷に変えてしまう」と指摘する。

 前頭葉優位状態になり、恐怖や不安や性的快楽で爬虫類脳が亢進する状態になれば、システムの奴隷状態が強化されるだけである。

 街中には、そんな状態にする要素が満ち満ちている。

 爬虫類脳が活性化し、前頭葉優位状態が恒常化すると、多角的な視野は持てないし、非常に狭まった思考力になってしまう。

 当然、洗脳から自由になり、システムのコントロールから抜けるのも、非常にむずかしくなる。

耳にイヤホンをつける危険性

 私が耳にイヤホンをつけないのは、外の音が聞こえてきにくくなるからであり、また純粋に音楽を味わえないからだ。

 特に、イヤホン以外の音が聞こえてこないのは、危険の回避にとって致命的だ。

 耳にイヤホンをつける危うさを、研究者はこう述べている。

"「聴覚はもともと24時間、周囲360度を警戒するシステムとして働いてきた。目では捉えられない背後の出来事に気づき、危険を察知する。イヤホンでふさがれた状態が増えれば、音に反応して動く経験が減り、緊急時の対応もできない。個別化は、(耳をふさぐ状態と音楽の趣味を共有しにくい状態の両方の意味で)“外の世界を無視するモード”と言えるかもしれない」"
聴覚研究者が語る、音のパーソナライズ化で「脳」に起きる変化

 緊急時の対応ができなくなることで、自他の命を守れなくなるということも起こり得る。

 車道を走っていた車が、アクセルとブレーキの踏み間違えで、歩道に乗り上げ、歩行者を跳ね飛ばすという事態になった時、音が聞こえていれば、瞬時に回避行動を取ろうとするだろうが、音が聞こえないばかりに、かなり危険が迫らないと気付かないとなれば、非常に困った事態になるのは避けがたい。

 また、常時イヤホンをしているばかりに、至近距離から話しかけられても、聞こえないぐらい、聴力が落ちてしまうこともある。しかも、それを自覚していない。

 以前、電車で、高校の同級生を見かけた。

 彼は耳にイヤホンをしていて、至近距離にいる私の呼びかけ――二~三回やった――に全く気付かなかった。

 聴力が低下し、脳と体が分離していて、周囲の動きが意識に入っていなかったのだろう。

 好みのタイプの人が、突然、話しかけてきても、聴力が落ちていると、声が聞こえず、存在を認知することなく、相手との関係は終了してしまうのかもしれない。

 そういうことはそうそうないだろうが、絶対にないわけでもないので、そういうもったいないことは防いだ方がいいとは思う。

前頭葉優位状態にならない工夫

 さらに、私は、食事中、食事だけに集中し、スマホを見ることはしない。

 テレビもラジオも視聴しない。

 山田さんのtweetや記事で、BGMも、脳と体の分離を引き起こすと知ったので、これからは、自室にいる時はBGMはやめ、音楽を聞く時は音楽にのみ意識を向けるようにしようと思う。

 外出時に聞こえてくるものについては、音階脳トレなどで、前頭葉優位状態に陥らないような工夫をしている。

 音階脳トレについては、次の記事を御参照いただきたい。

階層構造2_脳トレ

瞑想の前後も大事にする

 瞑想をした後で、すぐに耳にイヤホンをつけたり、歩きスマホをしたりということをしているならば、おそらく指導者がその害を理解していないのだろう。

 瞑想においては、瞑想の時間だけでなく、その前後をどう過ごすかもとても大切だ。

 瞑想の効果を持続させたいなら、なるべく静かに過ごすことをお勧めする。

 体験を統合するための充分な時間を取ることだ。

ますます前頭葉優位を促進する状況になりつつある?

 567対策禍で、オンライン化が進んでいる。

 オンラインでの会議ツールを使ったり、VRやAR機器を使うことが増えたという人もいるかもしれない。

 これも、使い方を間違えると、前頭葉優位状態を促進するシステムになってしまうのではないかと、一抹の危惧を覚える。

"テレビは点けない。ラジオも聞かない。新聞も読まない。BGMは聴かない。
立体感のある音楽を聴く。心震えるる映画を観る。胸に突き刺さる本を読む。"
(「階層構造2_脳トレ」)

 私は、人間でありたく思う。

  あなたはいかがか?



( ´∀`)サポート本当にありがとうございます!!😭😭😭🥰🥰🥰 (  ・ ∀ ・)ご恩返しするためにも、今後も一生懸命頑張ります!!😊😊😊