一流の魔法使いは道具を使わない
この記事のアイデアは、Twitterで相互フォローしている、きなこもちさんとのやり取りから生まれました。
魔術文字も、呪文も、イメージも、魔法アイテムも不要だからこそ、高等魔術と教えられました。
ということで、まず、この人をどうぞ。
名乗りだけで、相手を威圧し、電話を壊し、雄弁に語る。
あるいは、この人はどうか。
こちらは、素手で、モビルファイターを倒すという無茶苦茶な御仁です。
両者を魔法使いと言っていいのか、議論の余地があるでしょうが、身一つで、超常的な現象を起こしているという意味では、両者が行っているのは「魔法」と言っても外れてはいないでしょう。
『スレイヤーズ』の主人公リナ・インバースは、序盤では、「光の剣」を使って魔法を唱えることがありましたが、それ以後は、道具なしで発動しています。
詠唱を「道具」と捉えるなら、彼女は一流ではないのかもしれません。
『BASTARD』の主人公ダーク・シュナイダーは、最初の頃は詠唱を唱えて、魔法を発動していましたが、後の方になると、いきなり魔法を繰り出すようになりました。
『魔術師オーフェン』の主人公オーフェンも、道具を使わず、詠唱だけの魔法発動です。
道具を使うといえば、ハリー・ポッターの世界の魔法使いは、杖なしでは、魔法発動ができません。
そういう意味では、大魔法使いも、全員、「2流」になってしまうのでしょうか。
目を、現代に転じてみましょう。
現代のスピ系のセミナーの中には、元手が無料の古代文字を使ってセミナーをしている方々がいます。
この世の矛盾や苦悩に目を向けず、自己利益の増大に己の知能と道具を使うのは、果して、人として一流なのか、あるいは凡庸なのか。
少なくとも、道具を使っている時点で、一流ではないと言っていいでしょう。
道具なしで、これ以上ないぐらい真っ直ぐに己の個性を生きている江田島平八塾長や東方不敗に比べると、何か虚ろな印象さえ受けます。
実力があってこそ、道具も生きてくるもの。
実力なきものが、己を誇大に見せようと道具を使う様は、哀れですらあります。
そんな人々が、この世の荒波をかいくぐる秘訣を知っているはずがありましょうか。
そんな人々のセミナーに足繁く通う人々はさらに、何をかいわんやです。
本物、一流でありたいと思うところです。にんにん。