全訳ハトホル㊷「Non-Duality and the Matrix of Creation(非二元性と創造のマトリックス)」
トム・ケニオンによる高次存在ハトホルの、42番目の惑星メッセージの翻訳をお届けします。
今回の記事は、前々回(「全ての可能性の球体」)と前回(「アーエートスと非二元的な意識状態」)の復習と拡張です。
ハトホルの記事の四タイプ
A:「物事の全体的な理解を与える」
B:「意識や視野を拡大する、地球にまだない、あるいは隠された概念の紹介」
C:「地球規模の変容の波にうまく乗る、あるいは影響を軽減するワークの紹介」
D:「ワークショップやイベントの紹介」
このハトホルの四タイプの内、今回の記事は、B・C・Dを扱っていると思われます。
Non-Duality and the Matrix of Creation(非二元性と創造のマトリックス) 2012/11/15
翻訳者:jacob_truth 翻訳完了日:2021/08/29(日)
原文:
瞑想使用音源:” The Aethos Sound Meditation” (05:04)
このメッセージでは、あなたが時間と空間の中で展開するポジティブな結果を、あなたが認識する時間と空間の両方を超越した非二元的な意識状態(non-dual states of consciousness)から、どのようにして創り出すかというパラドックスについて述べたいと思います。
「非二元的な意識状態」は、私たちが「万物の母(the Mother of All Things)」(=「ボイド(the Void)」)と呼ぶもので、顕在的な現実の源泉であり、源でもあります。私たちは、「非二元的な意識状態」をポジティブな結果を生み出すためのバネとして使用することで、より優れた創造物を生み出すことができることを発見しました。
非二元的な状態を知覚する際のパラドックスの一つは、二元性に根ざした神経系を介して知覚しているという事実です。実際、これらの言葉を読んだり、話を聞いたりすると、脳や神経系の生体電気の変動は、二元的なテンプレートで作用します。
神経インパルスがニューロンを通過する際、思考や精神的・感情的な印象を担っている微細な生化学的・電気的事象が、ダイナミックな二元的マトリックスの中で共存しています。しかし、非二元性自体は、神経系という二元的な現実の外側に存在しています。
機能的には、脳や心(mind)が「高次元トランスの意識状態(higher dimensional trance state of consciousness)」に入った時に、非二元性の意識に入ります。このユニークなトランス状態では、自分自身の非二元的な性質を体験するための「導管(conduit)」、つまり意識のシフトがあります。
より高度な意識状態では、相対的な感覚体験と非二元的な体験の両方を、同時に行うことができます。つまり、複数の複雑な二元性を伴う感覚世界を経験すると同時に、自分の非二元性の深い落ち着きと中心性を経験することができるのです。
しかし、これは非常に高度な脳のスキルです。ほとんどの人は、この体と心(mind)の領域に近づくと、どちらか一方で動作してしまう傾向があります。もし、あなたが既に高度な意識状態にあり、二元性(受肉した人生)と非二元性(非局在化された意識)の両方で活動できるのであれば、この次のセクションは飛ばして、「創造することのパラドックス(The Paradox of Creating)」というセクションに飛び込んで下さい。
アーエートス
前回のメッセージで「アーエートス(Aethos)」を御紹介したのは、『The Aethos Sound Meditation』のサウンド・パターンの振動的な性質によって、ほとんどの人が非二元的な意識状態にアクセスできるからです。
『The Aethos Sound Meditation』でワークする時、あるいは「アーエートス」と直接コンタクトをとる時、あなたの意識と「アーエートス」は、異なる周波数帯域で振動していることを理解することが重要です。現在受肉しているほとんどの人にとって、「アーエートス」は非常に高いレベルの周波数です。その結果、低い周波数の感情的質料のクリアリングや浄化を刺激することがあります。サウンド・メディテーションは自分のペースで行う必要があるので、「アーエートス」が生み出す自分の意識の通路を明確に理解するまでは、5分間のバージョンでワークすることをお勧めします。
『The Aethos Sound Meditation』を続けていると、やがて「高次元の意識のトランス状態」に導かれ、自分自身の非二元的な現実を垣間見ることができるようになります。
そして、さらにワークを進めていくと、より長い時間、非二元的な意識状態に留まることができるようになります。このようにして、「アーエートス」に直接つながったり、『The Aethos Sound Meditation』を使ったりしてマスターのレベルに達したら、ポジティブな結果を現実化するためのバネとして、「アーエートス」を用いるようになります。
あなた方の神経科学では、トランス状態の捉え方が私たちとは異なります。私たちにとって、全ての意識のトランス状態は同じではありません。「高次元のトランス状態(higher dimensional trance states)」は、単なる脳機能の表現ではありません。人間が本来持っている能力であり、認識された時間と空間の制約を超えて、自分の存在の他の側面につながる導管に入ることができます。
言い換えれば、「高次元のトランス状態」に入ると、神経系内における神経活動の側面を、機能的に超越します。脳や心は依然として神経系の現実に縛られていますが、自分の意識の一面は、もはやこれらの制限に縛られていません。私たちはこれを「導管(the conduit)」と呼んでいます。これはある意味では比喩であり、またある意味では適切な表現です。なぜなら、それは自分の本質のより広い側面につながるワームホールのようなものだからです。
『The Aethos Sound Meditation』を聴くと、この導管につながります。時空を超えたところに導くこのチャンネルに入ったことを示すサインの一つが「浮遊感」です。それはまるで、自分の感覚的な経験や、自分の精神的・感情的なプロセスから切り離されているかのようです。それらに気づいてはいても、それらと同一化していないのです。これは「解離(dissociation)」と呼ばれることもありますが、高振動エネルギーという文脈では、この心(mind)の状態が、時間と空間を超越した、より拡大した自分自身の感覚に入るための「導管(conduit)」、つまり、チャンネルへと導いてくれるのです。
本質的に、ポジティブな結果を生み出すためには、「自分は直線的な時間の流れの中に閉じ込められている」と結論づけた信念の限界、つまり認識の枠の外に出ることが必要です。
このような時間認識は、現在の進化レベルにあるあなたの肉体には当てはまるかもしれません。しかし、あなたの意識には当てはまりません。必要なことは、あなたが意識と存在の拡大した状態につながる導管やチャンネルを見つけることです。このような観点から言えば、『The Aethos Sound Meditation』は、「高次元のトランス状態」を生成するための手段です。それによって、あなたは導管やチャンネルへのアクセスが可能になります。
このトランス状態を御自身で体験していただくために、5分単位で、『The Aethos Sound Meditation』でワークを行うことをお勧めします。トランス状態に入ることは脳のスキルです。そして、全てのスキルと同様に、他の人よりも上手にできる人がいます。しかし、このスキルは誰でも身につけることができます。
このトランス状態に入ることができるという確信を持ち、導管に入る方法を知っている時、あなたはより深いレベルの現実化の準備ができています。
閉じ込められた時間と空間、そして時間と空間を超越した自分自身の拡大した感覚との間にあるこの閾値で、魔法が始まるのです。
また、この閾値では、奇妙なパラドックスが現れます。
創造のパラドックス
あなたは特定の結果を創造する目的で閾値に入ったかもしれません。しかし、あなたの存在(意識)がより拡大した状態に入ると、特定の結果を現実化させる必要性は、緊急性を失います。確かに、意識の最も拡大した状態では、何かを創ろうという意志はほとんどありません。なぜなら、意識が最も拡大した状態では、あらゆる現象を超越した自分自身の本質に触れており、この心(mind)の状態では何も必要としないからです。
このパラドックスは、あなたが2つの現実の中で生きていることにあります。つまり、何も必要としない自分自身の本質という超越的な現実と、実際にある結果を必要とするかもしれない受肉した人間存在という、2つの現実です。
ここで、もう一つのパラドックスが現れます。もしあなたが、真のデタッチメント、つまり自分の超越的な性質、最も拡大された存在感を最大限に発揮して結果を生み出すことができれば、特定の結果を創造することがより巧みになるでしょう。
これは、拡大した意識(存在)状態では、緊張を生み出さないという事実によるものです。緊張は、あなたの創造物を制約する力線を作ります。しかし、あなたが本当に必要だと感じるものであれば、自然と緊張感が生まれます。それが人間です。しかし、ここに困難と、秘密の一つがあります。自分のタイムライン上の自分の人生において、何かが起こることを切望していたとしても、「何も起こらなくてもいい」という気持ちになった方が、結果を生み出すという行為を通じて、それを経験する可能性が高くなるのです。これは実に、不思議なパラドックスですね。
これをお読みになっている方の中には、高いレベルの自己認識をお持ちの方もいらっしゃると思います。そのような方は、既にこの真実の核心、つまり、「非二元性と結果を創造するアートに関する問題」の核心を発見されているかもしれません。
あなたが意識の中心点(=非二元性)にいる時、特定の結果を生み出す前に待つことには知恵があります。このことについては、「意識の転換期(Transition States of Consciousness)2011/04/20」という以前のメッセージにおいて、別の文脈でお話しました。
そのメッセージでは、死後の「虚空(the Void)」にいる状態について述べました。多くの人が待つことに抵抗を感じ、「虚空」あるいは非二元から、肉体を持った人生や別次元での経験のような、新しい人生を創造するために急いでいることを指摘しました。
ここでは、2つの全く異なる、しかし不思議と似たような経験についてお話します。死後、転換期において、「虚空」あるいは非二元性と接触する時、多くの選択肢があります。1つの選択肢は、新しい人生や、それが物質界や意識の他の領域であるかどうかにかかわらず、新しい現実化に突入することです。もう1つの選択肢は、新しい存在のサイクルに移行する前に、「虚空」あるいは非二元性に留まり、自分自身の拡大した感覚を得るために待つことです。
この死後の状態と、結果を必要としている状態の間には共鳴があります。私たちは、新しい結果を作り出そうと急ぐのではなく、導管を通して自分の存在(意識)の拡大した状態に入る方法を学び、その拡大した状態で、言わば、自分の望む結果を熟考することを提案します。
現実化を急がず、しばらくの間、この拡大した状態で過ごして下さい。このような拡大した状態にいると、不可視の力とのエネルギー的な関係の中で、あなたの望む結果がどのように保持されているのかということと、あなたがその結果を出現させたいと思っている人生の状況を知覚することができます。言い換えれば、導管を通過して、時間と空間を超えた心(mind)の状態になることには知恵があるということです。その拡大された状態では、あなたが望む結果を現実として出現させるために何が起こるべきかについて、より深い洞察と理解が得られます。
現実化のための戦略として、導管や自分の存在(意識)の拡大した状態に入るもう一つの理由は、相反するものの極性にあります。あなたの結果は二元性の世界に現れますから、それは極性の原理に従います。どんな行動にも必ず反作用があり、急激な変化であればあるほど、反作用は強くなります。
この原理は、素粒子の領域から、個人的な創造物、人との交流、社会的・文化的な状況まで、あらゆるレベルで作用していることがわかります。時間と空間を超越した自分の存在(意識)の拡大した性質に入り、そこに留まって望む結果を熟考すれば、先に述べたように、望む結果のエネルギー的な性質と、その結果が現実化することを望む人生の状況との関係を理解することができます。
さらに、あなたの結果が3次元現実に移行する際に起こる反作用を熟考することもできます。あなたは、この願望を現実化させた場合の帰結について、より深い洞察と理解を得ることができます。そして、この深い洞察により、あらゆる結果の現実化に伴って発生する反作用を、より優雅に回避することができます。
メッセージ「全ての可能性の球体(The Sphere of All Possibilities)2012/08/18」では、人生において結果を現実化させる方法と、自分のタイムラインの外側に存在する力や資源を自分に引き寄せる方法を御紹介しました。
前回のメッセージ「アーエートスと非二元的な意識状態 (The Aethos and Non-dual States of Consciousness) 2012/09/20」では、非二元性の資源について説明し、「アーエートス」を橋渡しにして非二元性の意識に入る方法を公開しました。
今回の通信では、バネとして非二元性を使ってポジティブな結果を生み出すために、2つのメッセージの橋渡しをします。従って、この情報を最大限に活用するためには、以前の2つのメッセージを読んで、理解する必要があります。あなたは、説明されているように「全ての可能性の球体」に取り組むべきです。また、「アーエートスと非二元的な意識状態」で提案されているように『The Aethos Sound Meditation』に取り組むべきです。この2つの作業を終えた時、あなたは「第3の力」を適用する準備ができています。第3の力とは、2つの力を結合して生まれる、「三位一体の力(triune force)」です。
「球体」との関わり方を学び、『The Aethos Sound Meditation』を通じて、存在(意識)の拡大した状態につながる導管に入る方法を学んだら、このレベルの創造の準備ができています。
単刀直入に、シンプルに御説明しましょう。
ステップ1. この活用法では、まず非二元性に入ります。『The Aethos Sound Meditation』を必要としない方は、必要ありません。サウンド・メディテーションをエネルギー的な味方として必要とする場合は、それを使うべきです。しかし、どのように目的地に到着しても、ゴールは同じです。それは、導管を通して「高次元のトランス状態」に入り、自分の存在(意識)の拡大した状態を体験することです。
ステップ2. 以前のメッセージ(「全ての可能性の球体(The Sphere of All Possibilities) 2012/08/18」)で御説明したように、「球体」に関わって下さい。これは短いバージョンですが、メッセージ全体を読むことを強くお勧めします。
自分の存在(意識)の拡大した感覚の中で、あなたは自分の太陽神経叢を意識します。そして、宇宙全体を包み込む「球体」の感覚を得ます。そして、「未来の自分」が目の前にいることを想像します。
この「未来の自分」は、あなたが望む未来の結果を具現化したものです。自分の太陽神経叢と「未来の自分」の太陽神経叢との間のリンクを確立すると、「球体」が作動します。すると、エネルギー的な力の線が「球体」から自分の太陽神経叢に流れます。そして、これらのエネルギー的資源が自分の太陽神経叢から「未来の自分」の太陽神経叢に流れます。
この時点で、創造のプロセスを大幅に強化・加速する次のステップへの準備ができています。これは、「全ての可能性の球体(The Sphere Of All Possibilities) 2012/08/18」というメッセージの中で簡単に触れましたが、ここではさらに深く掘り下げてみたいと思います。この感情の力を活用することが、ポジティブな結果を現実化する鍵の一つです。ここでは、この点に注目したいと思います。
ステップ3.
感謝の気持ちと新しい現実のエンジニアリング
結果を創造することについての私たちの理解では、タスクに適用できる3つの調和振動(harmonics)があります。1つ目は中立性(neutrality)です。感情的なトーンを排除した完全な精神空間から成果を生み出すことは確かに可能です。
しかし、人間としてのあなたの最大の未請求の力の一つは、調和的領域を生成するあなたの心(heart)の能力です。これは、あなた自身の心身システムの現実、あなたを取り巻く地域環境の現実、そして局所的な量子場に影響を与える現実の力です。
結果を生み出すために使われる2つの主要な感情の振動場は、互いに正反対のものです。これもまた、二元性の原理が働いているのです。
第1の感情の調和振動は「恐れ」です。恐怖に基づく理解から結果を生み出すことは実際に可能です。あなた方の文化的・社会的創造の多くは、他の文化や他の社会に対する恐怖に基づいています。戦争の武器がその典型です。それらは恐怖から生み出されたものです。
私たちは、ある種の出会いや状況を恐れる必要がないと言っているのではありません。しかし、恐怖に基づいた理解から生まれる結果は、愛から生まれる結果とは全く異なるということを言いたいのです。
ここで、2つ目の感情の振動場である「非個人的な愛(impersonal love)」と呼ばれるものが出てきます。これは、人と人との間にある愛の魅力とは何の関係もありません。それは全く別のカテゴリーであり、進化した心(heart)の表現です。それは、あなた方の宇宙を動く不可視の力の一部である、より大きな非個人的な愛の場との共鳴の中で振動しています。機能的に言えば、もしあなたが愛の振動を持つ場所から結果を創造するならば、あなたは宇宙そのものに備わった、不可視の力を自分にもたらすことになります。私たちが考えるに、あなた方が住んでいる宇宙は、中立性、恐怖、愛の3つの振動場の集合体です。これは非常に複雑なテーマであり、今回のメッセージでは説明しきれません。
結びつき
感情の振動場を自分の創造物に適用すると、あなたのハートからリアルなエネルギーの奔流が生まれます。これは精神的な現象ではありません。リアルなエネルギーであり、肉体の心臓とハートチャクラの両方を含むハートから、体全体を通って地域環境に向かって移動する波形なのです。
この感情の調和振動は、一種の「エネルギー的な結びつき(energetic tether)」を生み出します。それは、あなたの主な感情である「恐れ」や「愛」の振動の質を通じて、意図の波形を形成することで、あなたの意図の表現に、文字通り影響を与えます。
ポジティブな結果を生み出す私たちの方法では、恐怖を使うことは決してありません。常に愛を使うのです。これは単に現実的な選択です。太古の昔から、私たちは愛こそがより高いパワーであり、よりポジティブな結果をもたらすことを発見してきました。
実際には、「未来の自分」を創造した後、「ステップ3」に進みます。ステップ3では、感謝や恩として経験される愛という感情の振動を加えます。
「恩(gratitude)」とは、簡単に言えば「感謝(appreciation)」を増幅させたものです。「未来の自分」への恩や感謝の感情を経験すれば、ハートの力で「未来の自分」を磁化することができます。そして、「未来の自分」の磁気アトラクターとしての力は飛躍的に高まります。
そして、あなたの「未来の自分」は、現在のタイムラインの外にある宇宙からの資源やエネルギーを、自分の現在に引き寄せる磁気アトラクターとなります。
磁気アトラクターの力を高めるためにできることは何でも良いことです。私たちの経験では、磁気アトラクターの力を高めるために最も効率的で効果的な方法は、恩という感情の振動場を適用することです。恩の気持ちを持って、「未来の自分」という磁気アトラクターを増幅させると、自分にその現実を引き寄せる、磁気アトラクターの速度が加速されます。その結果、予期せぬセレンディピティが発生する可能性が高くなり、その効果は絶大です。この最後の段階は、いくら強調しても足りません。
もう一度、先ほどの転換の段階(transition phase)に戻りましょう。この段階は、あなたが「高次元のトランス状態」に入り、時間と空間を超えた、拡大された自分の感覚に導く導管に入った後に起こります。
このように意識を拡大した状態で、自分の望む結果をじっくりと考えてみましょう。その結果が3次元の現実に入ってきた時の意味合いを理解できるだけでなく、その結果の結実を探ることができます。多くの場合、希望する結果を実際に3次元で創造することなく、その現実性を探ることができます。
私たちがこの情報を提供しているのは、私たちの視点から見ると、満たされない欲望は、人間を再び別の人生、つまり生と死のサイクルに導くことが多いからです。
現在の環境では、ある結果や願望を経験することができないかもしれません。しかし、時間と空間を超えた拡大された存在(意識)の状態では、それらを経験することができます。この拡大した状態で自分の望む結果を詳細に検討することで、「はい」、その望みを3次元の人生に取り入れたいのか、それとも、もうその結果を実現する必要がないのか、という結論に達することができます。選択には力があります。あなたの洞察が深ければ深いほど、あなたの選択はより深いものになります。
だからこそ、私たちはあなたに、熟考という目的のために、時間と空間を超越した、あなたの拡大された性質への導管に入ることをお勧めするのです。行動する前に熟考して下さい。この一時停止は、あなたにとって、大いに役立つでしょう。
創造主として、待つことには知恵があります。そして、待つことで、あなたが望む結果があなたのタイムラインに現れるための「正しい時」と「正しい状況」を知ることができるのです。あなたがこの方法を使って、あなた自身やあなたの大切な人々、そして世界にポジティブな結果を創造することが、私たちの望みであり、願いであり、期待なのです。
このメッセージは、あなたの人生にポジティブな結果を生み出す手段としての「全ての可能性の球体」と「アーエートス(非二元的意識状態)」に関する現在の通信を完成させるものです。
ハトホル
2012/11/15
トム・ケニオンによる見解と考察
今回のメッセージですぐに気になったことの一つは、「高次元のトランス状態(higher dimensional trance states)」という概念です。
トランス状態とは、脳波が変化し、シータ波やデルタ波が増加し、外側の感覚世界への注意が薄れ、知覚の内的世界への注意が強まる状態です。
私は20年以上に渡って、エリクソン医療催眠(訳注1:精神科医ミルトン・エリクソンが考案した催眠療法のこと)の実践者として、トランス状態を何度も使い、クライアント(そして私自身)がよりリソースのある意識状態を獲得できるようにサポートしてきました。
トランス状態では、意識が流動的になり、心身共に、ふつうでない状態になることがあります。このような非日常的な洞察やエネルギーは、自分の人生にうまく統合することで、豊かな価値を得ることができると私は考えています。ここで重要なのは、「うまく人生に統合すること」という言葉です。
トランス状態の現象の一つに、「時間の誤用(misappropriation of time)」と呼ばれるものがあります。つまり、トランス状態では、通常の覚醒時とは異なる方法で時間を辿ることになります。
瞑想をするとトランス状態になるので、瞑想をよくしている人は、時計時間が自分の主観的な時間感覚よりも遅くなったり、速くなったりしたことがあると思います。実際、瞑想のようなトランス状態では、時間が神話的な大きさになることがあります。それにより、宇宙の誕生と死を経験したり、時間認識を完全に超越したりすることがあります。
トランス状態になると、このように知覚される時間が変化することがよくあります。しかし、ハトホルたちは、トランス状態は、全て同じではないと主張しています。トランス状態が、知覚された時間と空間を超越した状態に入ることを目的として発生した場合、私たちは別の領域に入ったことになります。
通常のトランス状態と「高次元のトランス状態」では、脳内の神経活動(脳の状態の変化)はよく似ています。しかし、ハトホルによれば、大きな違いがあると言うのです。
「高次元のトランス状態」では、その性質上、時間と空間の両方を超越した非常に拡大した存在(意識)の状態に導かれます。自分自身の非局在的な感覚が拡大することで、現実化の魔法がより高い次元の表現になるのです。
『The Aethos Sound Meditation』は、「高次元のトランス状態」に入るための音響的な技法です。そして、私は、これは、この目的のために非常に効果的であると言わざるを得ません。
しかし、ハトホルが指摘するように、このサウンド・メディテーションは単なる手段に過ぎません。ここで重要なのは、非二元的な心(mind)の状態に入ることであり、どうやってそこに到達するかではありません。
ハトホルたちによると、非二元的な意識状態は、ポジティブな結果を生み出すためのバネとして非常に効果的に使用することができます。これが、このメッセージの大部分の内容です。
非二元性
ハトホルは、前回のメッセージ(「アーエートスと非二元的な意識状態(The Aethos and Non-dual States of Consciousness)」)で取り上げたので、非二元性の概念を定義していません。「非二元性(non-duality)」とは、最も簡単に言えば、主観と客観の区別がなくなった意識状態のことです。認識されるものとは別に、「自分」(認識する者)は存在しない。これは非常に珍しい意識状態です。この状態に深く入り込むと、自己という感覚がシフトし、身体意識や感覚意識が一切ない、自分自身だけを認識する純粋意識になります。
いくつかの西洋の神秘的な伝統では、この超越的な状態を「私は私である(I Am That I Am)」という謎めいた言葉で表現することがあります。主体(自分)と対象が明確に異なるものとして認識されている通常の覚醒状態の意識では、この言葉は控えめに言っても奇妙に感じられます。しかし、神秘的な観想状態では、それは自明のことであり、非二元性において生じる自己の感覚を正確に表しています。
「アーエートス」を介して非二元性に入る方法はハトホルたちだけのものかもしれません。しかし、非二元性の考え方やその重要性は、ハトホルだけのものではありません。古代インドの哲学、道教、チベット仏教のドズゲン派をはじめとする仏教、そしてチベット仏教に先立つシャーマニズムの系譜であるボン教などのような「永遠の哲学(Perennial philosophies)」が、言葉は違っても、この心(mind)の領域について語っています。
導管
ハトホルが通常の3次元意識から拡大した非局在的な自己意識への「閾値(the threshold)」として何度も言及している「導管(conduit)」は、むしろ意識のシフトを表すメタファーと言えるでしょう。
私はこの方法を何ヶ月も使ってきましたが、今までは自分を拡大した状態に導く真の導管やトンネルを経験したことはありませんでした。しかし、今回のメッセージで教えてもらった方法を実践してからは、通常の3次元意識から非局在的な意識へのシフトが、実際にワームホールのような形で起こるのを、時々、経験することがあります。興味深いのは、ハトホルがこのように説明する前に、私はシフトを、導管やワームホールとして経験していなかったことです。
ここで重要なのは、あなたがこの技法に取り組んだ時に、あなたの存在(意識)を拡大した状態に導く導管やチャネル/トンネルを経験するかもしれないし、しないかもしれないということです。どのようにして目的地にたどり着くかは、目的地に到着することよりも重要ではありません。ですから、私の提案は、真の導管の有無にかかわらず、シフトがあなたにどのように見えるかに従うことです。
The Aethos Sound Meditation
この数ヶ月間、様々な機会に様々な形で、『The Aethos Sound Meditation』に取り組んできましたが、このメッセージの中で、ハトホルのコメントの一つを強調しておくことが重要だと思います。
“現在受肉しているほとんどの人にとって、「アーエートス」は非常に高いレベルの周波数です。その結果、低い周波数の感情的質料のクリアリングや浄化を刺激することがあります。サウンド・メディテーションは自分のペースで行う必要があるので、「アーエートス」が生み出す自分の意識の通路を明確に理解するまでは、5分間のバージョンでワークすることをお勧めします。”
ハトホルのコメントに賛同します。『The Aethos Sound Meditation』は、非二元的な意識状態を含む、拡大した存在(意識)の状態への知覚の扉を開く、強力な進化の触媒です。しかし、あなたの歴史や現在の振動レベルによって、非二元性への旅は長引くかもしれませんし、そうでないかもしれません。このサウンド・メディテーションが自分にどのような影響を与えるのかを理解するまで、5分単位で聴くことを推奨しているのは、ここでのガイドラインが、自分の心地よさの範囲内であるためです。
注:「アーエートスと非二元的な意識状態(The Aethos and Non-dual States of Consciousness)」と題されたハトホルの惑星メッセージの最後と、私たちのウェブサイトの「リスニング」のセクションに、『The Aethos Sound Meditation』へのリンクがあります。(訳注:この記事の翻訳では、リンクの最下部に音源が掲載されています。個人利用に限って、利用できます。詳しくはトムのウェブサイトの「リスニング」セクションの説明をお読み下さい)
最終的な考察
焦点を変えて、何年にも渡って、ハトホルの世界瞑想に参加して下さった、世界中のサンガ(靈的なコミュニティ)の皆さんに感謝したいと思います。私たちのハートと心(mind)が惑星への奉仕で結ばれることは、控えめに言っても感動的でした。
また、貴重な時間を割いて、ハトホルのメッセージを母国語に翻訳して下さった多くの翻訳者の方々にも感謝しています。これは、まさに皆さんの愛の結晶です。私は皆さんの仕事を認め、今後の努力に感謝したいと思います。
私たち全員が、私たちに訪れている大転換期を優雅に通過できますように。自分自身や周りの人々の中に、新しい方法で人生を生きる勇気が生まれるのを目撃できますように。思いがけない奇跡が起きるセレンディピティの神秘によって、私たちが豊かになりますように。ユーモアのセンスを失わないように、時にはそれが最大の味方になります。そして、私たちは、私たちが待ち望んでいた人間であることに気づき、ウェルカムマットを敷き、「大いなる神秘」の食卓に自分の居場所を用意することで、祝福されますように。
トム・ケニオン
※なお、音楽は、運転中や複雑な機械を扱う作業中には聴かないでください。操作を誤る可能性があります。瞑想や静かなワーク、あるいは、リラックスのためにお聞きください。
※瞑想音源は、個人使用に限り、無料で使用できます(トムの公式サイトの「リスニングセクション」注意書きより)。
コメント
翻訳をしている最中に気づいたのですが、ハトホルの記事は、公開日と実際のチャネリング日には開きがあるようです。特にサウンド・メディテーションの場合は、実際の公開日よりも数週間から数ヶ月前にチャネリングが行われたのだろうと、トムの文章から推測しています。
前回の記事は、2012/09/20に公開されていますが、実際のチャネリング日は数か月前だと推測しています。チャネリングの記録をし、清書をし、また音源の作曲をし、さらに音源を聞いて瞑想して、不具合の有無をチェックする。そして、チャネリング情報と瞑想についての考察記事を記すのに、少なくとも、数週間はかけているのではないかと思われます。
この部分はトム自身が明言していませんが、トムの慎重さを反映したものであり、彼がこの情報を出すことにどれだけ注力しているかを表していると感じます。トムの物事への関わり方が透けて見えるので、指摘しておきます。
また、トムは、自分で自分の音源を聞いてワークをした際、ハトホルたちや自分の基準に達していなければ、それを正直に告白します。似非スピ教師たちのように、できてないのに、できている風を装うことはしません。
この点は、やつおさんが翻訳している多くの海外発信者に通じるものです。
一人だけ挙げれば、JC Kayさんは、そういう意味の正直さを持っている人です。
自分と他者に対して、どこまでも正直であるというのは、とてもとてもチャレンジングなことです。
私たちの生きる社会が、それと真逆のことを推奨しているからこそ、これはとてもとてもむずかしいことであり、取り組む意義のあることです。
しかし、靈的求道において、正直さ、真摯さは、非常に大事な資質であり、これがなければ、求道者は道に迷うだけでなく、無自覚に他者を傷つける存在にもなる恐れがあります。
本当に正直であれば、他者を傷つけたことについて言い訳したり、ごまかしたりはしません。可能な範囲で償いをしようとしますし、それが無理でも、そのことを「痛み」として担い続けます。
正直かどうか、真摯かどうか、誠実かどうかは、人を測る上での重要な基準になり得ると思われますし、その重要性は、今、高まりつつあるように感じます。
トムのパートナーのジュディが、トムがどんな人かを『グレート・シフト』(ナチュラルスピリット、2010)でこんな風に書いています。
"トムを知っている人や関係のあった人と彼の話をすると、必ず出てくるのは完璧という言葉です。彼は明らかに完璧で、名誉を重んじる、優しい、勝手なことをしない人間です。"(p,121)
「完璧」と「名誉を重んじる」と「優しい」が同居し得る人がいることが、私にとっては驚きでした。
しかし、ハトホルとトムの記事の翻訳を続けるほどに、文章から透けて見えるトムの見解・視座・性格から、彼がとても長い時間をかけて自分に向き合い、今もまた向き合い続け、また世界と関わってきたことがわかります。
こういうことは自慢するように言わないので(心理療法士として何年仕事してきたとは言うものの)、ある程度、きちんと彼という人間に向き合わないと見えてきません。
いろんなサウンド・メディテーションがありますが、御自身がピンと来たものや用途・必要に応じてやればよいのです。
私も全部を、一日の内でやっているわけではありません(笑)
ただ、サウンド・メディテーションが持っている振動領域に慣れる必要上、数日から数週間聞き続ける必要のあるものは、なるべく時間を作って聴くようにしています。
もう少し後の方で、身体に癒しのエネルギーを入れるサウンド・メディテーションが出てきます。ワークをしなくても、ただ聴いているだけでいいというものです。そちらもどうぞお楽しみに。
以前の翻訳記事はこちらをご覧下さい。