統合失調症を発病した時の話①
生まれながらに、生きづらさをずっと感じていて(特に生まれ育った家庭のことで)ある日、催眠療法(ヒプノセラピー)にたどり着いた。その効果は凄まじく、我慢してた言葉や行動ができるようになったり、人の目を過剰に気にすることがなくなった。それからどんなワークを試しても上がらなかった自己肯定感も自然と湧いてくるようになった。
その反動というか好転反応というか、おしゃべりが止まらなくなってずっとハイな状態だったり、感情が溢れ出して止まらなかったり、衝動が抑えられなかったり、夢の中で高速走馬灯みたいなものを見たり、とにかく心の中が忙しかった。今まで溜め込んでいたものが爆発してしまったかのように。
関係があるのかは分からないけれど、全てのものがキラキラして見えて、ある種、悟ったみたいになっていたと思う。この頃から脳が少しオーバーフロー気味だったのかなと思う。誤解のないよう書くけれど、私は催眠療法を悪者にしたいわけではない。けれど、医師曰く人のトラウマに触れることは脳に相当なストレスがかかるとのこと。
脳に負荷がかかった状態で、さらに追い討ちをかけるような事を起こす。
ネットのコミュニティの中で、ちょっとした喧嘩をしてしまう。すぐにごめんなさいと引っ込めば良かったが、なかなか認められずかなり感情的な状態になってしまった。周りで見ていた人にガツンと怒られ、やっと私は謝罪をした。なんて大変なことをしてしまったんだろうって自分を強く責めた。
批判的なコメントにたくさんのいいねがついていき、すべての人から嫌われているかのような錯覚に陥った。すべての人が敵にも見えた。
寝ても覚めてもその失敗が頭から離れなくなる状況が続く。コミュニティのアイコンが怖く見えたり、街中を散歩しているとなんか不吉な感じがする場所があったり、目の前に起こるすべてのことが意味ありげなメッセージに感じたりした。
しばらくそんな感じで10月〜12月を過ごし、大晦日の前日、自分がいる部屋がとてつもなく怖く感じた。何が怖いのか分からないけど、死ぬんじゃないかと思った。
思い切って、叔母に電話してみる。深夜の2時とか3時ごろだったけど、電話に出てくれた。
「ひとりで頑張りすぎちゃったんじゃないかな、たまには人に甘えてみてもいいと思うよ。帰ってきたら?」
地元から離れて暮らしていた私は、急いで荷造りをして始発の新幹線で地元へ帰った。
叔母の息子(いとこ)が迎えにきてくれていた。話もろくにできず、ガタガタ震えていた。この頃の私を見た親戚たちはゾンビかと思ったと言っていた。本当に辛かったけど、親戚の家に着いた瞬間ホッとした気持ちで、眠りについた。親戚が精神科に連絡してくれて、約1ヶ月後に予約が取れた。
失敗したことで頭がいっぱいで、朝、散歩に行く時以外は部屋に閉じこもっていた。頭がぼんやりして周りが見えない。が、そのおかげで気を遣わずやっと(人生で初めてぐらい)本音で話すことができたと思う。常に悩み事のツボに入ってしまう私に「もう終わったこと終わったこと!忘れろ忘れろ〜」叔母が私に何回も声をかけてくれた。衣食住も頼る事ができ、少しは落ち着いてきた。
ダメになった時、頼れる場所があって私は本当にラッキーだったと思う。
いよいよ診察の日、私は医師の話がまともに聞けなかった。勧められた薬も速攻でいらないと断った。風邪もインフルも寝て治してきたし、薬なんかに頼らなくても大丈夫。というか私は病気ではない。の一点張り。なぜか私の方が医者より詳しいって思ってた。
翌年の2月。何回か通院し、心理検査みたいなものを受けた。その結果を聞きに行こうと、病院に行ったところで強制入院になってしまった。私も親戚も知らない間に病院から夫に連絡が行き、夫の同意のもと医療保護入院。なんで私のことを信じてくれないんだ!とかなりショックだった。
だけど、早い対処をしてくれて今では良かったと思っている。
つづく