統合失調症リカバリーの転機
毎日が忙しくて、覚えていることを書き留めなければと親指をポチポチ動かし始めた。
ああめんどくせぇ。日向ぼっことニコチン摂取なう。隣にはイッヌ。
リカバリーストーリーとやらを書かなきゃいけないのだけど、いけないから書く。
リカバリーストーリーをただの「回復」って意味で書くとしたら、薬がぴったりハマったんだ。
歩くのが止まらなくて、常に不安で、神経質で、性欲湧かなくて、歩っていても目を閉じちゃって、焦ってて、寂しくて、死にたくて、1日が早く終わらないかな、一生このままなのかなって思ってた。
どんな行動を取っても誰かに話を聞いてもらっても突然襲ってくる死にたい気持ちが抑えられなくて、「それ、変だよ」と言われて任意入院することに決めた。
タバコが吸えなくなるのは嫌だけど、これが一生続くのかと思う方が嫌だった。
統合失調症薬レキサルティとムズムズの薬と、睡眠薬と気分を落ち着かせる薬を飲んでたっけな。ひと通りいろいろな薬は試したけれどどれも合わずに医者もうーーん…って感じだった。薬を削って飲んでみたり、余ってる薬に変えてみたり好き勝手やってた。薬はやめたら再発するのがお決まりなので勝手にやめたことは一度もない。
それでもダメなのでもう好きにしてくれえ!と思って医者を信頼した。解離症かもねと言われて別の薬に変わった。抗うつ薬のパキシル。
再発するのでは??とまじで怖かったが、少しずつ調子が良くなっていった。統合失調症も解離症も症状が全く同じだそうで、治るか治らないかが違いだってさ。私の場合は統合失調症と診断されてから3年目で解離症と変わった。
運動や食事、考え方、色々薬以外の治し方が出回ってるけど、やっぱり薬が合わないことにはそれを試すことも難しいよなって個人的に思う。何やってもダメだったもん。
ソワソワして歩き回るのが治った私は、やっと家の中で休めるようになった。これ、私にとっては凄いこと。休みたくても休めないことってあるんだよめちゃくちゃ暇なのに。地獄。だから凄い。休めるって凄い。
そんで、作業所に通っていたけれど体が動かなくて一日中寝ていた。夜も朝も関係なく、寝たい時に寝ていいんだなって体感した。休むという罪悪感がなかなか抜けなかったけれど、「行きたくない場所に行く必要はあるの?」という夫の言葉で力が抜けていった。ぐーぐー寝ていた。
寝まくった私は体がバッキバキになり、肩こり、腰痛、足の痛みが出てきた。ストレッチやもみほぐしをしては眠る毎日だったけれど、まだ違和感が残ってて、自分でできるところまではやったと思い、あとは整骨院に行くことにした。
そこでは骨格調整はもちろん、自律神経の話とか、食べ物や腸内細菌の話を教えてもらった。まごはやさしい。
最初は教わった通り、まごはやさしいの食生活を始めた。気合い入れてスーパーで爆買いした。お腹の中にいる腸内細菌に思いを馳せながら、美味しいもん食わせてやろうと思った。毎日レトルトや買った弁当では嫌だろうなと思って自分で料理を作るようになった。(まあ、前から作ってはいたけどね)こだわってというか、相手の顔を想像しながらというかね。食えりゃあいいではなくてね。そうそう。
そんなことしてたら体がだんだん元気になってきて、自然と朝起きて夜は眠くなるようになった。おしゃべりして笑いも出てきた。道端に生えた植物を綺麗だなと思う感情が湧いてきた。
土の上で寝るのが好きなんだが、寝転んで気持ちええ〜ってやっていた時、ふとこんなことを思った。私はずっとひとりぼっちだと思っていたけれど、なーんだ独りじゃなかったんだ…いろんな生き物に囲まれて生かされてたんだ…。ホッとして、あったかい何かに包まれてる気分だった。
どん底に行ったからこそ、些細なものが輝いて見えた。そういうものは無理やり思おうとしても湧いてこないものだと思うから。
そうやってだんだんと統合失調症特有の孤独感や、コミュニティを追い出された怒りや呪いから解き放たれていった。
合う薬が見つかったのもタイミングや運だし、これをしたら治るというアドバイスは私にはできない。なるようにしかならない事もあるし、どん底を含めてその人の宝物だと思っている。私はそれを見守ってあげたい。と思っている。