芸能人様「嫌なら見るな」の間違い
もう10年近く前になるかもだけど、フジテレビが嫌韓の流れで炎上し、お笑い芸人(たしかナイナイ岡村さん?)が自分のラジオ番組で「嫌なら見るな」と言って更に火に油を注いだって事があった。
その後も度々芸能人が「嫌なら見るな」的な発言をすることがあるが、まあネットイナゴ達による蝗害に嫌気がしてそう言いたくなる芸能人の気持ちもわからんでもないが、この発言は2つの意味で間違ってると思うのでそれを書き留めておきましょう。
理由1.別に才能を評価されて人気者であるわけじゃないから
今テレビに出演している自称芸人の「素人芸人」やどんなタレントを持ってるかよくわからない「タレント」達は、別になにか特殊な能力を持っているからといってちやほやされているわけじゃない。確かに話がうまいとか見てくれが良いとか、そういう部分はあるだろうがちょっと話がうまいとかちょっと見てくれがいいやつは世の中にたくさんいる。
それがたまたま(もしくは自分から志向して)テレビ出演という仕組みに乗っかって回るようになっただけの人たちだ。
藤井聡太とかイチローとか庵野秀明とか小島秀夫とか池波正太郎とかイングヴェイ・マルムスティーンとかピエール・トロワグロとかアインシュタインとか諸葛亮とかお釈迦様とかのように飛び抜けた才能や、人並み外れた努力をしてなにか結果を出したわけじゃない。(ほとんどは)
芸能人だって努力してるって?いや、それは違う。
彼らは、番組にハマるように、とかMCの○○さんにハマるように、とか視聴者に受けるように、などのように「テレビに出る努力」をしているだけであって中身、いわば「芸」と呼べるようなものを磨く努力をしているわけじゃない。
芸人の賞レース優勝とかは努力の結果だって?
たしかにそうかもだけどあの人達その後「芸」しなくなるじゃん。
M1出てある程度結果出したらあとは番組で食い物の感想とかエピソードとか言ってるだけじゃん。まあ人によるけどね。概ね、の話。全員じゃなく。
で、そんな中身のない彼らでも人気者だし、CM出たり、街で見つかればキャーキャー言われる。
それはなぜか?
それは「単純接触効果」によるものです。
つまり、彼らは「よくテレビで見るから」というだけの理由で好まれたり親しまれたりしているだけなんです。
その彼らが自分から「嫌なら見るな」と言うのは自分の首を締める事になります。自分の職や食い扶持を心配するのであれば本来は「嫌でもいいから見るだけは見て!」と言うべきなのです。
理由2.税金で食わせてもらってるんだから納税者様に歯向かうな
以前新宿ゴールデン街で飲んでる時に自称芸人のヤツにウザ絡みされて大変酒がまずくなった。彼があまりに「俺って芸人だから、芸能人だから、タレントだから」「テレビの世界はすごい、テレビに出るってすごい、お前らとは違うんだ」みたいな話をするもんだから。
だから上記のような事を言ったら「公務員じゃないんだから税金で食ってるわけねーだろ」みたいなトンチンカンな事を言ってたので理解してもらえてないようだった。
説明したけど僕も大概酔っ払ってるもんだから全く的を射ない説明になってた事だと思う。
さて、総務省の電波利用ホームページによると平成27年度のNHKを除く民法テレビ局が払った電波利用料負担額は合計で約44.1億円との事。
ちなみに同年にいわゆる携帯電話3大キャリアが払った電波利用料負担額は334.2億円。これは僕らのスマホ利用料金から支払われてる。
ここでアメリカを見てみると、アメリカは電波利用料を徴収する他に「電波オークション」といって電波の利用権をオークション形式で販売する事になっているようだ。
その金額は電波利用料収入約240億円、オークション収入年平均4,600億円
電波利用料収入とオークション収入と併せて合計4,840億円!!!
日本の人口が1億2千万人、アメリカの人口が3億3千万人だとしてアメリカの収入の日本の人口規模に直すと1,850億円となります。
つまり日本のテレビ局が払っている電波利用料は異常に安すぎるんです。
これが既得権益だとか色々あるんですが、ここでは計算を急ぎましょう。
携帯会社には我々が利用料を払っているので、もう(国民が)精一杯負担しているとして、もし日本で電波オークション形式を取り入れるとテレビ局各社は1,550億円ぐらい払わないといけない事になります。
もしこの1,550億円を一般財源化できたら我々の税負担はもっと軽くなるわけですね。
ご存知のようにテレビ局というのはCMなどのスポンサー料を主たる収入源としていてそこから上記の電波利用料の他に番組制作費、更にそこから出演者のギャラが支払われるわけですが、オークション形式を取り入れて電波使用料が高くなる=(スポンサー料は変わらないとして)番組制作費が削られる=出演者のギャランティが減る、となってしまいます。
つまり、現在の彼らの高額ギャランティは税金と同じく一般財源となりうる「支払ってない電波利用料」から支払われているとも言えるわけです。
だので芸能人さんたちは「税金で食わせてもらってる」といってもいいんじゃないでしょうか。言っちゃっても。もう。
というわけで税金から自分のギャラが出ているようなもんなんだから「嫌なら見るな」って言っちゃいけないんですよ。
区役所の人の態度が悪かったり仕事が遅かったりしてクレーム言ったら「嫌なら区役所使うな」とか言われたら大問題になりますよね。
なので、芸能人様はこれから「皆々様のお陰様を持ちまして日々なんとか糊口を凌がせて頂いております。右や左のだんなさまー」などと言いながら申し訳無さそうに平身低頭して生きていってください。
間違っても「ボクはげいのうじんなんだぞ!えっへん」などと納税者たる庶民様に対して威張らないように。
まあ、半分冗談ですよ。
でも「芸」も「能」も無い「芸能人」が税金使って養われてそれを払ってるやつらがキャーキャー言うってなんか不思議な図だなって思って。
ミュージシャンとかそういう自分でそれを直接売ってる人はいいと思うよ。
あと、無芸の自称クリエイター達とその取り巻きと既得権益のじじいが集まる良くないものを良くないって言えない日本エンタメ業界()のせいで東京オリンピック開会式の悲劇を生んだという話に繋げて書こうと思ったけど力尽きたのでまた。
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