【終活110番070】納得の終活3種の神器

人生100年時代を生涯主役で全うするために、50歳を過ぎたら、遅くとも75歳までには、エンディングまでの想定課題ごとに具体的なビジョンとプランを設計しておきましょう。そして、どんなにタフな人でもひとりで逝くことはできないので、まさかが起きても想いを叶えられるよう、早いうちから親子関係を再構築しておきましょう。そのために不可欠なのが、「ギブ・アンド・テイク」ですよ!

これが、一連の記事の大テーマである「永遠の親子愛で紡ぐ魔法の終活」の本質であり、全体を通してお伝えしたかったコアメッセージです。復習のような感じになりましたが、真面目な話、どうしても四捨五入百世代のみなさんには、心に刻み込んでおいてほしいと思っています。

加えて、「永遠の親子愛で紡ぐ魔法の終活」を現実のものとするために、言い換えれば、金融機関や法律関係者や税務署に無用なおカネ(報酬)を支払わずに生涯主役人生をまっとうするために、知らなきゃ損する3つの武器を紹介しておくことにします。

偏った思想の持ち主と誤解されては困るのですが…。わかっていただけるみなさんだけに信じてもらえればいいので言いますが、世の中には、4大新聞や地上波テレビに代表されるマスメディアが報じない真実というものが確実にあります。

終活に関して言えば、

・認知症の親名義の預金口座が凍結されないためには、成年後見制度を利用すればいい
・遺言を作成するには弁護士等の法律家に頼む
・遺言を作成しておくことで争族を回避できる
・遺言を管理して、それを執行してもらうには、信託銀行等に頼む
・家族の介護で困ったら、無理をせず介護休業制度を利用する
・毎年がん検診を受けて、早期発見・早期治療をこころがける
・遺族の負担を減らすために、葬儀を予約しておく

等々、大多数の人がYESと言いそうな常識や慣習のなかにも、必ずしも正解ではないことがままあるものです。

さらに加えて、読者のみなさんだけに、終活の遂行に超役立つ🉐情報を3つ記しておきます。

まずは、何といっても公証役場の存在です。公証役場は、法務省の管轄する役所です。本書で解説してきた財産承継術(財産管理等委任、任意後見、贈与、遺言、死後事務委任等)を使おうと思ったときに、絶対に利用すべきお奨めの機関です。この手の話になると、普通は、知人に弁護士を紹介してもらったり、インターネットで法律事務所をさがして出向いたり、取引のある金融機関に相談したりするものです。

それはその人の自由なのですが、ムダなおカネを使いたくなければ、迷わずに、近くの公証役場に行くべきです。理由は単純明快。安く済むから。弁護士は高いです。銀行に弁護士を紹介してもらったら、仲介手数料が上乗せされるからもっと高くなります。でも、公証役場ならタダです。書類を作成してもらうと手数料は取られますが、弁護士や銀行に頼んでも、結局は彼ら経由で公証役場を使うことになりますから、どのみち、公証役場に支払う手数料は発生します。

で、ダイレクトに公証役場に相談に乗ってもらって書類作成してもらえば数万円で済むものが、弁護士や銀行に依頼すると100万円超えもよくある話です。にもかかわらず、ほとんどの日本人が公証役場そのものを知らないし、当然、行ったこともありません。おかしな話です。

インターネットでお住まいの地域の公証役場を調べて、公証人(判事や検事を長く務めた法律実務の超・専門家)にアポをとって、エイジングウィル(本書で紹介した円滑老後の設計書)に書いた財産承継スキーム(いつ、だれに、なにを引き継ぐのか)を伝えて、その内容を公正証書という法的根拠のある書類にしてもらえばOKです。弁護士も銀行も不要です。

現役世代のお子さんのサポートがもらえる場合には、お子さんに頼んで書類の雛型を作って持参すると話は早いです。公証人もそうですが、弁護士にしろ医者にしろ、専門家というのは、相談者に口頭であれやこれや冗長にまくしたてられることに対して、生理的な抵抗を示すものです。だからこそ、親子タッグで取り組むのが理想なわけです。

つぎは、いつでも何でも電話相談できる窓口の存在です。「なんか、公証役場って、仁丹とか龍角散とかの匂いがしそうでとっつきにくいな…」という方には、横浜にあるNPO法人「市民のための医療と福祉の情報公開を推進する会」が運営する『お困りごとホットライン』がお奨めです。基本的に会員制のサービスではありますが、個別具体的な相談でなければ、24時間365日、無料で相談に乗ってくれます。

さいごが、老後問題や老親問題をフルサポートしてくれるパートナーの存在です。天涯孤独の人や親族の助けも期待できない「おひとりさま」、子どもたちが忙しかったり、遠く離れてたりして、代わりに動いてくれる人がいないような場合、(手前味噌で甚だ恐縮ではありますが)終活支援のプロフェッショナル『百寿コンシェルジュ』を確保しておくことは絶対にお奨めです。

米国の富裕層クラスには、円滑なシニアライフをまっとうするためには、神父(牧師)・弁護士・医者・FP(フィナンシャルプランナー)、そして老後の日常・非常時の相談相手としてソーシャルワーカーを身近に置いておけ…という文化があるそうです。でも、日本にはそういう専門家が残念ながら存在しません。自治体、社会福祉士、ケアマネジャー、かかりつけ医、顧問弁護士、顧問税理士…。みな違いますよね。そこで創設したのが、百寿コンシェルジュです。エイジングウィルの作成から、医療・介護・おカネ・家族関係・エンディング等の実務代行と問題解決まで、シニア援助の専門技術とコミュニケーション技術を習得した専門家が、身うちのような気やすさで対応させていただきます。


ということで、納得の終活3種の神器は、知っておいて損はありません。まずはお子さん。加えて、公証役場・お困りごとホットライン・百寿コンシェルジュ。これだけで、みなさんの安心が格段に増すことだけはまちがいありません。

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