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さいごの仕上げは専門性
前回までの記事で、安心老後のパートナー『百寿コンシェルジュ』として、シニア相手に感謝されながら納得いく収入を手にするために、必要となるスキル3つについてお話ししてきました。
まずは、人間的魅力。第一印象で、「感じの良さそうな人だなぁ」と思ってもらえる確率をアップするためのヒューマンスタイルの基本を、『ヒューマンベーシックナイン(人格曼荼羅)』というフレームワークを使って解説しました。
つぎに、対話力。シニアと会話する中で、「この人と話していると本当に楽しいなぁ」と思ってもらえる確率をアップするための、コミュニケーション技法です。具体的には、相手のモチベーションアップを焦点にした『おもてなしの逆算話法』と、相手の話を聴くという部分にフォーカスした『癒しの超(聴)能力話法』のお話をしました。
そして、知性と教養。年長の相手からも、「人として厚みや深みのある人だなぁ」と思われる確率をアップするための、最短最速の学習法『マンガでアナタも教養人』。要は、知識人に見られるためのネタの仕込み方と演じ方について解説しました。
こうした3つのスキルをある程度身につけた上で、いよいよ最後に習得すべきもの。それが何らかの分野の専門技術です。
ヒューマンベーシックナインを習慣化することで、すでにあなたのパーソナリティー(人間力)はとても魅力的なものになったことでしょう。
逆算話法と聴能力話法で、あなたのコミュニケーションスキル(対話術)は格段と進化を遂げたことでしょう。
短期集中で古典マンガを読み漁り、ビビッときたフレーズをモノにしたあなたは、教養ある人という評価を勝ち得たことと思います。
そしていよいよ、最後のトレーニングです。
ズバリ、シニア援助技術の習得です。これがあってこそ、シニアから、「あの人、本当に頼りになるわねぇ~」と感謝してもらえるのです。で、この信頼がおカネとなってみなさんの生業となるわけです。
シニアビジネスで成功するということは、地域のシニアのさまざまな相談を受け、抱えている問題を解決してあげることの対価として、彼らからおカネをもらうことに他なりません。
この「シニアからおカネを取る」という行為に、ためらいは禁物です。相手の納得こそが正義であると認識すべきです。
確かに、いまだに福祉はタダと思っているシニアもいることはいます。でも、そういうシニアは、シニアビジネスで成功したいと目論んでいるみなさんにとっては、決して相応しいお客様ではありません。そこはしっかり割り切りましょう。くれぐれも、まちがえないようにしてください。
で、です。シニア援助の専門技術などというと小難しく聞こえるかもしれませんね。でも大丈夫です。というのも、実はシニアの悩みというのは、大体がみな同じようなものだからです。よくあるテーマが10個くらい。それらの問題ごとに、ソリューションと問題解決手順さえ知っておけば、何も心配はいりません。
仮にイレギュラーな相談が来た場合には、それこそ医療や介護の門外漢であっても、子が親のために必死で解決に向けて動くようにやればいいだけのことです。シニア援助の専門技術を身内のような愛に包んでお届けする。シニアビジネスや百寿コンシェルジュの真髄です。
人の一生は、よく「生老病死」に例えられます。私が個人的に影響を受けている良寛さんは、『表見せ、裏また見せて散る紅葉』と詠みました。人間は迷ったり悟ったり、病気をしたり健康になったり、また喧嘩をしたり仲良くしたりしながら人生を送り、そして時期が来れば、ちょうど紅葉の葉が散って行く様に旅立っていくのです。
医学の世界では、この生老病死を「健常期・発症期・療養期・終末期」と言います。このステップに応じて、シニアの身に、解決しないといけないさまざまな問題が生じてきます。
私どもでは、24時間365日対応の電話相談サービス「お困りごとホットライン(通称コマホ)」を会員制で提供してきました。例年、一年間にシニアから寄せられた相談内容を集計してメディアに配信しているのですが、過去15年、上位にくる相談テーマトップテンは、多少の順位変動はあるものの、ほとんど変わりません。
百寿コンシェルジュは、これらすべての相談窓口であり、ワンストップショッピングカウンターです。百寿コンシェルジュがいればこそ、シニアのみなさんは、自治体のようにあちらこちらの窓口に個別に出向いて、何度も同じような説明をしないで済むのです。
百寿コンシェルジュは、医者や弁護士等の専門家のように、「守備範囲外のことは知りませんよ」という紋切り型の対応はしません。百寿コンシェルジュは、シニアにとって、身内のような存在でありたいと願います。だからこそ、いつでも何でも気軽に相談していただけるような体制を整えているのです。
シニアの悩みはみな同じと言いましたが、要は、医療と介護とおカネ。加えて、親子関係とエンディングに係る問題を解決できるように準備しておきさえすれば、9割方の相談に対応できることになります。なので、シニア援助技術はしくみ化できると思い立って、『百寿コンシェルジュ』という認定資格を創設したわけです。
しくみ化とはマニュアル化であり、だれが対応してもほぼ均質のサービスを提供できる…ということに他なりません。必ずしも、社会福祉士やケアマネジャー等の専門資格の取得が必須ではないのです。
いや、むしろ、介護以外の別の世界を見聞きしてこられたみなさんのほうがいいかもしれません。コンビニや携帯電話ショップで活躍されている方であれば、そのホスピタリティマインドが大きな武器となるでしょう。介護職のみなさんであれば、すでに医療や介護等に係る法制度に精通されていることと思います。企業で管理職を経験されてきた方なら、百寿コンシェルジュに求められるマネジメントスキルをすでにお持ちでしょう。
それ以外にも、シニアと触れ合うことが苦にならない方であれば、最低限の情報武装をすることで、百寿コンシェルジュとして十分に活躍できます。それが「老後のよくある問題ごとに、解決手順を完全しくみ化した」という意味なのです。