【告百099】最悪、お金がなくても心配ない

「年金も受給してないし、預金もない。援助してくれる身寄りもない・・・」
年に数件、こういった相談が寄せられます。そんな時は、ぶっきらぼうにこう告げます。
「なんの心配も要りません。大丈夫です。これから2つのことをお話しします。それさえ知っておけば、何も問題はありません」。
ひとつの方法は、福祉国家ニッポンの王道、生活保護の受給です。年金も貯蓄も助けてくれる身寄りもいない…。そんなケースは十分にあり得ます。こんな時こその生活保護なわけです。これで生きていくための衣食住は確実に確保されます。
にもかかわらず、「いや、できたら国や福祉の世話にだけはなりたくない」とおっしゃる方がいます。ですが、ここは冷静に考えてもらわないといけません。だって、ホームレスやって、道行く人に「めぐんでください」とやるほうがもっとみじめだと思うんですよね。つまらない体面は捨ててください。ある意味、現役時代に納税してきた立場であれば、国民の当然の権利なのですから。ちなみに、病院に入ろうと、施設に入ろうと、周囲の人から「あの人は生活保護を受けている」などと指を差されることはまずありません。本人もしくは職員が意図的に発信しない限り、患者は患者、要介護者は要介護者に過ぎません。
生活保護さえ受けてしまえば、医療と介護は一切お金がかかりません。住む場所がなければ養護老人ホーム・経費老人ホーム等を確保してもらえます。介護が必要になれば、普通であれば何年も待たなければならない特養(特別養護老人ホーム)やケアハウスにも優先的に入れます。割り切ってしまえば、何ということはありません。酷な言い方かもしれませんが、現役世代と違って失うものはかなり減ってきているはずです。つまらない見栄のために電車に飛び込まれたりしたら、かえって大勢の人に迷惑をかけることになりますからやめてくださいね。
それでもどうしても、どうしても「生活保護」に対して抵抗があって、ちゅうちょしているうちに体調を崩し、どうにもこうにも身動きが取れなくなってしまった…ということも実際にはあり得ます。そんな場合には、這ってでも病院の玄関まで辿りついてください。最低限の医療処置をした上で、自治体や警察と連絡を取り合いながら何とかしてくれます。身寄りが見つからなければ、このタイミングで生活保護を受給することになります。死に場所も手に入ります。ここまでくれば、本人のメンツも何もないでしょう。つまり、何とかなるのです。

こうして考えてくると、いまの日本で「終の棲家=死に場所」の問題でいちばん選択肢が少ない人たち、それが国民年金だけを拠り所にしている高齢者のみ世帯ということになります。ひとり月額6万円。貯蓄ゼロだったとしても、仮に遠方であれ、独立した子ども世帯があると生活保護の対象にもなりにくい。ほんとキツいはずです。でもこういう層の高齢者はとても多いです。独自の調査によれば、10人中6人はここに入るのではないでしょうか。言葉は悪いですが、現役世代に中途半端に頑張ってしまった人たちがエンディングの問題で困っています。生活保護受給者にも諸事情はあると思いますが、国民年金だけで暮らしている人たちにだって事情はあったはず。厚生年金の平均受給額が月額16万円ですから、それより10万円も支給額が少ない。生活保護だって10万円以上はもらえます(地域や状況により変動)。
不条理を感じますね・・・。こういう人たちにこそ、福祉の予算を分配すべきだと私は強く思います。だからせめて、いつでもなんでも気軽に相談できる窓口を提供していきたい。そんな思いで日々活動をしています。

教訓。最悪、お金がなくても心配ない ⇒ 最後のさいごは生活保護を申請する

いいなと思ったら応援しよう!