シニアビジネス究極の目的
前回の記事まで、シニアビジネスで成功するために必要不可欠な4つの資質、「パーソナリティー(人間的魅力)」・「コミュニケーション(対話力)」・「インテリジェンス(知性と教養)」・「スペシャリティ(専門性)」についてお話ししてきました。
今回は、シニア援助においてもっとも意識しなければならないことに触れておきたいと思います。
シニア援助においてもっとも重要なこと。それは「援助の内容」ではなく、「援助の目的」です。言い換えると、問題を解決すること自体よりも、問題を解決することで何を得るのか・・・というゴールのほうがずっと大切だということです。いつ何時でも、これを忘れることがないように、繰り返し繰り返し意識づけすることが必要です。
で、もったいつけずに言うと、「シニアが自分の人生において、少しでも長く主人公であり続けられるように援助していく」ということです。
いまや100歳以上の人が10万人を超えようかという時代です。金さん銀さんが重宝がられたのは遠い昔の話です。ですが、寿命が延びれば伸びるほど、年齢を重ねれば重ねるほど、私たちは知らず知らずのうちに自分の人生の主人公ではなく、脇役に回されてしまいがちです。
例えば、医療への依存が高まれば、もう医者の言うなりの人生です。医者が主役に躍り出て、本人は自分の人生にもかかわらず、意思決定に制約を受けざるを得なくなります。要介護状態になって車椅子や寝たきりになってしまうと、ケアマネジャーや家族が人生の主導権を握るようになり、本人の意向だけでは物事をきめられなくなってしまいます。認知症になれば、本人がどうしたいのかすら聞いてもらえなくなってしまうことも多々あります。家庭裁判所が選定する成年後見人にをつけられたりすれば、本人の金銭管理を一任せざるを得なくなるだけでなく、家族の収支まで管理されるようになってしまいます。そしてさいごは、葬儀屋が主役となってエンディングセレモニーを仕切るのです。
百寿コンシェルジュのミッションであるシニア援助の基本は、可能な限り、本人の自律を支援することです。自律とは、本人が自ら目標を設定し、それに向かって進んでいくということです。他ならぬ自身の人生を、自分の意思と判断で全うしてもらう。それを大目的として、それを実現するために、さまざまなサポートを提供していくわけです。
ケアマネ任せ、医者任せ、家族任せ、国任せ…。自分の人生の舵取りを、安直に他者任せにしないで済むように、諸々のガイドして差し上げることです。そして、必要があれば、同行してあげたり、代行してあげたり、請け負ってあげたりしながら、実務をこなしていくのです。
目指すは、国にも子にも専門職にも頼りすぎない「クールな老後」(カッコいい老後)です。この自律した生き方こそが、ワンランク上の老後に他ならないと、私は考えています。
そのためには、医療・介護・おカネ・葬儀といった老後の代表的な課題について、知らなきゃ損する情報を、知らなきゃこわい真実を、転ばぬ先の折れない杖を、適宜提供してあげる存在が必要となります。
それが百寿コンシェルジュです。30時間をかけて4つのスキルと意識づけを学んだみなさんが、シニアのワンランク上の老後(生涯主役人生)をサポートする。そして、みなさんも、感謝されながら納得のいく時間と収入を手にすることができる・・・。これが百寿コンシェルジュとクライアントとの基本的な関係なのです。