【終活110番049】不動産譲渡の王道

親が住まなくなった実家を売却する円滑な方法を考えてみましょう。相続のことを考えても、不動産というのは物理的に分割することがむずかしいので、できれば現金化してしまったほうがベターです。住まなくなった家屋や土地を売却せずに放っておけば、子どもたちがメンテナンスする手間もありますし、固定資産税もムダに払い続けなければなりませんからね。

そこで問題になるのは、不動産の世界に疎い素人が、どうすれば無難に不動産を売りさばけるかということです。不動産の売却は、手続きや交渉など、門外漢が全て一人で完結するのは現実的にむずかしいと思います。ですから、必然的に不動産会社を介して売却することになります。ということは、つまり、不動産会社の選定次第で、首尾よく売却できるかどうか(高く売れるかどうか)が決まってきます。

不動産をなるべく高く売却するためには、優良な不動産会社に査定してもらうことが重要です。なぜなら査定結果が、実際の不動産の売却価格に直接的に影響するからです。場合によっては、安く査定されたことで、数百万円単位で損をすることもザラにあるわけです。

では、どうすれば高い価格で査定してもらうことができるのか…。答えは簡単です。複数の不動産会社に査定依頼して、各不動産会社からの査定結果を比較すればいいだけの話です。ちなみに、査定結果にはかなりの開きが出てくるものです。理由は、不動産会社によって会社の「強み」や「得意とするエリア」が異なるためです。ということで、一社だけにしか相談しないと、本当はどこかにいるはずの、理想的な買い手に辿り着けない可能性が高くなってしまいます。

具体的には、インターネットの「不動産一括査定サイト」がお奨めです。これは本当に便利です。自宅のパソコンで当該物件の住所をインプットするだけで、日本全国どこの土地であっても、数日のうちには複数の不動産会社から査定結果が送られてきます。ホント、すごい時代になったものです。これさえあれば、よく駅前にある、ちょっと中に入りづらいような小さな不動産とかは、もうなくてもいいんじゃないかと思ってしまいます。

親と離れた地域で暮らしているお子さんにとって、こんなに心強いサービスはありません。遠方にある田舎の実家など、土地勘もなく、どのような不動産会社に査定を依頼すれば良いかもわからないのが普通ですからね。なお、査定依頼はもちろん無料です。その後は、高値をつけてくれた上位2~3社とメール・電話でやり取りしながら、金額と相性、あとは売却時期の目途で一社に絞っていきます。

親に認知症の症状が出てきたり、入院がちになったり、介護施設を検討しだしたりしたら、早めに準備しておくことをお奨めします。いや。何事もなかったとしても、後期高齢者の年齢にもなったら、財産分割の一環でキチンと考えておくべきでしょう。その上で、実家の売却を託したい子どもに管理を任せてしまったほうが、子どもの側としても、親の老後を支えようという覚悟が定まるものだと思います。

毎年5月下旬に送られてくる固定資産税納税通知書。ここに当該不動産の固定資産税評価額が記載されています。土地の売却相場は、だいたい「固定資産税評価額÷0.7」で予測可能です。その金額を、不動産一括査定で提示された金額と比較してみてください。
なお、ほとんどの場合、家屋は値がつきません。

いいなと思ったら応援しよう!