昭和上司の孤独死急増中!
2015年くらいでしょうか。当時は、自治体を中心に、再任用研修というのがピークでした。定年を迎える人たちが、雇用契約を新たに結んで、さらに一定期間、勤続ができるというものです。100歳まで生きることもめずらしくない今日、年長者にとってはありがたい制度ですよね。
しかし、この制度ゆえに、職場に入ってくる新しい血が減っているという見方もできるわけです。現役世代の間からは、再任用者の扱いづらさについてかなりの不平不満が出ています。その本質は、再任用者が使えないなどというスキルやノウハウに対するものではありません。心構えとか意識の問題なのです。ひと言でいえば横柄。でも年長者だったり、かつての上司だったりするから指摘もしづらいというものです。
実は再任用者側も、こうした現役世代側の受けとめ方に気づいています。ですが、いまさら新人のように振る舞うのも面倒だし、それなりにやってるのがいちばんラクだから、まぁいいか…といった感じで何となく仕事をしている人も多いのです。
でも、これは大間違いです。50代・60代の人でごったがえしているハローワークの実態を知っていれば、この歳になってまで、居場所を与えてもらえることへの感謝を認識してもらわなければ困ります。でないと、若い人たちのパイを奪っているだけの、まさに「人罪」でしかありません。誤解を恐れずに言えば、管理職等の要職に就いていた人たちにこの傾向が強いです。
上司や先輩であった現役時代の一切をリセットして、新人同様に謙虚に職場に恩返ししてもらわなければなりません。まずは勤務態度からです。勘違いしてはいけません。現役世代に対しても、きちんと適切な敬語表現(丁寧語でOK)を使わなければダメです。こうした意識のあり方が整っていないと、いくら職場にとって有用なスキルやノウハウや経験を持っていたとしても、現役世代が話を聴こうという気持ちになれないのです。
それができていない再任用者があまりにも多すぎます。自分の立場がわかっていない。あるいは、わかっていても、意識的に自由気ままに過ごして、お金だけをもらっている…。こういう自覚もデリカシーもない人たちには、おそらく給料を家に入れなくなったら熟年離婚が待っています。はやりの「おひとりさま」となってもプライドだけが高くて地域にも馴染むことができません。挙句の果てが孤独死です。そして、死んでからも警察沙汰となって隣近所に迷惑をかけるのです。
それがイヤだったら、驕り高ぶることなく、自分のほうから現役世代に歩み寄り、心を開いて、役に立てそうなことがないか伺いを立てるべきです。