【終活110番067】STEP2『財産総額と引き継ぐ相手を明確化する』(永遠の親子愛で紡ぐ魔法の終活)

相続の基本は、財産と相続人とのマッチングです。まずは、すべての財産を現金換算して、それを誰に対していくらずつ引き継ぐのかを決めることです。だから、土地、家屋、証券類、ゴルフ会員権、高級車、高額装飾品、高額美術品等については、毎年一回は、時価換算することを習慣化しましょう。で、すべてを現金換算したらいくらになるのか。これを算出してください。

つぎに、そのおカネをバトンタッチする相手の顔ぶれを決めていきます。ふつうは相続権を持つ子どもたちになるのでしょうが、よぉく考えてみてください。相続権はないけれど、おカネを残してあげたい誰かがほかにいませんか?お孫さんは?子どもの配偶者は?愛人とか、かつての恋人は?寄付したい団体等は?一切の制約を取っ払って、築いてきた財産を本当に残してあげたい相手をピックアップするようにしましょう。

そして、いよいよ、そのおカネを誰にいくらずつ分配するのか。現時点での気持ちで決めてください。子どもたちに対する思いも流動的に変化するでしょうから、年に一回は、配分を見直すようにします。例えば、主な財産を現金換算したら1億円になったとします。おカネを渡したい相手は、3人の子どもたち(ABC)と、4人の孫たち(DEFG)、そして、配偶者亡き後につきあいはじめた恋人(H)。合計8人です。

A:1,500万円、B:2,500万円、C:2,000万円、D:1,000万円
E: 750万円、F: 750万円、G: 500万円、H:1,000万円

ここまで決まったら、財産のうち、現金以外のモノを、順次、現金化していきます。特に、株については、親が死んだ後に子どもたちが相続しようとすると超超面倒くさい手続きをしなければなりません。頃合いを見て、多少損をしたとしても売却してしまうようにしましょう。あと、見落としがちなのが定期預金。これも認知症になる前に解約して、普通預金に振り替えてしまうように。

続いて、子どもたちそれぞれに老後サポートの具体的作業内容を紐づけしていきます。ちなみに、孫に対しては、学費・生活費・結婚資金・住宅購入費用等の目的で、贈与税非課税の範囲で贈与することになります。恋人に対しては、会うたびにちょっとずつお小遣いを手渡していくのが無難だと思います。

3人の子どもについては、例えば、Aには実家の売却を、Bには葬儀や祭祀関連の実務を、Cには医療や介護関連の実務と日常的な生活支援を…といった具合に役割を設定して、おカネと老後支援のギブ・アンド・テイクの構図を作るようにしてください。

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