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頑張っているのに、なぜか売れない

 朝礼を終えて、急いで訪問準備に取り掛かる。今日訪問予定のお客様向け資料は昨日のうちに準備はできていた。

 再度、それを再確認して 「よし、行こう!」

 予約した営業車が停まっている駐車場に駆け足で向かった。

 梅雨入りし、今日も朝からパラパラと雨が降っていて、すでにかなり蒸している。

 「今日も蒸し暑い1日になりそうだ」。

 勢いよく出かけたものの、転職して2年目になるが、実はまだ1件も注文を取っれていない。内心ではかなり焦っている。

 「こんなに頑張っているのに、どうして注文がもらえないのだろう」
 「そもそも営業に向いていないのかもしれないな・・・」
 「そろそろ潮時か...、やめようかな・・・」

 ぼんやりそんなことを考えながら、予定の訪問先に営業車を走らせた。

 僕は、中途入社2年目になる鶴井 真琴、26歳、男性。
 前職は中小企業の家電メーカーで勤務していた。

 決められた顧客に定期的に訪問して、商品在庫が少なくなってきたときに、在庫補充のための追加注文をもらうことをメインとする営業に従事していた。 

 しかし、残業で毎日午前さま。2万円ほどの営業手当は支給されていたが、残業代は一切支給されなかった。 営業手当は残業対価としてはあきらかに少額、きちんと残業代を払ってくれる企業に転職したいと常々考えていた。

 それに自分の自由な時間ももっと欲しかったので、今のこの会社に転職したのだ。 それなのに転職してからというものまるで成果が伴わない。前職と同じようにやっているのだが、一向に注文を取ることができないでいたのだ。 

 一体なぜなんだろうか?

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