TikTokのライバル「快手(Kuaishou)」が米国市場に参入。新アプリ「Zynn」がApp Storeで1位に
今週、アメリカのApp Storeではある異変が起きていたようです。
コロナ禍でZoomやTikTokといった人気アプリが上位を支配していた中、突如として「Zynn」というアプリが週間1位に出現したそう。
このZynnというアプリ、実はTikTokのライバルである中国ショートビデオ「快手(Kuaishou)」が投入したUS版サービスみたいです。
ZynnはTikTokやKuaishouと同じショートビデオアプリで、機能的にはほとんど同じ。15秒程度の動画を撮影・加工してシェアできるプラットフォームです。
差別化ポイントとして、Zynnは積極的なリワードばらまき戦略に打って出ている模様。
視聴に応じて1ドルがプレゼントされたり、友だち招待で付与されたポイントをAmazonギフトカードに交換たりできるようです。
Zynnはローンチから2週間しか経っていませんが、ライバルたちをぶち抜いて全体ランキングでトップに躍り出てしまいました。
中国企業「Kuaishou」は2011年に創業され、もともとはGIFアニメ制作アプリとして始まりました。翌年からショートビデオアプリにシフトして人気が爆発。南米など海外でも「Kwai」の名称で一定の支持を得ているようです。
しかし、2018年Douyin(TikTok中国版)が登場してからは競争が激化。
(Trustdata 2020年Q1中国移动互联网行业发展分析报告)
Trustdataによる最新データでは、中国ショートビデオ市場はDouyinがDAU5億人弱でトップ。Kuaishouが3億人弱で2番手となっています。
TikTokは世界各地で人気が爆発しており、2020年1Qには全世界で3.15億DLを記録。累計で20億DLを突破しました。
アメリカも例外ではなく、Lil Nas Xの「Old Town Road」がTikTokでバズったことをきっかけに大ヒットするなど、いまや最新ブームを生み出すプラットフォームに成長しています。
劣勢にも見えるKuaishouですが、バックには中国テック巨人Tencentがついています。
2019年末にはプレIPOラウンドでTencentを含む複数の投資家から30億ドルを調達。評価額は286億ドルに上昇したといいます。
世界のSNS市場はグループ全体でMAU30億人を抱えるFacebookの独壇場と思いきや、ここにきて中国発のTikTokやZynnが台頭。少しずつ風向きが変わってきたのかもしれません。