フィンテックユニコーン「Carta」が未公開企業の株式取引プラットフォーム開設を計画
ユニコーン企業「Carta」が未公開企業の株式取引プラットフォーム開設を計画しているようです。
Financial Timesによると、「Carta」のCEOであるHenry Ward氏が株式取引プラットフォーム「CartaX」を今夏に開設することを計画しているようです。まずは自社の株式を売りに出すとのこと。
CartaはWard氏が2012年にシリコンバレーで創業。未公開企業の資本政策プランニングツールをSaaSで提供しています。ストックオプション行使時に必要な書類作成や、トランスファーエージェント(transfer agent, 名義書換代行業務)機能も搭載。
顧客にはSlackやRobinhood、Flexport等の名だたるスタートアップがいます。
4月には2億ドルを調達し、評価額が30億ドルに上昇したと言われています。
「CartaX」に上場する条件は3つ挙げられています。
・評価額10億ドル以上
・財務報告
・少なくとも5,000万ドル相当の株式売出し
Ward氏によれば15社、投資家40機関から問い合わせがあったとのこと。Carta自身もIPOではなくCartaXでのExitを予定しているようです。
Nasdaqは2015年に未上場株の二次流通市場SecodMarketを買収。昨年には合計48億ドルが取引されたそうです。
近年はスタートアップの資金調達額が増加し、非上場期間も長期化。株主のためにExitの流動性を提供するニーズが高まっています。
IPOは公募によって株式が希薄化、手続きに多額の費用がかかる、ロックアップ期間が発生して現金化まで時間を要する、金融機関には公開価格を押し下げるインセンティブがあること等がデメリットとして挙げられます。
最近ではSpotifyやSlackが新株を発行しない「直接上場」を実施するなど、資金調達の必要がないほどキャッシュを保有するユニコーン企業がExit手段を模索する傾向が強まっているように思います。
(Off Topicさんのポッドキャストにおける解説がわかりやすかったです)
Ward氏は“If CartaX wins, in 10 years there won’t be a NYSE or a Nasdaq,”と野望を語っています。
今後は二次流通市場の拡大によってIPOを選択しないスタートアップも増えてくるのかもしれません。
まだまだ勉強不足なので理解が誤っている部分があるかもしれませんが、ご了承ください。勉強します。