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アメリカの個人書店、実は9年連続で増えている

NIKKEI STYLEでユニークな個人書店を紹介する記事が掲載されました。

出版不況が叫ばれて久しい中、小さな書店が次々と生まれている状況を特集しています。

代表的な存在として冒頭に登場するのは、よくTakramさんが紹介されている「森岡書店」さんです。

本屋といえばズラッと並んだ本棚に新書が敷き詰められているのが当たり前の光景だと思いますが、森岡書店さんが取り扱うのは"1冊"だけ。店長さんがチョイスした思いの強い1冊を週代わりで紹介するスタイルです。

Takramさんが繰り返し紹介されているとおり、Amazonの登場で書籍がECサイトから誰でも手軽に買えるようになったいま、本屋という空間において意味のイノベーションを体現した好例だと思います。

森岡書店さんの他にユニークな書店として、世田谷「スノウショベリング」さん、吉祥寺「ブックマンション」さん、国分寺の本屋兼カフェ「胡桃堂」さんが紹介されています。

アメリカの個人書店は9年連続で増加中

記事内ではアメリカの書店事情に触れられています。全米書店協会(American Booksellers Association)によると、なんと個人書店は増加傾向にあるそうです。

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(HBS: Reinventing Retail: The Novel Resurgence of Independent Bookstores)

独立資本の書店数(Independent Bookstore)は金融危機後の2009年に過去最低の1,651店まで減少しましたが、2018年には2,470店まで回復。ここ9年で49%も増加しました。

今年1月の発表では2019年もABA会員の111店がオープンし、2018年よりも増えたと報告されています。

バーンズ&ノーブルを筆頭とした巨大書店チェーンの増加によって個人書店は劣勢に。そのB&NがAmazonに食われた(2019年8月にヘッジファンド「Eliott Advisors」へ6.83億ドルで身売り)ことから書店は総崩れしている印象でしたが、アメリカでは個人書店が勢いを取り戻しているようです。

Forbesの記事では、今回の日経記事でもテーマとなっている「コミュニティ」や「キュレーションの質」といった点をポイントとして挙げています。

紙の本が大好きな自分としては、将来的に何かしらテキスト産業を活性化するような仕事をしてみたいなあと思ったりもしています。

現在の情勢下で事業環境は大きく変わってしまいましたが、娯楽としての本探しという領域に伸び代があることを示しているなと。ここをオンライン化できていないので、何かアイディア考えてみたいです。


その他、Amazon×本関連の参考記事です。

Amazon has 50% or more of the US print book market, and at least three quarters of publishers’ ebook sales (it also has its own ebook publishing business, for which it has never disclosed any data).

f Amazon was still ONLY doing books, and it had even 90% of the US consumer print book market, that is still only 0.2% of US retail.


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