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ロシアが金購入を4月1日から停止、保有量は世界5位
ロシア、金購入を4月1日から停止-世界最大の買い手
ロシア中央銀行は3月30日、金の購入を4月1日から停止すると発表。ロシアはこの5年間、金購入に400億ドル(約4.3兆円)を投じてきたとのこと。
金はロシア外貨準備の約20%を占め、これは過去の水準や他国中銀と比較すると高い。
ロシアが近年で世界最大の買い手となっていることを初めて知った。
参考:
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-31/Q81C89DWX2PU01?srnd=cojp-v2
Gold reserves of largest gold holding countries worldwide as of the December 2019
金の保有量、世界1位はアメリカ。2019年12月時点で2位ドイツの2.4倍となる8,134トンを有し、シェアは74.5%に及ぶ。
件のロシアは2,271トンで5位。日本は8位(765トン)。
なお、保有率6位の中国は生産量で1位、オーストラリアが2位で、ロシアが3位。賦存量(mine reserves of gold)ではオーストラリアがトップ。
参考:
https://www.statista.com/statistics/267998/countries-with-the-largest-gold-reserves/
金相場は1オンス1,618ドル
4月3日時点の金相場は1オンス1,618.13ドル。
新型コロナウイルスをきっかけに金融市場で不安が広がる中で、金相場が7年ぶりの高値付近にあり、安全資産として世界の投資家からの需要が高まっている。Flight to quality。
Bloombergはロシア勢が売却を目指している可能性もあると指摘。
参考:
https://goldprice.org/ja/gold-price-chart.html
「ゴールドトラップ」 なぜ世界中で金の購入が加速しているのか?
ここ数年でロシアの金購入量は世界最大級。
<金購入の目的>
ロシアにとって…通貨と制裁のリスクを中和する試み
他国の中央銀行…起こりうる経済危機に対する保険として
ワールド・ゴールド・カウンシルは、中国やロシアなどの金を積極的に購入している国々が世界経済に「ゴールドトラップ」を作りだしていると懸念を表明した。
金保有量の増加は、金が主要な決済単位の地位を取り戻し、金価格が高騰することにつながる。通貨の下落は債務市場の崩壊を引き起こし、その結果、世界経済全体の崩壊を引き起こす。
米国債への投資の減少と連動している。
2019年7月、ロシアのプーチン大統領は、法人だけでなく、個人に対しても、「金地金を購入した際に課される20%の付加価値税を廃止」する法律に署名した。
ロシアではドルに変わる貯蓄手段を作る必要性が生じており、金がそのような手段になる可能性があるという狙いがあるとされる。