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富士S・雑感

 マイル女王ソングラインが米BCマイルの参戦が正式発表となり、混戦に拍車かかったマイル戦線、その女王の後塵を拝した実績馬たち、その他気鋭たちが睨む、秋の「淀一哩大戦」、富士の映え、西日の陽光を背に受けた12頭

 1番ユニコーンライオンが九分九厘先手という大方の予想で幕開け、というシナリオを覆し、大外から3歳馬ダノンタッチダウンの逃げ、やはり「策士」横山典弘、出端をくじいたアドリブ、2番手にユニコーンライオンと長期ブランクから復帰のステラヴェローチェ、その後ろに2番人気の上り馬エターナルタイムと3番人気イルーシヴパンサー、1番人気ナミュールと実績馬レッドモンレーヴは後方に構え末を溜める

 前半600㍍34秒フラット、思いのほかペースは流れる、隊列そのままで直線、変わらずダノンタッチダウンが先頭、その後ろで手応え楽なエターナルタイム、隣のイルーシヴパンサーはやや渋い反応、後続はナミュールとレッドモンレーヴが馬なりで虎視眈々、ジャスティンスカイは失速、残り300㍍で仕掛けられた瞬速の黄色帽、ナミュールとジョアン・モレイラ、春2戦は直線の不利に泣き大敗、不完全の春の雪辱を期した秋初戦、彼女らしい末脚が戻った、これを目掛けた追撃のレッドモンレーヴ、2走前で重賞初制覇を果たし、安田記念6着、残り200㍍で2頭の椅子争いに、3番手以降は混戦のなかソーヴァリアントが優勢の伸びを見せるが、エターナルとイルーシヴ、さらにマテンロウオリオンも加わる

 ナミュールとレッドモンレーヴの頂巡りは、牝馬ナミュールが久々の美酒、左回りの哩は本領の舞台と改めて証明、次走のマイルCSは課題の右回りが舞台、瞬発は一級、大望は修正のひと月に懸かっている
 レッドモンレーヴも春の力を証明、大崩れがなくなってきた、決め手比べの展開なら本番の次走も、という期待を抱かせる内容、後続には2馬身半つけたが相手が悪かった

 3着はソーヴァリアント、初マイルで崩れなかったのは収穫、東京だと決め手がひと息、本来は直線短い中山向き、選択肢は広がる内容、イルーシヴパンサーは本来は決め手を生かすタイプ、位置取りが前だとやはり甘くなるが、地力は見せた4着、エターナルタイムはラスト1ハロンで甘くなった、前走は1400㍍での勝利を見ると、マイルだと現時点では「一工夫」が必要か、布石の重賞挑戦は6着、マイル自体は守備範囲、まだキャリア8戦で伸びしろは多大、素材は間違いなく一線級の域

 富士の頂の遍路を辿り、「淀の哩」へ、女王ソングラインは遅くとも来年3月で引退の時を迎える、今年、そして来年の「哩王」への物語、幕開け前のシナリオ作りは刻々と進んでいる

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