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「恋人ごっこ」マカロニえんぴつ

お外で手をつなぐ、ショッピングをする、ファミレスのおかずを分け合う。キスをする、抱きしめる、セックスをする、お風呂上がり一緒にコンビニに行く、パピコを分け合う
でも僕たちは恋人ではない。セフレなんて言わないで。恋人ごっこだから。
僕達に始まりの儀式はない。好きなときに一緒にいて、クリスマスだって一緒に過ごしたよね。彼氏が仕事なんだってね、分かってるさ。だとしてもさ。ああ、これが本気になったら負けってやつなのか。
クリスマス彼女と過ごさない君の彼氏は 僕とは違ってみんなが振り向いてしまうような車に改造しちゃってるだろうし、年中サングラスに半袖半パンなんだろうな。そんな事を隣ですやすやしている君を見て思う。
飲んだ帰りに一駅歩きたいと駄々をこねる君。30分も歩けるの?と聞くも怖いもの知らずな君は僕を無視して、にこにこと手前の駅で降りる。言ったのに あと10分ってとこで「もう限界ー」と僕の肩に手を伸ばしてきたのは想定内。嬉しさがにじみ出ないように僕は君を介抱する。遅くまで起きれない君は夜より朝のが似合うよ。缶ビールより、朝のカフェに行こうよ。そのあと美術館に行って、お昼は君の作ったサンドイッチが食べたい。

ねえ、君は本当に彼氏が好きなのかい。自分の気持ちに素直になりなよって君が僕に教えてくれたんじゃないか。お陰で僕は一人ぼっちになったし一方通行だよ。
次はいつ彼氏とけんかするの。また愚痴を聞くよ。桜木町駅は悲しいとこなんかじゃないよ。また僕が観覧車に連れて行くよ。

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