女川のコロッケ
青春18きっぷ旅3日目。
今日はおばと一緒に
震災で被害の大きかった石巻市に向かう仙石線沿いを。
仙台は朝から雪がちらほら。昼までずっと降っていました。
昼前に仙台駅発。
仙石線の乗り場は改札を出て3、4分はかかる。
改札を出て、一番奥まで歩き、長い長いエレベーターを下る。
どうやら今までの仙石線の線路は、電車による踏切渋滞で車通勤がラッシュでてんやわんやだったようだ。
そのため、仙石線は仙台発の時最初は地下から発車し、混む道を過ぎたら地上に出る仕組みになっているのだそうだ。
ホームでは先頭で並んでいた。
結構な人でにぎわっていた。
ここは仙台、みんなどこに行くんだろうと思いながら電車に揺られていると、結構ぎゅうぎゅうだった電車内が「中野栄駅」でほぼみんな降りた。
正しく言うと、若者ほぼ全員降りた。
アウトレットでもあるのかと思ったらその通りだった。
石巻に到着し下車。
石ノ森章太郎氏の漫画のPRがすごかったが世代ではないのでよく分からなかった。
どうやら最初の仮面ライダーを書いた人らしい。
駅を出ると商店街がずらっと並んでいた。居酒屋に続き、お店が並んでいた。にぎわうほど、というか人は全然いなかった。
石ノ森氏の主張はどこまでも強めだった。
石ノ森漫画館の手前に道の駅のような、地元の産物が売られていたり
海鮮が食べられる施設があったのでそこに向かって歩いた。
昼時ではあったがあまりお腹のすいていない私たちだがなんとなく口が寂しいと思っていたところ、可愛らしいパン屋を見つけた。
わたしはおいもパンを、おばはメロンパンを買った。
メロンパンは昔に作られたままの作り方です、と説明が書かれていた。
メロンパン代表のざくざく砂糖やあの模様がなく、昔はこれが主流なのかと思い購入。
会計の時店主のおばあちゃんにこれから行くところのルートを教わる。
おばあちゃんは説明も分かりやすいし、非常に分かりやすい地図を持っていたので、ラッキーと思っていた。
商店街を歩きながら二人で半分こずつし食べる。
おいもパンはそのまんまで甘いおいもが入っていて、
昔ながらのメロンパンはもはやクリームパンだった。
なんとなくメロン風味のするクリームが入っているクリームパン。
クリームパンに改名しても良いと思う。
歩いていたら反対側にお肉屋さんが見えた。
天才な私は、帰りはそっち側を歩いてコロッケ買って帰ろうと提案したのだ。
喜ぶおば。
甘いものを食べたらしょっぱいものが食べたくなるのは人間のルール
ナイス肉屋。
完全にコロッケ口になりながら海鮮市場に着く。
もちろんコロッケ口なので海鮮はあまり魅力的に感じなかった
そのまま近くの石ノ森漫画館へ。
650円ぐらいの入館料で、人はちらほらいた。
私はこういう展示は隅々までじっくり見たい派なのだが、あと30分ほどで駅に向かはなくては行けないのに躊躇なく入館した時点で
おばはさらっと見るのだなと思ったら、本当に、いや想像以上に絵や写真を流れるように見て退館して笑った。
そして方向音痴のおばに帰り路反対方向を案内されかけたのできちんと修正した。(笑)
石巻駅までは往路と反対車線を歩き、まだかまだかと精肉店を目指す。
見つけた!どれどれ・・・と外からじろじろとコロッケがないかと見るもなく、店内にも入らず諦め、がっかりした。
でもこの先女川に行く予定で、楽しみがあったため、しゃーない!と歩き進めた。
そしたらまた精肉店に出会う。
コロッケという文字があったため入店し、店主のおじいさんにあるか伺うと
「もうないのよ~、売り切れ。クリスマスでみんな買ってった」と。
がーーーん。
そうか今日明日はクリスマス。
食べられないのは残念だったけど、売り切れるほど人気で、町に愛されてるんだと知れるとなんだか温かい気持ちになった。
石巻から女川へ向かう。
途中より海沿いを走りホーム1つの女川へ。
私たちが降りた電車は数分後石巻方面へ折り返す。
ホームを出ると
海鮮やカフェ、ピザ、ダンボルギーニなどの商業施設が並ぶ。
コロッケを探すもない
なぜなら、帰りの電車は25分だからだ。おばが教えてくれ、人任せの私ははーいと施設をまわる。
そろそろと駅のホームに向かうもなんだか静かな駅
時刻表を見ると1時間見間違えていたことに気が付く。
発車時刻15時25分のつもりでいたが、16時25分だったのだ。
あと1時間か、まあゆっくり散歩するか。
というか仙台18時に着くのは遅いね~!って話してた電車に乗るんやん!
とネタにしようとしたところ
横で青ざめ、大パニックになるおば。
ごめん!どうしよう、仙台着くの遅くなる
時間聞いたのに・・・
時間を気にしていたためよりショックが大きい
そんな顔を見たら、そりゃそうだよな、往路で終点だったんだから、その電車が折り返すだけだもんな。10分後には帰りの電車になるよな。
どうりで電車に乗る人がいたわけだ・・・などと記憶を遡ったりする。
石巻まで行けば電車の本数が増えるのでは、と私たちなりに閃きタクシーに乗る
心配になった私はタクシーの中で時刻を調べるも、どうやらタクシーで行っても、女川1時間後の電車に乗っても仙台着く時間は変わらない。
おばに伝えると
・・・降りるが。と(笑)
ね。そうしよう、女川もう少しぶらりしようと
3キロほどタクシーを走らせるも途中下車し駅へ戻る。
電車には十分間に合う時間だが
おばはずんずん急ぎ足で歩く
おばはもともとせっかちでこれが通常営業
私からしたら怒ってるようにしか見えない
「ねえねえ、電車時間まだ大丈夫だよ。ゆっくり歩こう。」
「ごめんごめん。」
ゆっくり歩くも不穏な空気はなんとなくぬぐえない
1件の小さなお店を発見
よく見ると精肉店である。
忘れかけていたが私たちはずっとコロッケ口だったのだ。
これが最後のチャンスだとお店を覗く
数多くの種類のコロッケが並んでいる
おばとやったー!とハイタッチしコロッケを買う
無事にお会計を済ませ、思わず笑みがこぼれる。
おばからコロッケを受け取る。あれと思うが、口にはせず歩き始める。
ゆっくり女川の景色を眺める
駅近くにたどり着き、駅からすぐそばの図書館によって少し休憩がてら本を楽しみ、きちんと時刻前に図書館を出、駅のホームへ。
(ちゃんと駅員さんが立っている)
外はぐんと冷えており多くの人が待合室で待っている
電車が来たので乗り、間に合ったことに安心しうとうとする
石巻に着いたがなかなか人が降りなかったり、電車も出発しない
往路で石巻で乗り換えをしていたためおばを起こし、慌てて電車から降りる
でもどうやらその電車は往路とは異なるが仙台行の電車だったので、それに気づきまたもや戻る。二人してはちゃめちゃ。
そしてコロッケを食べる。
覚えているだろうか、買ったとき、ん、と思ったことを。
うん。
冷えているのだ。(最初から)
あなたは冷めたコロッケを食べたことはあるだろうか。
なんていうか、箸で食べるならまあ、お弁当のコロッケが冷めているならまあ。私は今コロッケ単体を包みから少し顔を出し頬張っているのだ。
おばは大人なので「さくさくだね」などというが私はうまく相槌を打てていただろうか。笑えていただろうか。
コロッケは温かくなくきゃおいしくない!!!!!
無事におば宅の最寄り駅まで着き、おばの旦那さんの車でお家へ。
疲れながらも今日の出来事を旦那さんに話すおばを見てると夫婦って温かいなと思ったり。でも現実は凍えるぐらい寒かったり、そうでなかったりして。
速攻お風呂に入り、ご飯を食べ、みんな21時前にはおやすみ。
夕飯、もう一個のコロッケを温めて食べました。
ほんの少し虚しかったりしました。
冷えたコロッケ
もういいかな。