Lesson1:呼吸
大学で演劇に触れ始めた頃、先輩に質問した。
「舞台上で一番大切にしていることは何ですか?」
僕は、声の出し方とか動きとか、そういった答えが返ってくると思っていた。
「呼吸かな」
・・・
意外な答えにきょとんとした。
先輩は続ける。
「人って呼吸してないと死んじゃうじゃん。だから、舞台にいる人が呼吸を止めてると、観ている人も緊張しちゃうんだよね」
なるほど・・・。
僕はそれ以来、いろいろな場面で、自分は呼吸をしているか、身体は柔らかい状態にあるか、を意識するようになった。
先輩からのLesson1は、人生に響くかけがえのないレッスンになった。