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強みをプロデュースする

【苦情処理と認知症ケア】

マニラに台風が近づいてきているようです。今日はZoomセミナーがなくてよかったとホッとしています。

オンラインでプレゼンをする時、常に気に掛かるのがネット環境。パソコンに向かって話をしていて、<インターネットが不安定です>という表示が出ると、画面の向こう側の人たちに私の言葉が届いているかどうかわからず、不安になります。

何度か経験を重ねていくと、<インターネットが不安定です>という表示が出ても、ビデオは止まっているものの、声は届いていることが分かってきましたので、最近は気にせず続けています。

大手通信会社は、コロナ禍で従業員の多くがリモートワークというのを理由に、サービスの低下が著しいです。不動産会社でも働いている私のところにも、ネット環境の不具合について、日本人入居者から苦情がきます。

なぜ不動産会社の私に、通信会社の不具合の苦情が来るのか、疑問に思われるかもしれません。なんてことはない、入居の際に、〝サービス〟としてインターネットの申し込みを代行しているためです。

無料サービスですので、費用は一切頂いていません。申し込み手続きが煩雑なので、フィリピン事情がまだよくわからないお客さんの代わりに申し込みを行うと、通信会社の苦情が私のところに来るのです。

初期のころは、理不尽な苦情に心を乱されてきましたが、認知症ケアと同じように、インターネットが使えず不便を被っているお客さんの気持ちに寄り添うように、苦情を聞き続け、受け止めるようにしています。

このような苦情処理を長年続けながら、間接的に〝ケア(気に掛けること)〟を磨いてきました。苦情処理、めっちゃ得意ですよ!

【双方向の視点が大切】

お客さんの苦情でよく言われる常套句が、〝日本だったらこんなことあり得ませんよ(怒)!!〟です。

〝いやいや、ここは日本じゃなくてフィリピンですから、前提条件が間違ってますよぉ😉〟なんてことを言ってしまったら、火に油を注ぐことになりますので、黙って受け止めています。

インフラなどの不具合は確かにあります。しかし、恩恵も多くあります。メイドさんが一日1000円程度で、掃除洗濯アイロン掛けと、やってくれるんですよ。フルーツも美味しいし。

そんな感じで、その国の良い面、悪い面をトータルで考えて、感情のコントロールができる人は、何処の国に行ってもうまく生活できると思います。

これは、外国人介護人材についても同じことが言えます。彼らの強みと弱みをトータルで考えて、どうマネジメントしたら組織にとってプラスにはたらくか、一方通行だけの視点ではなく、双方向の視点が大切になるかと思います。

【異文化理解力を身につけて、強みをプロデュースする】

さて、新しい取り組みとして始めた、介護技術解説動画の英語吹替プロジェクト、ですが、この週末から変化が起こってきています。

サブタイトルを付けた動画の英語吹替え作業を、私から生徒に依頼をしていた流れから、生徒から私に〝やりたい〟という声が集まってきました。

それに伴って、今までリーチできなかった生徒たちもぞくぞくと〝介護の英語クラス〟のグループチャットに加わってきています。とても良い流れになってきました。

本来なら、特定の生徒に限定して、英語吹替作業を進めたほうが効率的なのですが、このプロジェクトの目的1つに、生徒のモチベーションを上げること、が含まれています。

コロナでいつ来日できるかわから生徒達のフラストレーションを少しでも解消させるべく、生徒達の強みにフィーチャーしようと思い、取り組んでいます。

異文化理解力のセミナーでも強調していますが、フィリピン人の強みは、〝語学〟〝エンタメ〟〝プレゼンテーション〟です。

英語の吹替え作業は、彼らの語学力とプレゼン力を発揮する機会になります。そして、エンドロールに彼らの写真を加えることで、彼らの作品としてフィーチャーします。

動画に使う写真も、生徒達から複数送られてきていて、その中から私が選んで使っています。このあたりのエンタメ力も高いなと感心します。

例えば、介護現場で働く日本人に、〝動画の吹替えを行うので、声優をやってください、最後に声優としてあなたの写真も使わせてください〟とお願いしたら、どれくらいの人が〝OK〟と言ってくれるでしょうか?ちなみに、フィリピンの生徒達に依頼して、今のところOK率〝100%〟です。

これこそが、異文化理解力を身に付けて、外国人の強みをプロデュースする、活きた事例です。

彼らの強みを活かすためにも、日本人の私は、緻密な動画作成作業と、水面下での関係者との根回し活動をせっせと行っているのです。

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