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出会いの確率

自分が理想とするパートナーと出会う確率は?

 周りにいる友人達と久しぶりに会って近況報告をし合う中、大抵独身者が一人でもいると話題の一つとして挙がるのが恋愛事情。

「彼女・彼氏できた?」

「良い人周りにいないの?」

「気になる人は?好みのタイプってどんな人?」

 誰しもが一回はこんな会話に遭遇したことがあるはずで、筆者もこういう話は非常に好きでたまらず、率先して身を乗り出す類である。

 今回の投稿で焦点を当てたいのは、上記のシチュエーションで質問を受ける女性が理想のパートナーに出会う確率について考えてみたい。

 というのも、個人的なバイアスではあるが、最近自分の周りで魅力のある素敵な女性達がパートナー探しになぜこんなに苦労しているんだろう?と感じる機会が多いからである。

 但し、上記は感覚値ではあるものの、あながち的外れでもないように思う。女性が理想のパートナーに出会う確率を推計するに先立って、まず女性が男性よりもパートナー探しに苦労する点に関して考察してみたい。

【女性がパートナー探しに苦労する理由】
 女性の方が男性よりもパートナー探しに苦労する理由は、端的に言うと、パートナーに求めるファクターの量の多さ、及び質の高さにあると感じる。

 まず、パートナーに求めるファクターは女性によって様々だが、概してに挙がるのは、年齢、顔、身長、年収などである。例えば、30代の女性であれば、年齢は30代、身長は175以上やせ型が理想(最低自分より高くデブではない)、年収は理想1,000万以上(現実的には二人で生活できるだけの安定した年収)、顔は〇〇みたいな顔、といった感じである。

 他方で男性の場合、日本では未だ男性側の収入を軸にする世帯が多いため、女性側に対して年収を求めるファクターに挙げる男性は少ない。また、身長についても男性の場合(相手がどう思うは別にして)自分よりも小さければ良いという人が多いため、日本の平均身長を踏まえれば男性が身長というファクターで苦労することは少ない(身長の低い男性がいるのは事実だが、平均身長で考えると比較的少数派といえる)。
 上述が、女性が男性に比べてパートナーに求めるファクターの数が多いと考える理由である。

 次に、パートナーに求めるファクターの質について論じたい。上述で挙げたファクターのうち、年齢を例にとると、女性側は比較的自分の同年代以上を求めるのに対し(これは女性の方が精神年齢が高い、頼りたい・リードしてもらいたいといった理由に起因するのかもしれない)。そのため、30歳の女性であれば30代(30代後半くらいまで等)の男性を条件に挙げることが多く、この場合対象になる年代は7~8年となる。
 他方で30歳の男性の場合、同年代から下の世代が対象になることが多いものの、年上の女性(これも相手がどう思うかは別にして)も3-4歳、場合によっては5-6歳上でも構わない、という輩が多い印象を受ける。この場合、年下は大卒以上で年上は5歳以上を許容範囲と仮定すると、対象になる年代は14年となり、女性よりも対象は倍近くにあると言える。年収というファクターを仮に男性側でも挙げたとしても、男性側が女性に一生働いてもらう・年収はいくら以上と前提に置くことは稀である(大抵、子供ができるまでは共働きで、子供ができたら専業主婦として家庭を預かって頂くか、育休制度を活用して余力があれば復職して頂くことを想定している男性が多いのではないか?)。これが、女性が男性に比べてパートナーに求めるファクターの質が高いと考える理由である。

【女性が理想とするパートナーに出会う確率は?】
 上記を踏まえて、30歳の女性が理想のパートナーに出会う確率をざっくりと推計してみたい。

 女性がパートナーに求めるファクターを、年齢、身長、顔、性格、年収に絞った場合(やせ型・筋肉質といった体形や趣味等は無視)、理想とするパートナーの総数は以下の計算式で表される。

 理想のパートナー総数=年齢×身長×顔×性格×年収×未既婚×彼女有無

 まず、年齢対象は30代と仮定し、一世代130万人とすると男女比50:50とすると130万人×50%×10世代=650万人となる。
 次に身長は、170cm以上(日本の男性の平均身長)とし身長の分布が綺麗な山型を描くと単純化すると50%が対象となる。
 顔と性格は定量化しにくいうえ個人によって千差万別であるため難しいが、付き合うとなると顔は生理的にちょっとピンとこない、という方が3割いる(7割方OK)と仮定し、性格はこの人サイコパス過ぎて人間的に終わっている、DVの毛がある、女遊びが激しい、趣味が特殊等、諸々性格が合わない人も3割いる(7割方OK)と仮定する。
 年収は、TV番組等で理想の年収として挙がるきりの良い数字1,000万円以上とすると、男女含めた日本の労働者に占める年収1,000万円以上は4.2%(国税庁の民間企業じ実態調査より)、40代・50代の方がより多く稼いでいると考えると30代に限った場合は1.5%程度と仮定する。
 未既婚は、内閣府が2015年に発表している男性の未婚率が47%(30-34歳)、35%(35-39歳)を引用し、30代の未婚率を(47%+35%)×50%=41%と仮定。
 最後に彼女有無については、30代の男性で女性側から見て外見・性格の条件をクリアしているとすると、競争率も高くフリーの方も少なくなっていると考えられるため、7割は既に彼女がいるとするとフリー率は30%となる。

 上記のファクターを掛け合わせた結果として、

パートナー候補=650万人×50%×70%×70%×1.5%×41%×30%=2,938人

 3,000人弱のパートナー候補しかいないという事になる。これを出会う確率論に落とし込むと、単純に650万人の男性の中の3,000人=0.3万人とすると、0.05%の割合となり、かなり驚異的な数値と言える。
 但し、年収を1,000万円以上とかなりハードルを上げてはいるので、年収500万円以上にした場合は48,966人(30代の年収500万円以上の割合が30%とした場合)、割合は0.75%年収を700万円以上にした場合は13,710人(30代の年収700万円以上の割合を7%とした場合)、割合は0.2%となる。
 年収のファクターが一番影響を与えるので、仮に年収というファクターを無視(パートナーの年収を気にしない、無給でも良い)した場合、パートナー候補者は19.6万人、それでも割合は3%程度になることが分かる。

 無論、類は友を呼ぶではないが、比較的給与水準に近い人と知り合う(例えば、ある企業に勤めればそこで知り合いは増えるが給与水準も似る)事が多いとしたとしても、他のファクターによって存在するパートナー候補の割合は3%程度に絞られるので、フェイスブックで100人の友達と繋がっている方の場合、100人×50%(男女比)×3%=1~2人程度しかパートナー候補がいない、ということになる。

 上記は一見、非現実的な数値にみえるかもしれないが、高収入に囲まれている丸の内のOLさんやキャリアウーマンの方からすると、相手に求める年収1,000万円以上という条件は非現実的なラインではなく、現実社会で結構語られる条件なのではないか、と肌感覚的に感じている。
 ともすると、世の中のバリバリのキャリアウーマンの方や、年収1,000万円という理想を探究する女性にとって、パートナー探しって本当に厳しいし苦労しているんだろうなぁ、と感じる今日この頃でした。

 色々なファクターをつらつらと挙げてみたものの、一番大切にすべきものは年収や見た目といった定量化されたり見えるものではなく、性格・心といった人の内面の部分だと思う。また、世の中の男性陣に対しては、女性陣がパートナー探しに苦労しないように自分磨きに精進する事が、本当のジェントルマンなんじゃないかな、と思う(自戒を込めて)。
 また、もちろんこれからの時代LGBTといった多様性を踏まえ、上記男女の二軸論ではなく色々な価値観の下で様々な素敵な出会いが訪れる、そんな日本であって欲しいと思う。

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