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けものフレンズ3がゲームとして「プレイヤーへの最大の侮辱」をシナリオへ組み込んできた話をしたい

※この記事はけものフレンズ3の8章ネタバレを前提としています、
 タイトルが物騒ですがアンチ記事ではなくただの8章感想文です。


8章クリア済みの方は下へスクロールしてください、まだの方は何故この記事を開いてるのか分かりませんが早く見ましょう、あるいは早くインストールしてください、初期☆4指名券はギンちゃんがオススメです。




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まず前提として私が思っている「プレイヤーへの最大の侮辱」とは

「プレイヤーから意図的に操作を取り上げること」


8章クリア者はすぐにピンと来ると思いますが、けものフレンズ3において該当する箇所は8章10~11話の「隊長不在」シーンにおける制限。

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正直に言うと、初見で状況を飲み込む前に感情的になって若干キレた。

私はストーリーを進める際、没入感を維持する為にオート戦闘を使用せずに(マニュアル操作の意義が出るよう助っ人以外はLvも調整して)読み進めてきたところに、シナリオの展開でプレイヤーである隊長が声も出せない重傷を負ったとはいえゲームの基礎である「操作」を意図的に奪われた事に私は怒った。

そもそもプレイヤーの分身である隊長の仕事ぶりがコミュニティの評価的に

「シナリオでの隊長の仕事って運転くらいしかしてないよね」
「その運転も最近はLBに取られがちだよね」
「戦闘でフラッグを渡すのが一番の仕事だから・・・・」

と空気ぶりをネタにされてきた中で、その一番の仕事を奪われたのである。
(細かい事言えば役として重要な事はチラホラやってるけど・・・)


「操作を取り上げる」事がプレイヤーへの最大の侮辱の話に戻ろう。

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屈辱的に揺れるシステムメッセージを尻目にアニマルガール達を見守る。
ここまで読み進められる戦力なら勝利には問題はないのだが、

待機スキルを狙わない、コーラスを組む概念が皆無、フォーカスが合わない
と改善前の標準オート戦闘よりメチャクチャな光景が流れていく。
直前までマニュアル操作だっただけにその歪さが際立つ。

戦闘パートでプレイヤーから操作を取り上げ、メチャクチャな戦術で進む光景を見せつけられ、シナリオ上隊長が指示を出せない状態へ陥った演出と辻褄合わせとはいえ、何故ここまでプレイヤーにとって侮辱でしかない要素をシナリオへ組み込んだのか?



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無力感

けものフレンズ3の世界に登場するヒトが一様に抱える「無力感」を、ゲームシステムを通じて同じくヒトであるプレイヤーにも例外なく与える為だ

これはシナリオ中でプレイヤーである隊長がオタッシャ重点の展開になったので、演出として「隊長不在」のシステムを取り入れたとかそういう単純な話ではない。プレイヤーはハンターセルに負傷させられると同時に、これまでの登場人物と同様に『輝き』を奪われた。じゃあプレイヤーの『輝き』ってなんだ?

ゲームを操作して遊ぶことだ。

だからこそ『輝き』を奪われたプレイヤーは『操作』を奪われる、というゲーム側からプレイヤーへの最大の侮辱を与えるゲーム体験を通じて『輝き』を巡るけものフレンズという物語の土俵へとプレイヤーを引き込んできた。

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ヒトは弱い

ジャパリパークではフレンズ達が居なければ自分の身も守れない

フレンズ達が敗北すれば逃げた先で泣き続けるしかない

ジャパリパークにおけるヒト側の登場人物が吐露した無力感の感情を
他人事でなくゲームからの最大の侮辱でプレイヤーが思い知る事となる。

出来ていた事が出来なくなる

見ていることしかできない

お前も例外なくこの世界では無力で弱い


そしてシナリオパートへ戻れば現状最も熾烈な戦況と『お前を絶対守る』というドールの存在が、上の認識と没入感を深めていく。

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余談だがドールの決意を汲み取って下の選択肢を選ぶと暴れる事ができる、
泣く

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そして例のシーンへと続いていくのだが・・・

けものフレンズは世代交代設定とリデザインで『産まれて、生きて、死ぬ』という要素を間接的に示唆している状態だったのを、けものフレンズ3という「ゲーム体験」を持って、作中の出来事を出来るだけプレイヤーの目線に合わせた状態で、その要素を初めて直接的に出すと同時に、プレイヤーの身に起きた事だと知らしめるヤバゲームのピークが、例のシーンとなる。

そして12話では『操作』を取り戻したプレイヤーとアニマルガール達でボスへと(からげんきのデバフ付きで)挑むカタルシスへと繋がる。

実のところ、私はけものフレンズ3のドール編には甘えていた。
根幹の話とか、ヤバゲーム要素はアライさん編の管轄だからと、
メインストーリーであるドール編は多少暗くなっても王道になるからと。

結局のところナナちゃんさんの言う通り「そんな日が・・・いつか来るかもしれない。その日が、いつ来るかも分からない」なわけで、その日を迎えた我々は、単純にストーリーで人物が退場したという話で割り切れないけど、それでもこのゲームと向き合って日常的に遊び続けるために、クエスト画面を開き続ける事が、オイナリサマの言う「前に進む」という事だなあと。

だから、彼女は確固たる「二代目副隊長」として1からの新しい物語を見せてほしい。先代の残した日誌も、サーバル宅の寄せ書きのように、上書きじゃなくて、代々続いていってほしい。

ただちょっとだけ、星の記憶による瞬間的なリフレインに関しては、
けフ2のかばんさんの言葉を借りると「また逢おうね」



最後に、戦闘パートで操作を奪われるなら、逆にシナリオパートで操作ができた場面があって、これこそ声も出ない状況から、プレイヤーの輝きである『操作』から彼女の『全力』へ届いたと思っていて本当に、本当に、





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