けもフレ3イベントシナリオ振り返り:短気は損気?ブラックマンバの大奮闘!
あらすじとしては、ブラックマンバがボブキャット指導の下、
反射で威嚇してしまう悪癖と向き合っていくお話。
イベント前にフレストで先出しされたボブキャットが、
3話以降から主要人物となったので結構驚いた。
夏イベントシナリオ「海辺の仲良しキョリ」における
アフリカタテガミヤマアラシとヒゲペンギンの関係に近いが、
今回はジャパリカフェを通じた明確な師弟関係の描き方だった。
ボブキャットの描き方が非常に興味深かったので、
粗筋を追いつつ、そこを中心に書いていく。
1.「蛇は怖い」という認識
ボブキャットと出会うまでは、
悪友とも言えるハブと行動を共にしながら、
ブラックマンバの悩みに試行錯誤を行なっていく。
ちなみに二人とも一人称が「オレ」かつ、
ハブの調子の軽さから、男友達のノリ感がすごい。
今回の話に限っては6割くらいハブに原因があるが、
「顔を合わせては逃げられる」シチュエーションは、
毒蛇の存在という前提からなる「蛇を見たら警戒すべき」
という、人々が持つ普遍的な認識に、とても近い描き方。
途中、何度逃げられてもイケイケのハブを見て
「ハブは俺にたくましさを教えようとしている」
とブラックマンバが誤解するのも生態が元ネタ。
生態でのハブが、荒い気性でオラつくのと対照的に、
生態でのブラックマンバは他動物に対して用心深い。
攻撃は最後の手段で、隠れるか、逃走を優先する性格。
同じ毒蛇でも、相手に対する性格は全然違う。
なので弱気なブラックマンバは対照的な性格への憧れを抱き、
アイアンメンタルのハブが話の主導権を握る。
そのハブのせいで半分コメディタッチで進行するものの、
悪友ながら気さくが良く、数少ない気を許せる親友として、
ブラックマンバが安心して付き合う風景に関係性を感じられる。
2.人を見る
「出るだけで面白い」と評判のブャガーさんを通じ、
ブタの怪我から中盤のボブキャットとの出会いへ繋がっていく。
ホワイトタイガーはぼっちで修行しているのに、
ブャガーさんは拳で語れる相手には謎のコミュ力を発揮する。
カフェではブタの配達代行のお礼に一服を勧められるが、
ハブの悪ノリに対する威嚇でカフェの空気を悪くしてしまう。
責任感からブラックマンバは去ろうとするが、
ボブキャットはその事情を聞き出す。
ブラックマンバの考え方としては、
自分の威嚇が周囲に非常に怖がられる(実際コワイ)
性格の関係上、反射で出るのでどうしようもない
なので他人と距離を置く方が丸く収まり、誰も傷つかない
ボブキャットは①と②の話から③の心理を汲み取り、
ブラックマンバが配達代行を買って出た事実と合わせ、
「怖い人物でなく、心根が優しいフレンズ」と評価する。
ボブキャットは最初からブラックマンバの内面を見ており、
威嚇の後でも、接する態度と考え方を変えなかった。
人間性を表面で見えるものだけでなく、
行動と心理を結びつけて内面の本質を見る。
実にカフェのマスターらしい慧眼(人物眼)を持ち、
キャラクターとして仕上がっているので、正直驚いた。
3.コーヒーと一緒
そんな訳でボブキャットはブラックマンバの優しさを買い、
変わるキッカケとしてジャパリカフェの手伝いを提案する。
練習段階ではすぐ好転せず、短気の自覚に悩むブラックマンバに、
ボブキャットは2つのコーヒーを例えに、1つのスタンスを説く。
ボブキャットの「内面を見る」スタンスの基盤となる考え方。
「人間性はすぐに伝わらない、長い時間で初めて深みを増す」
意訳のニュアンスはそんな感じだが、とても芯の通った根拠。
ハブがブラックマンバの優しい性格を度々フォローするのも、
長い付き合いで理解していった確信から来る裏付けでもある。
また、練習でブラックマンバが自覚した、
「業務に待ち時間が発生するとイライラする」に対して、
「時間がかかっても良いんだよ」と楽にする教え方でもある。
ちょっとだけアンガーマネジメントや、
仏教の仏性を見つめる話に近い。
ボブキャットはこれに加えて本番で、
「待ち発生の時だけやるタスク」を用意し、
根本の予防まで行なっていた。デキる上司。
4.おわりに
終盤はボブキャットの教え通りに、
ブラックマンバが話を結末まで運んでいく。
イベントシナリオとしてはピックアップキャラの、
ブラックマンバが師弟を通じて順当に成長する話。
一方で、アプリ媒体では約6年ぶりの登場となるボブキャットが、
シナリオで師匠としての役割以上に、カフェ店主として、
頭一つ抜けた大人の人物像が確立するほど良く描かれていた。
その上ブラックマンバはリデザイン同時公開で、
メディア登場自体が正真正銘ネクソン版ぶり。
そこへ癖の強いハブを付けた事による性格の対比に、
シナリオ運びと橋渡しは、ハブの癖以外の多面性と、
ブラックマンバの印象、両方ともが強く描かれていた。
シナリオ全景ではオーソドックスな展開で纏まっているが、
細部では今までと一味違うような味付けを多く感じた。
確かに、コーヒーに近いのかもしれない。
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